自分を棚上げする。
これって
みなさん、よくやることですよね。
一般的に
あまり良いことではないと思われているけれど
自分を棚上げすることを禁止されてしまったら
私は無口になってしまいます。
自分は経験が無いから、人のこと言えない
自分には絶対出来ないことだから、人のこと言えない
自分もやっているから、人のこと言えない・・・
何が浮かんでも、何を感じても
何にも言えなくなります。
自分を棚上げすることには、良い所だってあるんです。
自分を棚上げして物事を眺めるから
より面白いと感じるし、見えるものがある。
その都度
自分を顧みなくていいから
一方的に見ることに集中できる。
まるで自分が行動してるかのように臨場感が味わえて
落ち着いて俯瞰できるから全体像が見える。
自分を棚上げすると
自分に厳しくは出来なくなるけど
自分を解放して緩めて楽になる
自信をもって目の前のことに集中しやすくなるという利点があるんです。
例えば
サッカーの試合を見ていて監督さながらに指示をする
〇〇!あそこがガラ空きだ!
しっかりしろ!もっときびきび動け
戻れ戻れ~
テレビで試合を見ていると
自分も出来るような動けるような気持ちになって
偉そうに言えてしまう。
ドラマや映画を見ていて
心の中で主人公に対して色んなダメ出しをしたりアドバイスをしたりする
なんでそこでそうしちゃうかな
あれは〇〇が悪い
あの状況ではああすればいいのに
勇気をもってやればいいのに
悲観的になりすぎ。大丈夫なのに
フィクションでスクリーン越しで人の人生を眺めていると
自分は完璧に出来るような気持ちになって
気が大きくなってくる。
友人に人生相談をされて
どうしたらいいかをアドバイスしたりする
それはこんなことが起きている
こうすれば解決できる
こういう見方も出来るし、他の見方もある・・・
的確な状況判断、的確な対処が思い浮かんで
驚くほど素晴らしいアドバイスが出来たりする。
もし自分が同じ状況に陥ったら
冷静でいられないけど人の事は冷静に考えられる。
日常で
いつも自分を省みて自制して
現実を把握して
自分の客観的な価値を何となく把握して・・・
謙虚に現実的にばっかり生きてたらもう
楽しくなくなってしまいます。
いつも不安や罪悪感や劣等感などの不快な感情が湧き上がり
冷静ではいられません。
夢も希望も無くなってしまいますね。
自分を棚上げすることがいけないんじゃないんです。
それを自覚していないことが問題なんですね。
たとえば
さっきのサッカーの試合の話。
プロサッカー選手に直接言っているわけではないし
多くの人に吹聴しているわけでもありません。
実害はありません。
それに
プロサッカー選手にサッカーは敵わないということは分かっています。
結果を残していて有名人で、立場が上だから
自分が偉そうに言えない立場であることも分かっています。
もしこれが
自分が出来ているのか出来ていないのか、分かりづらい事で
相手に直接伝えることが出来て
立場が対等だと思い込んでいたらどうなるでしょうか。
アドバイスを求められてもいないのに
言えるような立場でも関係性でも無いのに
言えるような経験や能力も無いのに
「それはいけない」
「こうしたらいいよ」
なんて言ってしまいますね。
相手に心の中で
「お前に言われたくないよ」
なんて思われてしまいますね。
ドラマや映画の話。
フィクションですから登場人物に何を言っても誰も傷つけません。
実際に存在する人物であっても
スクリーン越しで、誰かに賛同を求めたり吹聴したりしなければ
誰も傷つけません。
ですが
自分が棚上げしていることに気づかないままで
相手が実在していて
直接言葉を届けることが出来たらどうなるでしょうか。
SNSで
芸能人や著名人、自分が一方的に見ている人に対して
ただ遠くから一方的に眺めていると
何だか自分で完璧に出来るような気持ちになって
気が大きくなって
「それはいけない」
「こうした方がいい」
自分はその人にアドバイスが出来る立場に無いのに
自分が芸能人で同じ状況に陥ったら冷静でいられないかもしれないのに
相手には心があるのに
まるでフィクションでスクリーン越しで眺めているように
言葉をぶつけてしまいます。
そして
その行動を眺めている人たちに笑われてしまいます。
気が大きくなったまんまで
自分の現実の姿がわからないままになってしまいます。
友人の人生相談の話。
自分のことではないから
的確な状況判断、的確な対処が思い浮かんで
驚くほど素晴らしいアドバイスが出来ます。
普段から
その友人に尊敬されていたり、一目置かれている存在なら
どんどん教えてあげればいいですよね。
ですが
普段は友人にお世話になることが多い、教えてもらうことが多いのに
それを棚上げして相談にのってしまうとどうなるでしょうか。
自分はアドバイスしたことが簡単に出来るような気持ちになります。
普段の行いを忘れて、上から目線のアドバイスをしてしまいます。
そして友人に
「なんでちょっと聞いただけで偉そうに言うの?何様なの?
自分も出来てないくせに」
なんて思われて嫌われてしまいますよね。
自分を棚上げするのは心の休息になります。
ですが自覚がないと
一転して
心の健康に悪いことになってしまうんですね。
人に
嫌な思いをさせて
「自分のことが分かってない傲慢な人」と思われてしまう。
人を侵害して傷つけてしまう。
現実の自分が分からなくなって
自分はすごいような気がしてきて
傲慢になって、目の前のことにコツコツ努力が出来なくなってしまう。
大変なことですね。
どんなことも
見るのとやるのとは大違いですね。
やった人の経験を聞いて
試行錯誤して獲得したその人の答えを自分の物のように取り込んで
自分は沢山経験をしてきたような気分になっても
当たり前ですが
自分で経験していないものは経験していないんですよね。
私も棚上げして
「こうすればいいのに」とは浮かびます。
その時には
すぐに
「自分がもしリアルにやるとしたら」としっかりと想像するんです。
ずいぶん早くから挫折したり
恐れて逃げたしたりする自分の姿が浮かんできます。
そして
「私には難しい」と実感すると
外から見ているだけだと何でも無いことでも
やっている人の凄さを感じて
あんまり偉そうに言えなくなるんです。
「自分は経験がない」
これを頭の中でしっかりと意識して
自覚しながら
上手に自分を棚上げして
自分を緩めながら、夢や希望を持っていくのが私のオススメです。
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