逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

愛着障害が治るまでしてはいけないこと

 

愛着障害の人に
ぜひ知っておいてほしいことがあります。

 


愛着障害が治るまで
親子関係でしてはいけない事があるということです。

 

 

 

まず
親を理解してあげようとすること
親を助けてあげようとすること

 

これは
自分が愛着障害から回復するまではしてはいけません。

 

 

 

親だって大変なのに
親想いの優しい行動なのに

 

なんでいけないの?
と思いますよね。

 


でも愛着障害から脱したいなら
本当に親のことも救いたいと思っているなら

 

自分が回復するまでは、してはいけないことなんです。

 

 

 

カウンセリングの時、私がよく出す例です。

 

この状況と同じような事だと私は思うので
かなり大げさですが想像してみてください。

 

 

 

あなたは
ある日突然、自分の大事な人を通り魔に殺されてしまいました。

 

幸せだった日々が突如として壊されてしまいました。

 


何も悪いことをしていない大事な人が
何故こんな目に遭わなければいけないのか。

 

何故自分は大事な人を奪われなければならないのか

 

どれだけ驚き混乱し
信じられない理不尽な出来事に怒りに打ち震えるでしょうか。
大事な人を理不尽に失う悲しみはとてつもない。

 


そんな時
犯人の生い立ちを知ることになります。

 

その人は
生まれながらに親は無く養護施設で育ち
養子先でひどい虐待に遭い、毎日暴力を受けて育った。

 

そこから逃げだし
色んな場所に身を寄せて暮らしていたが
その先々で騙され、安い賃金で奴隷の用の扱われ、お金を騙しとられ
真面目に人を信じて必死に生きてきたのに
何一つ良いことが無く、人に傷つけられる人生。

 

そんなことが何度も繰り返され
何度目かの裏切りにこれまでの我慢が爆発し
精神的に追い詰められ、人間全体への憎悪になり、事件を起こしてしまった。

 

 

 

もし
自分が関係が無いところで、この話を聞いたら
犯人に同情をするかも
しれません。

 

でも自分の大事な人を奪われ、自分の幸せを壊され
苦しみの最中にいる時に
この犯人に同情なんて出来る訳がありません。

 

する必要なんて無いですよね。

 

全力で怒り恨み、許さなくていいと思いませんか。

 

 

 

親がこの犯人ほどの酷い行いをしたんだと
言いたいのではありません。

 


でも
子ども側の実感として

 

子どもの
繊細で強烈な感性で経験するショックや恐怖
人生経験が少ない故に深く刻まれる大きなショックや恐怖
無邪気さゆえにそこから絶望へ突き落とされた時の落差のショック

 

とてつもない影響力をもった親という存在によって
大きく人生を左右され
長く苦しめられ

失われた時間や奪われたものの大きさを考えた時の憤り

 


この例え話と同じくらいの
言葉にならない悔しさや怒りを感じるのは
当然のことではないかと私は思うんです。

 

 

 

それなのに
実際に例え話ほど、それほど酷いことはされていない
自分の親だから
親がどれだけ大変だったか事情を知っているから・・・

 

こんなことを考えていたら
何一つ、自分の本当の感情は感じられないと思いませんか?

 

 

 

例え話のように

 

とてつもない被害を受けた側が
全く嘆かず、怒りを持たず
加害者に同情するなんておかしなことだと思いませんか?

 

犯人が被害者に
こんな事情があったんだから許して欲しいと許しを請うのは
犯行以上にとんでもない自分勝手なことだと思いませんか。

 

 

 

これと同じなんです。

 

どんなに大事な親であっても
どんなに親だって苦労があったとしても

 

被害を受けた側が同情するのはおかしいんです。
加害をした側が同情を求めるのはおかしいんです。

 


当事者ではない人に
それは全てお任せするしかないんです。

 

 

 

もし
被害を受けた側でも同情することがあるとしたら

 

それは被害を受けた状態から十分に回復してからです。

 

 

 

だから
愛着障害が治るまでは

 

親を理解してあげようとすることも
親を助けてあげようとすることもしてはいけないことなんです。

 

 

 


もうひとつ。

 

自分がどれだけ大変な目に遭ったか
自分がどれだけの気持ちだったか
親を責め、親に理解を求めることもいけません。

 


これは正しいことです。

 


例え話で言えば
犯人に対して

 

「ひとでなし!」
「大事な人を返せ!」
「一生をかけて償え!」と詰め寄るようなことで

 

決して間違っていないですよね。

 


ですが
愛着障害を持つ人の親は

 

先ほど言ったように

 

加害をした側なのに
被害者に同情を求めている状態です。

 


さらに
例え話のように、外から見て分かりやすい加害ではありません。

 

親は

自分の頭の中で妄想で、全て無かったことにしてしまっています。
周囲の人には隠して、これまでの行いを闇に葬り去ってきています。

 


だからいくら訴えても
親は、「自分は何もしていない」という姿勢を絶対に崩しません。

 


そうすると

 

被害者側である子どもが訴え続けてヘトヘトになり
周囲の人にも理解されずに自分を疑うようになり
加害者側の親に同情を求められ、罪悪感を煽られ、自分を責めるようになります。

 


間違っていないけれど
疲れ果てて自分を嫌いになってしまうだけなんです。

壊された自分の人生を、修復できないままになってしまうだけなんです。

 

 

 

正しいことですが

 

自分を守るために

自分が報われるために
親を直接責めること、親に理解を求めることはやめませんか。

 


まず大事なのは
自分と自分を理解してくれる人だけで
このこれまでの起きた重大な事実を理解していくことです。

 

そして
湧き上がる感情を
苦しいけれどとことん出し尽くすことです。

 


親を理解してあげようとする
親を助けようとする
親に理解を求める
親を責めて償わせる

 

もしこれで上手くいくような親なら
みなさんは愛着障害になっていないんです。

 


本当に残念なことですが

 

愛着障害
当事者ではない人の力を借りながら治していくしかないんです。

 

 

 

 

 

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