逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

思いやりを持ち合うこと

私は最近なんだか寂しい気持ちになることが多い。

 


今の世の中

 

お互いに思いやりを持つことが少なくなってるな、と。

 

 

 

思いやりらしきものは存在している。

 

どちらか一方通行で行われているのもよく見る。

 

 

 

その場面は

 

いつも強い者と弱い者の立場がはっきりしていて

 

弱い者が強い者の機嫌をとるために
強い者を思いやる形になっているように見える。

 


そして
その強い者はより強い者の機嫌をとるために思いやり
その弱い者はより弱い者に機嫌をとらせる・・・

 


思いやりらしきものが
より弱い方から一方的に捧げられている場面ばかり。

 

 

 

もし本当の思いやりだったら

 

どちらが強い立場、弱い立場は関係なく
一方通行では無く相互になされるはずだ。

 

 

 

例えば

 


こだわりのある料理屋さんでの場面を想像してみてほしい。

 


こだわりのある料理屋さんは人気があって
予約は数ヶ月待ち。

 

板前さんは
食材ひとつひとつに時間をかけて選び抜いて
最高に素材を生かした調理法を生み出すまで時間を費やしてきた。

 


やっと完成した料理

 

全てを味わって満足してかえって欲しい

 

そんな思いがつたわってくる
渾身の料理

 


そんな予約の取れないこだわりの料理屋さんでは
客側は料理を残すなんてとんでもないと思うだろう。

 

 

 

でももし
私がその提供する側だったらどうだろう。

 


やっぱり
ここに至るまでの思いや苦労がある
食材ひとつひとつの苦労があるから残して欲しくない
渾身の料理を全て食べてほしいと思う

 

それを理解できるお客様だけ来て欲しい

 

そんなふうに思ってしまうだろうな。

 


だけど一方で

 

全ての人に心から喜んで帰って欲しい。

 


そもそも
時間をかけて最高の料理を作ったのは
最高に喜んで帰って欲しいという気持ちだっただろう。

 

 

 

だから
少し苦手なものがあったら残すのは仕方ない

 

人によって
食が細くて悩んでいる人もいるだろうし

 

アレルギーやトラウマで
どうしても食べられないものがある人がいるだろう。

 

残さず食べなきゃいけないなんて思わずに残して欲しい。

 

 

 

だけどその時
じゃあ遠慮無く残していいよね、なんて開き直らず
こちらの思いもわかった上で残して欲しい。

 

お金を払っている側は自由だなんて考える人には
料理を提供したくない。

 

 

 

どれだけの労力と時間をかけて食材を選び、調理法を試行錯誤し
ここまでたどり着いたか想像して欲しい。

 

その上で、残すのはやむを得ない。
どちらも悪くないというところにたどり着いて欲しい。

 

 

 

そうしたら自然と

 

板前さんの気持ちを思うと申し訳なくて
そんな表情になって

 

「本当に美味しかった。全部食べたかったのに
 お腹がいっぱいで食べられませんでした。残してしまってごめんなさい。」

 

こんな言葉になって、表情になって
伝えたいことが出てくるのではないかな。

 

 

 


予約の取れないこだわりの料理屋さんの立場が強いから
客側が我慢する

 

客側が高いお金を払っているから
料理屋さん側が我慢する

 


そんなふうに
どちらが強い立場で尊重される方か
どちらが弱い立場で我慢する方かを値踏みする・・・

 

そんなんじゃなくて

 


ただ自分の気持ちと相手の気持ちを考えて
思い悩んで葛藤して
お互いの気持ちを大事にしながら折り合いをつけていく

 


そんな面倒なことが思いやりなんだと私は思うんだよね。

 

 

 

一般的にはこういうことが常識だ

 

大人としてのマナーはこうだ

 

良かれと思って何かを与えてくれたなら受け入れなければいけない

 


これって
正しいことなのかも知れないけど

 

そこには相手を思いやる気持ちは無くて
ただルールに従っているだけで義務を果たしているだけじゃない。

 


きっと
誰が誰と関わりを持っても同じことになるね。

 


こんなの寂しいと私は思う。

 


私は人と出会ったら

 

私と目の前の人
お互いの気持ちを尊重しながら
お互いの個性を尊重しながら

 

葛藤しながら折り合いをつけて
2人だけのルールを作っていきたい。

 


そして
そのルールは固定されない。

 

どちらかがピンチの時はピンチの側に優しいルールにして

 

どちらかが変化したら変化していく

 

 

 

私はいつでも
目の前の人を思いやりたいし
目の前の人に思いやられたいと思うな。

 

 

 

 

 

関連記事

 

 

www.lilcafe-colony.com

 

 

www.lilcafe-colony.com