逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

境界性人格障害④-抑えられない衝動性-

悪化をしてくると

 

明らかに普通ではない行動をとるようになっていきました。

 

 

ある日の彼とのデート。
その当時の私たちからするとかなり奮発して

個室の居酒屋で過ごしていました。


すると隣で

団体のお客さんが大騒ぎしていました。

 

 

こんなことは
よくあることですよね。

 

ただ店員さんに注意をしてもらえばいいだけです。

 

頭に血が上りそれすら頭に浮かびません。

 

 

ボーダーの症状がひどかった時の私は

自分が正義で

それに反するものは悪であり絶対に許してはならない

 

こんな信念を持っていたと思います。

 

 

値段が高めの個室の居酒屋だったらゆっくりできると思ったのに。


せっかくの彼との貴重な時間を台無しにされた。


私の幸せを壊された。


幸せを壊した人間は絶対に許さない。

 

 

この時も

こんなふうな思いが頭を占めます。

 

 

誰かに何かを邪魔される度

私のボーダーの異常行動が始まりました。

 

 

 

最初はイライラし始めるだけ。

 

今だけで静かになるかもしれないと耐えます。

 

何とか彼との話に集中しようとする。

 

その瞬間

また隣の部屋でワッと盛り上がる。

 

怒りで頭の中が真っ白になる感覚がする。

 

 

こうなると

きっと酷い表情を浮かべていたんだと思います。

 

彼が怯えるように私に気を遣いはじめます。

「ひどいね、あいつら」

「怒らないでよ〜 無視しよう、ほら」

 

 

彼がこの状況を何とかしようとしないこと。

私の怒りが正当ではないと扱われたこと。

いつも可愛い可愛いと言ってくれる彼に怯えられてること。

 

それに、またとてつもない絶望感や怒りがやってくる。

 

この頃は言葉になっていなかった、こんな気持ちがぐるぐると渦巻き出すと

もう止められません。

 

 

段々と

鼓動が激しくなってきて震えがやってくる。

表情が思うように動かなくなる感覚がしてきて

言葉を出そうとしても一言も出なくなって押し黙るようになって

目の前の人に反応すら出来なくなる。

 

 

その瞬間

また隣の部屋でワッと盛り上がる。

 

頭の中で何かが弾けます。

 

 

怒りが最高潮に達した私は

 

ゆっくりと立ち上がり、制止する彼を振り払い

隣の部屋をガラッと開け

 

「うるさい!!!いいかげんにしろ!!!」
と半狂乱で叫びました。

 

 

 

すぐに静かになり、早々に帰っていきました。

 

若く幼い女性が

男言葉ですごい形相で取り乱している。

やばい奴だ、関わらないでおこうとなりますよね。

 

一緒にいた彼は
どれだけいたたまれない気持ちだったでしょうか。


男として面目は立たないし
人目があって彼氏として恥ずかしい。
自分の好きな人の異常な行動に恐怖もあったでしょう。

 

 

 

それでも
彼が私から離れなかったのは

愛情からではなかったと思います。
彼が私がおかしいということを認めたくないだけだったんだと思います。

 


まだまだ
そんな普通ではないエピソードは沢山あります。

 

 

電車の切符を買うために並んでいた時、男の人が割り込んできました。
反社会勢力のいかにも悪そうな人です。

 

まともな思考が出来れば

腹は立つけど、関わっては危ないと思いますよね。

 

でもボーダーの症状が一番酷かった時の私は


「おい!おっさん!割り込むんじゃねーよ!!」
と叫んだんです。


もちろん男の人は私に詰め寄ってきます。

 

周囲が止めに入り、事なきを得ました。
私が若い女性でなければ酷い目に遭っていたでしょう。

 

 


歩いていて
強くぶつかってきてツンとして去っていく人

 

ボーダーの症状が一番酷かった時の私は
相手の胸ぐらをつかみました。


信じられない行動です。


「頭おかしいんじゃねーの」

と言われて立ち去られるだけで済みました。

 

 

 

驚くのは


これだけのことをしても
ボーダー特有の
感情を発散するとスッキリして元にもどる術により
すっかり機嫌良く普通の女の子に戻るんです。

 

私の場合、どんなにボーダーが悪化しても

異常行動は

彼の前だけ、あるいは二度と会わない見知らぬ誰かに限定されていました。

 

その他の知り合いの前では

相変わらず完璧に出来た人間でいました。

これが自分でも自分を恐怖する理由でした。

 


このような普通ではない行動を

私がしていたと人に話しても
今は正反対の印象である現在の姿に
絶対にあり得ないと信じてもらえません。

 


今、我慢や無理をしているとか

演技をしているかというと

そうではありません。

 

だからこそ
ボーダーは病気であり、治るものだと
私ははっきりと言えるんです。

 

 

 

 

 

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