逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

見えない苦労を1人で抱える苦しさ

愛着障害の問題は
誰にも苦悩を理解されないことにあると思っています。

 


ひどく貧しい経験を持つ人は
「大変だったね」「よくそんなに明るく育ったね」
などと人に言ってもらえるでしょう。

 

親が離婚した経験を持つ人も
「苦労があったでしょう」「寂しかったでしょう」
などと人に言ってもらえるでしょう。

 


でも愛着障害の問題を持つ人は
そんなふうに誰かに苦労をねぎらわれることはありません。

 


もちろん
貧しいことも、両親が揃っていないことも
大変な苦労です。

 

でも
見える苦労、見えない苦労を
両方経験してきた私が分かるのは

 

見えない苦労の苦しさは
見える苦労とは違う大変な苦しさがあるということです。

 


なぜ愛着障害の苦労は見えないのでしょうか。

 


愛着障害の苦労が見えない例をいくつか挙げてみます。

 


それほど貧しい家庭ではなく
両親が、ギャンブル依存やアルコール依存などの依存症があったり
鬱や統合失調症人格障害など精神的な病気があった場合
それを外に言うことはほとんどできません。

 


家族の恥は自分の恥のように感じます。
だから恥ずかしいと思って隠してしまいます。

 

理解が難しい、聞いた人が驚くような家庭内で起こった話は
上手く話すことが難しいです。笑い話にして話すことも出来ません。

 

あまりに重たい話は誰も聞きたがりません。
話すこと自体が空気を読まない行為とされてしまいます。
だから話せるわけがありません。

 


誰にも何も話せず
これだけの大変なことを1人で抱えて
何にもない人のフリをしなければいけません。

 

 

 

社会的に尊敬されるような両親が揃っていて豊かな家庭。
でも両親が発達障害愛着障害
温かい養育を受けられず、子どもとして全く安心して過ごせなかった場合
それを外に言うことはできません。

 


「良いご両親ね」「ご両親に感謝しなさい」「あなたは恵まれている」
と人から言われ続けていれば
どんなにつらいことがあっても少しも不満を口にすることができません。

 

外面が良い両親の味方ばかりで
どんなに自分が訴えても誰にも聞いてもらえるはずがありません。

 

分かりやすい虐待を受けているわけではないため
毎日が冷たい空気、不穏な空気の家庭で育つことの苦しさは
誰にも理解されず、誰にも苦しみを聞いてもらえません。

 


両親の外面が良いせいで、金銭的には恵まれているせいで
誰にもほんの少しも不満を言えません。

 

本当は安心を全く与えられない環境で、ずっと緊張を強いられてきていて
毎日苦しみながら過ごしてきていても
恵まれて育った役割を全うしなければいけません。

 

 

 

こうやって
このような問題は
外から見えない、見せないことがほとんどです。

 


見えない苦労は誰にも理解されません。

 

理解されないだけでなく
誰にも苦労を話せずに1人で頑張って抱えてきたのに
苦労をせず育ってきた扱いをされてしまいます。

 


家庭の問題に翻弄されてきたせいで

 

自分のことがままならず、能力を身につけることが難しかった。
人間関係に苦労したり、精神的な問題が起こった。

 

それが全て本人のせいにされてしまうんです。

 

 

 

こんな苦労をしたら、どうなるでしょうか。

 


誰にも心を開けなくなると思いませんか。
1人で何でも抱えて人と温かい交流なんて出来なくなると思いませんか。
世の中を恨みたくなると思いませんか。

 


子ども時代には家庭の問題に対処しながら
ずっと1人で抱えてきて

 

大人になってもそのしわ寄せで
能力が生かせず、人と上手くやることが難しくなる。

 

 

 

見えない苦労の大変さが分かってもらえたでしょうか。

 


貧しくても、両親が揃っていなくても
愛情がちゃんと与えられていれば
大変な苦労はあると思いますが、その先の人生は大丈夫だと思うんです。

 


愛着障害の見えない苦労は

 

子ども時代に1人で抱えてきたせいで自分の人生を生きられなかった。
誰にも心を開くことができなかった。
大人になっても誰にもしてきた苦労を理解されない。
苦労のせいで起きた問題は全て本人のせいにされる。

 

こんな大変なことがあるんです。

 

 

 

 

 

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