逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

境界性人格障害③-悪化していく-

発症したてのころは

 

まだ気性が激しい女の子というレベルで済んでいたと思います。

 

それがどんどん

普通ではないレベルに変わっていきます。

 

ボーダーが悪化する時には
必ずきっかけがありました。 

 

一度目のきっかけは
虐待をされてきた養父母から逃れ
完全に天涯孤独になった時です。

 

 

やっと逃げることができた気持ちは

とても一言では言い表せないものでした。

 

ずっと里親に

逃げられないと暗示をかけられていたので

自分が逃げられたことに信じられない気持ちでした。

 

でも一方で

逃げたら殺す、どんな手を使っても探し出すと脅されていたので

逃げた後もいつ目の前に現れるかわからない恐怖もありました。

 

毎日恐怖でした。

 

やっと逃げられたものの

家出少女、親類がいない、天涯孤独…

そんなことが現実に重く感じ始めていました。

 

 


こんな思いは
楽しい最中の大学2年生の恋人、友人達には全く理解されません。

 

逃げられて良かったね
もう大丈夫、終わったこと、めでたしめでたし

そんなふうに考えられていたと感じていました。

 


大学の学費は親が払っていたので私はもう通えません。

もし上手く自分で納入するやり方があったとしても

大学に行けば捕まると思ったので私は大学に行けなくなります。

 

 

友人たちは学校に行って授業を受け
それから私も含めて集まって遊ぶ。

 

そんな時
「授業しんどい」
「いいなー行かなくてよくて」
「今日一日何してたの?」
と遠慮のないことを言われます。

 

ことあるごとに

「プータローがいる」なんて言われて悔しい思いをしていました。

 

私がいつも明るく笑っているので
私に事情があったことも忘れて、苦悩していることにも気づかず

大学をやめて働きもしない
ただ怠けているだけの人間にうつったのでしょう。

 

実際は
不安や恐怖がとてつもないのは当然の状況だったと思います。


また私はそれを一人で抱え

少しも出さないでみんなと同じように笑っていました。

 

 

この時

孤独がとにかく怖くて
何にもない自分にどうしたらいいか分からなくなって

こんな状況でも
周りに合わせて気遣いながらサークルのリーダーを続けるしかなかったんです

 

 

 

自分がここにいる誰よりも
真面目だし頭がいいし学びたかった。
なのにバカにされる。

 

リーダーとして必要とされて色んな責任を負わされているのに
感謝もされない、大学の話にも入れない。

 

自分を気遣う人なんて1人もいない。 

 

激しい劣等感と疎外感で

いつもそこから逃げ出したくなりました。

 

周囲が特別優しくなかったわけではありません。

とても気の良い人たちだったと思います。


遊びたい盛り、自分のことでいっぱいの大学生。

 

虐待されて逃げてきた私のことは気になっても
本人が元気に笑っていたら
それ以上気遣えないのも当然かもしれません。

 

冗談で慰めようとしてくれたのかもしれません。 

 


でも

自分のせいじゃないのに
自分は不真面目でもバカでもないのに
大学をやめて動けないことを
怠惰というニュアンスの言葉を言われることが
何よりもつらかったんです。

 

虐待から逃げ天涯孤独になって
この先どうしたらいいのかわからないで混乱をしているのに
誰にもこの気持ちを打ち明けられない、知ろうともしてもらえない。

 

とにかく辛い日々でした。

 

 

 


二度目の悪化のきっかけは
同級生の就活の時期です。

 

それまで
私は大学生ではなくても
楽しい大学生活のためにサークルを運営するために
私は必要とされていました。

 

しかし
就活の時期にはいると
当たり前ですがサークルの活動はなくなり

私の存在は全く必要とされなくなりました。

 

みんな急に真面目になりました。

 

これまでのことが嘘だったかのように
人が変わっていきました。

 

私はこれまでの苦労をねぎらわれることもなく

急に必要とされなくなり


社会に出て行こうとするみんなに置いてけぼりにされ
一人取り残されました。

 

 

この頃の話題の中心はいつも就活の話。


その時

就職のために
みんながサークル長だったと履歴書に書いていると

私に悪びれもせず、笑いながら言ったんです。何人も。

 

あれだけ
私に協力すらしなかったのに。
なにもせずに楽をしていたのに。
私の苦労や責任の重さに感謝の一つもなかったのに。

 

強い怒りを覚えました。

 

悔しかった。
これまでの頑張りを
すべて踏みにじられたと感じた瞬間でした。

 

そんな絶望感の中
みんなに必要とされるリーダーから
ただ何もしない大学をやめた変な人に転落した私は
激しく鬱状態に入り
ボーダーが悪化していきます。

 

 

自分の経験から

 

大きな重圧から解き放たれ、人から必要とされなくなる

それまでの苦労は一つも報われていないと知る

時間は有り余るほどあるのにやることが分からない

自分の苦しみを誰にも打ち明けられないだけでなく明るく努める必要がある

 

このようなことが重なり

ボーダーを悪化させるのかも知れないと思います。