逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

境界性人格障害①-支えてくれる人へ-

境界性人格障害(Borderline Personality Disorder : BPD)について


私自身の経験と典型的な症状を説明しながら書いていきたいと思います。

 

当事者や周囲の方が読まれることが多いと思います。

BPDよりも、通称のボーダーという言葉の方が

馴染みがあって心に届きやすいかもしれないのでこちらを使わせてもらいます。

 

 

虐待経験やADHDの経験などは
すんなりと書くことができたのですが

 

ボーダーについてはなかなか書けませんでした。

 


やはり、思い出すのはつらいです。

 

私のこれまでの経験のほとんどは


「絶対に自分のせいではない」
と胸を張って言えました。

 

でも
ボーダーの経験になると、こう言い切れなくなります。

 

ボーダーから回復に向かっている方は

何となく分かって頂けるのではないでしょうか。

 

 

ボーダーの症状が出るまでの期間

ボーダーの症状が出ていない場面では

 

自分のせいではない困難ばかりに遭い

たった一人で我慢して責任を負って

(外から見ると無責任で逃げているように見えますが)


被害者である状況が多かった。

 

でも
ボーダーの時は
そんな自分が加害者側に回ってしまいました。

 

あんなに
心から嫌い恨んだ加害者に、自分がなってしまったこと。

これはすごくつらいです。

今でもつらい。

 


後悔をしても、あの時に戻っても
今のように心が回復していなければ

絶対に同じことしかできないと思います。

 

どうしようもない自分ではあったけど
絶対にああしないと生きられなかった。
そう思います。

 


ボーダーの被害にあった人は
はらわたが煮えくり返る思いでしょう。
ごめんなさい。

 

だけど
ちゃんと養育されて来られず

生き方も人との関わり方も何も教わっていない人間が

何の助けもなくたった1人で考えながら生きてくると

ああしなければ生きて来られないんです。

 

あれで自分なりに精一杯考え抜いて行動してきたんです。

 

 

人に迷惑をかけて
振り回して
どん底に突き落として
人でなしだと言われても
自分ではどうしようもできない。

 

自分で出来ることと言えば
命を絶つことしかなくなってしまう。

 


こうやってボーダー側の事情をお話するのは

 

あなたに何とかしてほしいとか
あなたが我慢して許してほしいと言いたい訳ではないんです。

 

 

事情を知っていただいた上でお願いがあるんです。

 


どうか
距離をとってください。

 

ボーダーは
距離をどんどん近づけていってしまいますが
逃げて欲しいんです。

 

近づくと

ボーダーはあなたの時間や力や自尊心を奪ってしまいます。

あなたを壊してしまいます。

止められないんです。

 

ボーダーを支えようとして無理をして倒れることは
ボーダーをより一層ひどくさせます。

愛情や熱意だけではどうにも出来ないことを知ってください。

無理でも、それはあなたの愛情や熱意が不足しているわけではありません。

 

自分なら助けられるなんて思わないでください。

ボーダーを一人で助けるなんて土台無理なんです。

無力を味わうのが嫌でも、認めてください。

 

可哀想なボーダーを見捨てることに罪悪感を抱かないでください。

自分が溺れている時に溺れている人に掴まれたら振り払う以外できません。

 

 



もしボーダーを助けたいと思ってくれるなら

 

あなたも外に沢山の助けを得られる状況を作ってください。

 

一生愛情を与え続けられるように
少なくても良いから愛情のペース配分をしてください。

 

少ない援助でいいので
あなたが無理のない出来る範囲で関わり余裕を保ってください。

 

一生そばにいるために、なんとか距離をとって
巻き込まれて嫌いにならないように、つかず離れずでいてください。

 

ボーダーを助けることをあなたの人生にしないでください。

あなたはあなたの人生を充実させて

余った時間や力でボーダーに少し関わる程度で長く見守ってください。

自分がボーダーを助けるのではなく

微力ながら回復に協力したいという気持ちぐらいが丁度いいです。

 


難しいお願いをしていますね。

 

でも
これを数年続けてくれたら
きっとボーダーは良くなっていくはずです。


これを10年続けてくれたら

あなたが好きで好きでたまらなくなるぐらい
魅力的な人に変わるはずです。

 

元ボーダーからのお願いです。