逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

愛着障害の人は和を保とうと頑張りすぎてしまう

愛着障害の人は
いつも自分さえ我慢すれば良いと思っていませんか。

 


いつも
その場の空気を平穏に保とうとして
そのために自分を犠牲にしてしまうんですよね。

 

 

 

こんな人は損な役回りばかりです。

 


他の人は頼まれないことを頼まれたり

 

誰かが責任逃れをした責任を負ったり

 

みんなの問題なのに自分ばかりが心労を抱えたり

 

人の仲裁のために板挟みになったり・・・

 


もうヘトヘトですよね。

 

 

 

それなのに

 

「自分さえ我慢すればいい」と思っているので

 これほどの苦労が全く表に出ません。

 


誰にも気づかれず
誰にも感謝されず

 

ただ自分1人で重たいものを背負ってヘトヘトになって
その場の空気をあたため続けるだけです。

 

 

 


私もそうでした。

 

 

何故か

その場の空気を平穏に保つのは
自分の仕事だと思ってしまっていました。

 

 


不機嫌な人がいれば機嫌をとり


気まずい空気になれば面白い話をしてゆるめて


ちょっと空気が凍れば、話題を変えたり仲裁したりして空気をあっためる

 

 

自分がどんなにつらくても
嫌な気持ちになっても

 

その場の空気を考えて
自分を押し殺して笑っていました。

 

 

 

 

これも養育過程で身につけてしまった癖なんです。

 

 

 

機能不全の家庭は
家庭内に安全な空間はありません。

 


いつも誰かが不機嫌です。

 

いつも誰かが怒りの感情をまき散らしています。

 

いつもどこかの関係で不和が起きています。

 


そこで育つ子どもは
子どもながらに自分がどうしたらいいか

 

この不穏な空気を和らげるためにはどうしたらいいかを必死に考えます。

 

 

 

自分が話を聞いて楽にしてあげなければ

 

自分がピエロになって空気を明るくしなければ

 

自分がそれぞれの気持ちに寄り添って味方になってあげなければ

 

家族それぞれの立場になって考えて仲裁してあげなければ

 

 

こう考えて必死にやるんですね。

 


本来なら子どもらしく


自分のことだけを考えてワガママにしている
楽しいことだけ考えて遊んでいる
何もせずとも愛されていていい

 

そんな年齢です。

 

 


それなのに機能不全の家庭で育った子どもは

 

自分1人で何とかしようと考え奔走し
本当に空気を和らげるという大役を果たしてしまいます。

 


一度上手くやってしまうと

次からもそうしなければいけないようになります。

 

 

自分がやらなければ崩れてしまうと分かっているから


どんなにつらくても
誰も気づいてくれなくても感謝してくれなくても

 

必死に空気を和らげようと無理をやめられません。

 

 

 

 

なんて酷い話でしょうね。

 

なんて強く賢い子どもでしょうか。

 

 

 

子どもがこんなことをずっと続けながら育ったら
いったいどうなるでしょうか。

 

 

 

どこの場所に居ても
自分が我慢してその場を丸く収めよう、空気を良くしようとします。

 


どこの場所に居ても
そこにいる人みんなの事情を考えて頭を悩ませるようになります。

 


どこの場所に居ても
自分がピエロになって盛り上げようとしてしまうようになります。

 

 

 

 

学校、部活、サークル、会社、友人関係、恋人関係・・・
全ての人間関係で

 


人間関係での問題はすべて自分の責任だと思いながら
必死に1人で何とかしようとするようになります。

 

 


多くの人がリラックスしている場で


1人で必死に頭を悩ませています。
ただそこにボーッとしていることができません。
楽しむこともできません。

 

緊張し楽しむことが出来ない姿を見て
つまらない人間だと思われてしまいます。

 

 

 

そして
これだけ頑張っても誰にも分かってもらえないという気持ちは
年々大きくなっていきます。

 

それでも頑張ることをやめられずに疲れ切り
いつも人への怒りを抱え人間不信になってしまいます。

 

 

 

家庭でやらされてきたせいで

外でもその役割をやってしまう。

 


ただ「自分さえ我慢すれば」という思いで

 

その場の空気のために
自分の気持ち、自分の楽しさ、自分のリラックス感・・・

 

色々なものを犠牲にして頑張っているだけなのに

 

人間関係が上手くいかない。

 


あんまりだと思いませんか。

 

 

もうやめたいと思いませんか。

 

 

 

その場の空気を和らげるのは私たちだけの仕事ではないんです。


その場に居る人全員の仕事なんですよね。

 


何か問題が起きたら、それは私たちだけの責任じゃないんですよね。
そこに関係している人全員の責任なんですよね。

 

 


ずっと
人知れず我慢をしてきてしまいました。

 

そろそろそんな自分を休ませて労ってあげたいですね。

 

 

 


人のために頑張らなくてもいい
人のために役立たなくてもいい

 

あなたは
自分を優先にして
自分の感情を大事にして
自分の人生の時間を自分のために使っていい

 

 

今まで十分やってきた、もういいんだと伝えてあげたいですね。

 

 

 

 

 

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