逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

不安定な自分のままで安定する

躁鬱の傾向がある人は
きっとこう考えているのではないでしょうか。

 

 

 

気分の上がり下がりは無いほうがいい。

 


上がり下がりは疲れるし
人格的にも未熟に見られてしまうから

 

絶対に
気分は安定していたほうがいい。

 

 

 


そうですよね。

 

私もそう願った日々がどれだけ長かったでしょうか・・・

 

 

この10年ほどは
外から見ると、一般の人よりも安定的に見られるようになりました。

 

ですが

気分の上がり下がりは、以前とそんなに変わっていません。

 

 

 

ここに至るまで

 

気分の上がり下がりを何とかしようと

私はこれまでに色々なことを試し、失敗してきました。

 

思い返していくつか挙げてみます。 

 

 


・自分を一喜一憂させる刺激を出来るだけ減らしてみる。

 


新しい出会いを求めない。
新しいことをやらず、同じ事を繰り返す。
人が集まるような場所に行かない、人と会うとしたら2人きりで。
1人で充実した時間を過ごす。
品の良い言葉だけを使い、感情を動かさない。

 

 

 

見事に気分の上がり下がりはほとんど無くなり
落ち着き払った態度を常に取れるようになりました。

 


ところが
楽しいという気持ちも無くなって
どんどんエネルギーを無くして
鬱のようになってきたので、ほどなくしてやめました。

 

 

 


・理性を強くして感情を抑え込む。

 


自由に刺激を求め、自由に感じることは許す。
そうすると感情的になることも増える。

 


そうなってしまった時に
「それは恥ずかしいことだからやめなさい」
「それは非常識だ」
「それは非合理だ」

 

自分を叱りつけて自分を抑える。

 

 

 

見事に表向きは上がり下がりがないように見せることができたが
自分の内面では
押さえつけられた感情が溜まっていって
大きな感情が度々爆発するようになって、ほどなくしてやめました。

 

 

 

・自分に好きなようにさせて全部許してみる。

 


やりたいことを求め、やりたいように振る舞う。
そうするとどんどんエネルギーが湧いてくる。
どんどん人と関わりたくなってくる。

 

何でもやれるような気がして
どこまでも無理をしてしまうようになる。

 

気分が上がりっぱなしなので
しばらくの間は上がり下がりが無くなる。

 


ところが
上がったままブレーキを踏まないので
どんどん躁状態がひどくなり
それが終わったときの鬱状態が酷く長く続くように。

 


自分勝手にやりたいように振る舞い、人のことを気にしない状態になっているのに
人に積極的に関わっていきます。

 

人に嫌な思いをさせることが増え
疎まれたり、批判されたり、軽蔑されることが増えていき
結局は後で、自分のしでかしたことに落ち込むことになりました。

 

 

どうでしょうか。

みなさんもやってみた経験があるのではないでしょうか。

 


感情のコントロールが難しい人が
自分をコントロールしようとして上手くいかずに苦しんでいる理由は

 

私と同じようなことを試しているからかもしれません。

 

 

 

生まれつき躁鬱の傾向がある人は
波を無くそうとすると
どこかに無理が生じて心に問題が出てきます。

 

 

 

私がクライエントさんとのカウンセリングで意識してもらうことは
「不安定であることを一旦受け入れる」
ということです。

 


波を無くそうとずっと努力をしてきたと思いますが
それを、もうやめてもらいます。

 

その代わりの目標を立てます。

 


・自分の波の大きさやタイミングを知り
 準備をする。

 

・自分で波の大きさやタイミングを図れるようにする。

 

・波があるなりに波の大きさを緩やかにする。

 

 

 


気分の波にのまれて困った事態になるのは
自分で予測がつかないからです。

 

そのせいで驚きうろたえて対処ができません。

 


大きすぎる気分の波は、負担が大きいので
自分の選択で波の大きさを小さくしていきます。

 

 

 


例えばですが

 


自分は

 

人と会う機会が増えると躁状態になりやすい。
その後に鬱状態が長引く。

 


夏には躁状態になりやすい。
冬には鬱状態になりやすい。

 


何かに挑戦しているときは躁状態になりやすい。
それが終わると鬱状態が長引く。

 

 

 

こんなことが分かっているとすると

 

躁状態の時にちょっとブレーキをかけることが出来たり
鬱状態の時に自分を奮い立たせようとすることをやめられます。

 


自分の人間性だと決めつけて

驚いたり恐れたりする必要もなくなります。

 

 

 


何かに挑戦するときに
終わったら鬱状態が来るけれど
どこまで無理をして大きく躁状態を作って鬱状態を受け入れるか。

 

と自分で波の大きさを計画できます。

 

 

 

「不安定なりに安定すること」

 

これを繰り返しているうちに
自分なりの安定が分かってきます。

 

 

 


四季があるから
寒さに震えたり暑さにバテたりしますよね。

 

でもいつ季節がやってくるか
だいたいどのくらいの気温になるか私たちは知っています。

 

だから準備をして
その季節に合わせて快適に暮らしています。

 

これだけの気温差にも慣れて対応出来るようになっています。

 


一年中温暖な気候もいいですが
四季があるから面白いという気がしませんか。

 


しっかりと知っていけば
不安定な自分にも慣れることが出来ます。

 

対処しながら楽しんでいくことが出来ます。

 


不安定なりに安定して
波のある自分を楽しんでいきませんか。

 

 

 

 

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