逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

ギフテッドは自分が間違うことを知らなければならない

ギフテッドの人は
驚くほど根本的に間違えてしまうことがありませんか?

 

 

自分でも驚いてしまうくらい


うっかりと情報を見過ごしていたり
思い込みで勝手に推測して確信して

全部が覆るくらいの大きな間違いをおかしてしまう。

 

 


ギフテッドのカウンセリングをしていると

「一を聞いて十を作り上げる」癖を持っている人がすごく多いなと思うんです。

 

 

 


最初の小さな情報から推測してすごいスピードで結論まで到達する

 


これは一つのギフテッドの才能でもあると思うんです。

 

 

 

でもこれは万能ではなくて、気をつけないといけません。

 

それは仮説として置いておいて何度も検証したり

仮説を立て直したりしなければ間違いだらけになるでしょうし


人間や人生のように一貫した法則の無い予測不可能なものに対しては
間違いやすいですよね。

 

 

 


ギフテッドの人は、みんなどこか自信満々です。

 


自分に自信があるわけではないんですよね。

劣等感や罪悪感など心の問題があって、堂々とは出来ない人も多いと思います。

 

だけど自分の思考や判断に自信があるという感じでしょうか。

 

 

 

私もそうでしたしクライエントさんもそうでしたが
これはほとんどのギフテッドに見られる特徴だと思うんです。

 

 

 

表面的には
「私はわからない」「私なんて」と言う人でも

 


ただ表立って主張しないだけで
自分の考えを曲げない、絶対そうだという確信を持ってる度合いは

やはり自分の思考や判断に自信を持っているように見えます。

 

 

ギフテッドがこうなってしまうのも自然なことだと私は思います。

 

 

 


ギフテッドは与えられた判断材料なかで
一番正解に近い答えを導くのは得意です。


IQテストのように一定の法則を見いだして先を予測するような感じですね。

 

 

だから多くのギフテッドは

自分の人生でも驚くほど何かをピタリと当ててきて
人を驚かせてきた経験を沢山持っています。

 

 

でもその時は

運良く判断材料が一通り揃っていた

運良く一貫性があって予測しやすかった

自分の状態が良く思考が冴えていた

 

こんな時ではないでしょうか。

 

 


多分私たちは

本当は同じくらい予測を外してきたのに
外れてきたことはそれほどしっかりと記憶していないんですよね。

 

 

 


私も色んなことをピタリと当てる自信を持っていました。


「予言者みたいで怖い」

「え?誰かに聞いた?」

「知ってたんでしょ」


こんなことをどれだけ言われてきたでしょうか。

 

 

 

でも過去を冷静に振り返るようになって分かったのは


ピタリと当てた経験も多いけど
人生でどうしようもなく完全に予測をはずしてきた経験も沢山あって
心の中で自分を責めたり疑ったり情けなく思ってきたこともありました。

 

 

自分の予測を口に出していない
口にしたけど多くの人が覚えていない間違いを

心の中で無かったことにしてきたことも多いです。

 

 

 


このように、ギフテッドはその性質上

どうしようもなく予測を外すことがあるということは

自分でわかっていなきゃいけないと思います。

 

 

 


今ある判断材料だけで最高の予測ができる

一定の法則があるものだけ予測ができる

 

でも感情が喚起している、脳疲労をしている状態では予測を外す。

 

 


だから自分の事、人生について、人についてなどは
感情を喚起させやすく、悩みすぎて脳疲労をしやすく
判断材料が不足しやすく、一貫しないことが多く・・・

 

予測を外しやすいんですね。

 

 


人生も人も思いも寄らない動きを見せます。
一定の法則がある時も全く予想ができないことも沢山あります。

 

 

人に関しては
ほとんどが情報不足で予測することは難しい。

 

自分の目の前で見せる姿や
遠くから観察した姿

それだけで人を理解できるでしょうか

 

人を理解するには判断材料はもっと沢山必要です。

 

 

自分に見せる姿

人に見せる姿

心を開いた時に見せる姿

深い関係の人に見せる姿

機嫌が良いとき悪いときに見せる姿

絶好調の時絶不調の時にみせる姿

心の中で考えていること感じていること…

 

これだけの情報を集めるのが難しいですよね。

 

 

 

これだけではありません。

 

 


ギフテッドは感情が大きく好き嫌いもとても激しいんです。

 

 


これが何かを判断するときに影響して
「好き」「嫌い」によってそのものを良く見過ぎたり悪く見過ぎたりして

大きく間違ってしまうことがあります。

 

 

好き嫌いによって判断を間違えるのは人間らしくていいと私は思いますが
それを「自分の感覚はいつも正しい」と思ってしまったら

色んな問題が起きますよね。

 

 

 


ギフテッドの人の心の問題は

 


自分や人のことを決めつけてしまうこと

 

衝動的で予測不可能な自分や人のことを予測して理解できると思っていること

 

事件や事故、運などで思いも寄らないことで180度変わってしまう人生も
予測して当てられると思っていること

 

 


ここにあると私は思っています。

 

 

 


自分で決めつけてそこに近づいていってしまう

 


これはギフテッドにとって自分で不自由を感じてしまうことで


何か悪いことがある度に
不安は膨らんで転がるように悪い人生に向かっていきます。

 

 

 


自分や人を予測してそれを正しいと思う

 


多面的で奥深い人間の大部分が見えなくなり偏見が多い見方しかできなくなり
自分も人も分からなくなるし、決めつけられる人も不自由で不快に思い去って行きます。

 

 

 


人生を予測して達観する

 


長い人生が予定調和に感じ、退屈な苦手なギフテッドは心を壊します。
自分で決めたレールを走らなければならないような不自由さから逃げられません。

 

 

 


ギフテッドが心の健康を保つためには


自分の予測はかなり正確な部分はあるが
ある条件下では頻繁にとんでもなく根本的に間違うことがある

 

これをつねにわかっておかないといけないと思います。

 

 

 

私もつい予測に自信を持ちたくなりますが

情報不足や感情によって
今自分が完全に間違っている可能性があると気をつけながら毎日過ごしています。

 

 

 

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