逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

境界性人格障害⑥-ボーダーは子ども-

ボーダーが一番ひどい時は

私は自分の妄想の世界だけで生きていたのに

自分が見ている世界を人も見ていると思っていました。

 

自分が人からどう見えているか、全く分かっていなかったんです。

 

思い出すともう本当に恥ずかしくてたまりません。

 

 

 

ボーダーは
バカ正直でもあり、大嘘つきでもありますよね。

  

 

バカ正直なのは

 

自分の奥底の本当の気持ちや

自分の嘘やごまかしを何とかして隠したい

 

だから

何でもかんでもあけすけに話して

決して開かない心を開いているフリをして距離を近づける

嘘やごまかしから目をそらさせて裏表のない人間に見せようとするため。

 

 

本人は完璧だと思ってやっているのに

 

本当は

あけすけに話しても

「距離感 がおかしい人」と思われてしまうだけなんですよね。

 

 

 

大嘘つきなのは
 

自分が嫌われないため、好かれるためなら

どんなことでもするからです。

 

ボーダーは嘘をそのために一番多用するんです。

 

 

私も嘘を沢山ついていました。

虚言癖といわれるレベルだったと思います。

 

大きな嘘を何度も何度もつきました。

 


ただでさえボーダーは
自己の同一性が全くなく自分が分からないのに

 

嘘を沢山つき続けることで

さらに本当の自分が分からなくなっていきました。

 

 

毎日の会話は

ほとんど嘘を一貫させるためだけに嘘を重ねるだけで
本当のことがどんどん無くなっていきました。

 

 


どうしても気分が乗らなくてドタキャンしたいときに

大病のフリをしたり、事件を起こしたり

 

話を聞いて欲しい時、優越感を持ちたい時に
話を大きく盛ったりして

 

本当のことがどんどん無くなっていきました。

 

 

この時は

嫌われないため、好かれるために嘘をつくことに必死でした。

 

嘘をついて騙されてくれる人は、私を見ていない

嘘をついてその場を切り抜けても、後からまとめてピンチがやってくるだけ

嘘をついて人から好かれても、虚しさが増すだけ

 

こういうことが全然わからなかったんですね。

本当に未熟な状態でした。

 

 

 

 

また


友人や恋人を自分の所有物だと思っていて
思い通りにしようとしていました。

 

友人や恋人の全てを知りたくて
全てを聞いて把握しようとし


恋人に至っては
部屋中の個人情報を見て携帯を見ました。

 

怖いですね。

 

今の私は

携帯を見せてくれると言われても興味がありません。
人の全てを知ろうなんて思わないんです。


話したいと思って話してくれること以外は

知るのが面倒だと思うくらいです。

 

 

 

こうやって自分がしたことを思い出すたび

恥ずかしくてたまりません。

 

自分がやったことは消えないと思いながら

恥を抱えて生きています。

 

 

 

ただ
このような行動には原因があるんです。

 

 

ボーダーは幼稚なんです。まだ子どもなんです。

 

ボーダーは

弁が立ち振る舞いも大人然としている。

普通よりもエネルギッシュな様子に
とても子どもだなんて信じられないと思います。

 

 

大人として成熟するためには

 

親など特定の大人との間に愛着関係を形成し


安心感の中で
生活リズムを学び
人との関わりを深め
興味関心の対象を広げ
認知や情緒を発達させる。

 

こんなことが必要です。

 

 

それなのにボーダーは

 

機能不全の家庭の中で安心感が全く得られず
子どもとして子どもらしく過ごせることがなかった。

 

そのため
生活能力が低く
社会性が低く
対人関係能力が低く
自己のコントロールも難しい。

 

 

子どものまま
社会に放り出されている状態なんです。

 

子どもに大人の容姿と知恵を与えたら
きっと全員がボーダーになるのではないでしょうか。

 

 

 

さっきの行動も子どもと同じです。

 

 

子どもは

その場を逃れるためだけに

見えすいた嘘をつき続けますよね。

 

それを大人のボーダーがやると

かなり上手く嘘をつき続け

人を巻き込む大きな嘘になってしまいます。

 

 

 

子どもは

自分と親との境界線が無い時期があります。

 

親のものは自分のものだし

親は自分の思い通りになって当たり前だと思います。

 

それが大人のボーダーが人との境界線が無ければ

人は自分のもので、人は自分の思い通りになって当たり前…という

恐ろしい思考をもったまま対人関係を作ろうとしてしまいます。

 

 

 
ボーダーは

頭がおかしい、異常者…

そんな風に言われる行動を本人は無意識ににとってしまいますね。

 

 

 

子どもの行為が許されるのは

 

幼稚だと認識されているからであり
無知で無力であるからです。

 


ボーダーは幼稚な子どもと同じなのに

普通の大人、それよりも良くできた大人に見えるので

悲しいですが許される行為じゃないんです。

 

ボーダーの人自身が
これをしっかり認識しなきゃいけない。

 

 


自分が子どもだなんて
プライドが許さないかもしれません。

 

でも
絶対にあなたのせいではないけれど

 

大人になるための過程を経ることが叶わなかった。
だから大人になりきれなかった。
それだけです。

 

今からでも遅くないです。

ゆっくりと大人になっていきましょう。

 

だから
みんなは10数年かけて大人になったけど

 

それよりほんの少しだけスピードをあげて
数年かけてゆっくりと

 

生活能力や
社会性や
対人関係能力や
自己のコントロールを学んでいきましょう。

 

 

 

 

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