私は小さい頃からずっと無駄が嫌いだった。
あぁ無駄だ
そう感じた瞬間に
何とも言えない強い感情が湧き起こってくる。
「これまでかけてきた時間はなんだったのか」
「これまで注いできた情熱はなんだったのか」
「これまであれもこれも、この為に捨ててきたのに」
「刻々と死に近づいていて
時間を無駄にしたくないのに
なぜこんな無駄なことをやらなければならないのか」
この強い感情は
心の病が治っても
年齢を重ねても全く変わらない。
無駄が嫌いな人の多くは合理主義で
目に見える結果を出すために最短距離で突き進む
回り道は無駄だと考え、自分の道しか見ていない
こんな感じに見える。
私はいうとそれとも違っている。
自分は何主義っていうんだろう。
無駄が嫌いなのは同じでも
無駄の捉え方が全く違う。
目に見えづらい自分の満足感とか
自分の経験が豊かになった感覚とか
今だけじゃなくて先に活かせるかどうかとか
自分だけではなく他の人や全体も見て
そのどこかでもプラスになっているかどうかとか
もっと多くの指針でもって
私は無駄かどうかを感じてるみたい。
合理主義だけで生きると
心に問題が起きやすいんじゃないかな。
最短距離しか考えてないから
自分の満足感も人の満足感も無視しやすくなる
感情は邪魔になる
楽しむとか味わうとか笑うとか
人間の感覚を使わなくなる
最短距離ばかり見ているから
他の道や他の行き方
引いて俯瞰するような見方ができなくなって
その道が閉ざされたら絶望しやすくなる
今はこんなふうな合理主義の人が増えているみたい。
無駄が嫌いなのも、焦るのも、気持ちはわかるけど
もし幸せになりたいと思っていて
そのために早く成功したいと思って合理主義でいるなら
実は
心の健康なしには無理なのになぁと思うんだよね。
その一方で
全く合理的に考えずに生きる人も
心に問題が起きやすい。
本当に全く何も考えないなら、それは大賛成。
どんな結果なってもいいか
なるようになるさ
好きに生きる・・・
これなら心に良さそう。
全く合理的に考えずに、心に問題が起きやすい人は
良い結果だけを期待してたりするんだよね。
それなのに
自分の行動がどんな影響があって
どんな結果を及ぼすかを考えないで
ただ努力をすれば
良い結果をもたらすと盲信している。
こんな考え方をしちゃっていると大変。
努力を信じて全力を注いでやり続けても
やり方を間違えていたら結果は出ないんだから。
だから
頑張ってるのに報われないから燃え尽きる。
頑張ってるのに報われないから
もっと努力を自分に課す。
頑張ってるのに報われないから
自分の努力不足とか能力不足とか
間違った理由を探し出して自分をおとすようになる。
あまり考えたくないなら、どうなっても結果を受け入れる。
自分が期待した結果にたどり着きたいなら
それに合った方法を探す。
これしかないと私は思うんだけど
なぜか
「努力は報われる」という考えが根強いのが苦しい。
人生は
最短距離で最高の結果を出してクリアすることが目的…
そんな人は合理主義でいいと思うんだけど
どこかに
「人間らしくありたい」という気持ちがある人なら
その人にとっての利益って
お金や名誉みたいな直接的なものばかりじゃなく
自分や他人の満足感
嬉しい楽しい面白いといったポジティブな気持ち
自分を好きになること
自分を信頼できること
人に貢献できたという気持ち・・・
こういう所にもあるんじゃないかな。
お金さえあれば
成功さえすれば
人から認められれば幸せになれる・・・
これもまた盲信してるだけで
本当はそれだけで幸せになれるかは
分からないよね。
だからね
私はカウンセリングで
その人の合理主義を壊すの。
カウンセリングを始めた時点で
目的は心の健康だからね。
寄り道によって
体力がついた自分
知恵がついた自分
最短距離では味わえない感動を味わえた自分
最短距離では味わえない人間らしい感情を沢山感じた自分
寄り道による利益を沢山感じてもらう。
合理主義を壊すんだけど
寄り道もするんだけど
とことん無駄な努力を無くして
その人が期待しているゴールまで
少ない努力で報われるようにもしていくの。
合理主義の全ての人に心に問題が起きるとは思わないけど
心のどこかで
「人間らしくありたい」と思っているなら
合理主義とは相性はよくないと思うんだよね。
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