逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

愛着障害の人は自分や人を責め続けてしまう

愛着障害の人は
情緒不安定で怒りっぽいことに悩んでいませんか。

 


不安が高く
気分の上がり下がりが大きく

 

心の中で自分を責めたり、人を責めたりしながら
いつも怒りを抱えていませんか。

 

 

 

「自分はいつもイライラしていて人のことを悪く思っている」と

 

自分は性格が悪いなんて思っているんじゃないでしょうか。

 

 

 

そうなんですよね。

 

情緒不安定で怒りっぽい状態は

人からも性格が悪いと思われ、自分でもそう思ってしまいますね。

 

 


でもこれには理由があるんです。

 

 

自分を責めると

誰でも情緒不安定で怒りっぽくなってしまってるんです。

 

 

自分を責めてしまうのにも理由があって

愛着障害になってしまうと誰でも自分を責めてしまうものなんです。

 

 

 


愛着障害の人には、根底にとてつもない自責の念があります。

 

 

自分のどこがどう悪いのか、ハッキリとは分かってるわけではないのに

自分を責めてしまいます。

 

 

 

愛着障害の人は
こんなふう自分を責めるのではないでしょうか。

 


正しくないから
普通ではないから
人に指摘されたから…

 

 
事情もそこまでの経緯も無視して

外から見て判断して、行動の一部だけ見て…

 


自分が正しいと思うことや
実際に何が起きたのかも考えず
その場の状況や自分の特性なども思慮せずに

 

ただ全て自分が悪いと責めていますよね。

 

 

 

例えば

 
さぼってしまった、怠けてしまった
みんなと同じ事が出来なかった・・・

 

偉い人がこうした方が良いと言っていたことが出来ない
自分が好意を持っている人にダメ出しをされた・・・

 

 

 

こんなことは誰にでもよくあることですよね。

 

 

さぼるのも怠けるのも、人と違うことをやるのも
その人の選択で、その人のペースでやればいい自由なことですよね。

 

 

人によって能力差や個性があるので
偉い人や好意を持っている人の言っていることが正しいとは限りませんよね。

 

 

 

それなのに

本当は自分の自由なことで、自分が悪くないことでも


「自分は正しくない」
「自分は十分じゃない」
「自分は普通のことができない」

 


こうやって自分を責めてしまうんですよね。

 

 



一つの行動だけでは判断ができないことは沢山あります。

 

 


ちょっと想像してみてください。

 

 

Aさんは

なかなか仕事を覚えず、周囲に迷惑をかけてしまう人と関わっています。


みんなは嫌な顔をしたり無視をしたりするだけで

その人を放置しています。

 

Aさんは上司でも教育係でもないけれど

みんなが放置しているから放っておけなくて

きっと変わるだろうと信じて何度も我慢して許してきて、叱らず丁寧に教えてきました。

 

それでも同じことを繰り返されて、さらに反抗的で攻撃的な態度をとられた。


Aさんはとうとう感情的に怒ってしまいました。

 

 


どう思いますか。

 

感情的になることは正しくないのかもしれません。

 

でも私は、よくAさんはよく我慢してやってきたなと尊敬します。

誰だって怒りたくもなる状況だと思います。

 

 

 

愛着障害の人はこんな場面でも


「感情的になるなんて絶対にいけない」と

 

行動の一部だけを見て、自分を責めるんです。

 

 

 


他にもあります。

 

相手の言い間違いや言い忘れ、相手の説明不足が理由で
自分がミスをしてしまったとします。

 


あなたならどう思いますか。

 


私だったら最初は


「言った通りにやったから悪くない」
「ちゃんと説明してよ」

 

なんて気持ちがわき上がります。

 


その後落ち着いてから


「でも自分も確認できたかもしれない」など自分の反省点も見つけます。

 

 

 


愛着障害の人は
こんな場面でも自分だけを責めます。

 


「自分がおかしいと気づかなかったから」
「自分が質問をしなかったから悪い」

 


相手の方が悪い、あるいは両方が悪いときでも
自分だけが悪い部分を探し、責めてしまいます。

 

 

 

こうやって自分を責め続けていたら

自信なんてつくわけがありませんよね。

 

いつも気分が悪いのは当然ですよね。

 

 

後になって「自分は悪くない」という気持ちが出てきて
後から人への怒りが湧いてきてしまいますよね。

 

 


理不尽に自分を責め続けるから

 

いつも気分が悪くイライラしていて
人のことを悪く思うようになってしまうんですね。

 

 

 

自分を責め続けることで起きる問題は、これだけではありません。

 


愛着障害の人が
理由無く自分を責め続けるのは

 

自分の立場が弱いと無意識に感じる場面です。

 


悲しいことに

自分の立場が強い場面では
同じような形で人を責め続けてしまうんです。

 

 

これまで自分を責めてきたのと同じように

ただその人が悪いと責めてしまいます。

 

 

 

自分を責め続ける人が
強い立場になると人を責め続ける人に変わってしまう。

 

これもまた、つらいですね。

 

 

 

この理由無く自分や人を責め続ける癖も
自分のせいでこうなったのではありません。

 

 

 

小さい頃から自分が悪くない時にも

 

「お前が悪い」

 


きちんとした理由があって

止むを得なかった時にも全く聞いてもらえず

 

「言い訳するな」

 


心の中では色々なことを思い悩んで決断したのに
行動だけ見て決めつけられ

 

「その行動をしたということはそんな人間だ」

 


それまでに色々なトラブルがあって試行錯誤して
最終的にその行動に辿り着いてやむを得ない行動だったのに

 

「その行動は悪い行動だ」

 

 

 

こんなふうにずっと
理不尽に責められ続けてきたからなんです。

 


そうされているうちに
自分でも自分のことを同じ形で責めるようになってしまったんですね。

 


悲しいですね。悔しいですね。

 

 


ですが
これからでいいんです。ちゃんと自分を見ていきませんか。

 


自分が悪くないところ
自分が出来てるところ
自分が頑張っているところ
自分が考えていること

 

自分も悪かったところ
自分も改善できるところ
自分もまだまだなところ・・・

 


全部全部しっかりと見ていきましょう。

 

 

 

自分の選択で自分のペースでやっていることを

怠けとか努力不足とか言う人は放っておきましょう。

 

偉い人や好意を持っている人に従いたくなっても

ちゃんと見てくれていない人に自分の人生を任せてはダメです。

 

パッと見、間違ったことや良くないこと、一般常識から外れた行動も

その背景にある事情やそこに至るまでの経緯をちゃんと見て

はなから否定しないでください。

 

 

 

もう理不尽に自分を責め続けることはやめたいですね。

 

自分なりの理由を持って

 

自分を褒めて叱って認めてあげたいですね。

 

 

 

 

 

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