逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

愛着障害の人が罪悪感や羞恥心が強い理由

今まで
仕事でもプライベートでも愛着障害の人の苦しみを沢山聴いてきました。

 


1人1人全く違う経験をしているのに
何故か悩みの根本は同じであることがとても多いんです。

 

 

その中でも特に
愛着障害の人、全員が悩んでいると言っても過言ではないのが

 

罪悪感や羞恥心の大きさです。

 

 

 


罪悪感や羞恥心は
人の心にとても大きな悪影響を及ぼします。

 

 


どうでしょうか。

 

日々悩まされている問題の根底には
罪悪感や羞恥心がありませんか。

 

 

いつも
罪悪感や羞恥心にとらわれて
安心することができないのではないでしょうか。

 

 


例えば

 

人とただ接しているだけで
何か罪を隠しているような後ろめたさを感じたり

 


人がネガティブな状態の時に
自分はポジティブな感情を持つのはいけないと思ったり

そんなときに何も出来ない、しない自分は最低な気がしたり
人のネガティブな状態が自分に責任があるような気がしたり

 


自分はズルをして色んなものを得ているような
何を得ても自分の力ではないような気がしたり

 


ちょっとでも人と違う行動をとっただけで
とてつもなく恥ずかしいことをしたと思ったり

 


ちょっとの失敗も無能な自分を晒してしまったと
とてつもなく恥ずかしくなったり

 


自分の心の中は全て恥ずかしくみっともないと
自己嫌悪してしまったり・・・

 

 


愛着障害の人は心当たりがあるんじゃないでしょうか。

 

 

 

どうして愛着障害の人はこれほどまでに
罪悪感や羞恥心にとらわれているんでしょうか。

 

 


愛着障害の人は

 

普通の人より罪をおかしている?

普通の人より恥を知らない行動をとっている?

 

 

 

もちろん
そんなことはないですよね。

 

 

罪悪感や羞恥心もまた
親によって植え付けられたものなんです。

 

 

 

 

罪や恥に絶対的な大きさはありません。

 

法律で決められた罪
時代や場所で多くの人が慣習で決めた恥など

流動的なものですよね。

 

 


愛着障害の人が語る自分の罪や恥は

 

ほとんどが
小さい頃に親に感じさせられたものです。


あるいは
その後に社会に出てから
親に似た人間から感じさせられたものか。

 

 

 

愛着障害の人が育つ環境で決められた罪や恥
愛着障害の人が居た場所で決められた罪や恥


それに従って
自分という人間を罪深い、恥ずべき人間だと思わされてきたんですね。

 

 

愛着障害の人が育ち過ごしてきた場所以外では
決して罪ではないこと、恥ではないことが沢山あるんです。

 

 

 

親はこんなふうにして罪や恥を感じさせてきたはずです。

 

 

 


「お前のせいでこんなことになった」

 


機能不全の親は自分の行動に責任を持てないので
子どものせいで自分はそうせざるを得なかったと主張します。

 

自分のせいで起きた出来事の重さに耐えられないので
何もわからないであろう子どものせいにします。

 

 

 


「私はこんなにつらいのに悲しいのに気にも留めない薄情者」

 


機能不全の親は自分の機嫌や感情をコントロール出来ないので
罪悪感を煽り、子どもを自分に寄り添わせセラピスト代わりにします。

 

 

 


「私は苦労した。お前は恵まれていて運が良い」
「私のおかげでこれだけ結果が出たんだ」

 


子どもが上手くいっても心から喜ぶことはなく子どもと張り合い
自分は不運によって今の状態にいるだけで
本当の自分は子どもよりもすごいんだとアピールします。

 

自分の力によって良い結果が出たんだと
子どもの手柄を横取りし感謝を強要します。

 

 

 

 

「そんなことも出来ないなんて恥ずかしいよ」

 


親は自分の見栄のために子どもが出来ないと恥ずかしいだけです。
自分がそれを恥だと思い込んでいるだけで

 

それが出来ない人は沢山いたり
それが出来なくても他のことが出来ればよかったりするものです。

 

 

 


「それは変なことだ。やめなさい」

 


親が自分の子どもを理解できない、受容できないだけ
それを恥で消さないといけないと思い込んでいるだけで

 

それをやっている人だって少数ながらいたり
それを個性だと生かしている人は沢山いたりするものです。

 


まだまだ沢山ありますが
こんなふうにして


本当は感じなくていい罪や恥を感じさせられ続けてきたんです。

愛着障害の人が罪悪感や羞恥心が強くなるのも当然です。

 

 

 


どうでしょうか。


はっきりと
今感じている罪悪感や羞恥心は実態のないもので
自分が罪深いわけでも恥ずかしい人間なわけでもないことが

分かってもらえたでしょうか。

 

 

 

罪悪感や羞恥心によって苦しんできて
人生を狂わされてきた愛着障害の人は本当に悔しいと思います。

 

恨みをぶつけて謝罪を要求したい・・・
そんな気持ちにもなるかもしれません。

 


ですが
ここまで酷い親です。


話してわかるわけがないんです。
認めて謝罪できるわけがないんです。


ここまで人生を台無しにされた上に
さらに親と向き合って人生の残りの時間を無駄にしないでほしいんです。

 

 


悔しい気持ちも謝罪させたい気持ちも
復讐したい気持ちも抱えたままで

 

今日から自分の力で罪悪感や羞恥心を払いのけて
自分の人生を作り上げていきましょう。

 

 


偽の罪や恥を感じさせられないようにするためには


小さな文化だけに影響をうけないこと
色んな文化に触れることで

他の文化では同じ事が罪や恥では無いんだと知っておく必要があるんです。

 

 

つまり

罪悪感をあおり、恥を感じさせてくる親や近い存在の人から距離を置き

親と全く似ていない人たちと沢山交流して価値観に耳を傾けることです。

 

 


愛着障害の人は

自分を苦しめる親や共依存の対象から離れられず
それ以外の人間を怖く思ってしまう状態にあると思います。

 


ですが
本当に一番怖いのは、一番自分を苦しめているのは
一番自分の良さを奪っているのは誰なのか・・・

 

じっくりと考えてみてください。

 

 

慣れた存在で安心できると思い込んでいる人より
不慣れで怖いと思っている人の方が

よっぽど優しくて良い人だった

 


愛着障害から回復する過程で
外の人たちと心を開いて関わっていくと
皆さんこう言うようになるんです。

 

 

今感じている罪や恥はもう感じなくていいんです。

 

私は早くその苦しみから脱して欲しいと願っています。

 

 

 

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