逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

先送り癖と良いお付き合い

さ・き・お・く・り

 


先送り。

 

 

このワードを聞くと「ひぃぃ」と悲鳴をあげて自己嫌悪でうんざりしちゃうADHDのお仲間のみなさまこんにちは。

 


私も先送りばかりの人生でどれだけ時間を浪費してきたでしょうか。

 

 

 

やらなきゃいけないヤツがあらわれた!

 

今度こそ早めにやっつけてやる!とファイティングポーズ。気合いだけは十分

 

気合いだけが空回りして疲れて数時間後には「むり・・・」「気分がのらない」「明日こそ絶対!」と少しだけ先送りしてもう一度気合い入れる。
でもまた少し先送りした自分にモヤモヤ・・・
違うことをしていてもやらなきゃいけない事を考えてしまって頭も心も安まらない。

 

さぁ次の日!
前の日に自己嫌悪になって、やらなきゃいけない事を考え続け、休むことも気分転換も出来ず、前の日より疲労してる。できるわけがない。
「今日は本当に無理なんだ・・・」「仕方がないんだ・・・」「明日こそ絶対!」と激しく気合いを入れる。
またまた先送りした自分に情けなくなり落ち込む。
何をやっていてもやらなきゃいけない事がずっとそこにいる。もう頭も心もヘトヘト・・・

 

この繰り返しで日常生活に支障が出まくり。
落ち込むし機嫌は悪くなるし集中力はなくなるし頭は回らなくなるしで、人間関係もイマイチ、仕事のパフォーマンスも下がり、楽しんだり休んだりすることも出来ない。

 

ボロボロ。ボロッボロになってとうとう期限ギリギリにやらなきゃいけないことを何とかやる

 

 


なにやってんだ。
先送りによって、自分の人生に全く集中できとらん!

 


ご機嫌で楽しい人生を送れるはずが、先送りし続けるせいでいつも自己嫌悪と落ち込みと不安と焦りがあり、頭の中は「どうしよう」で占められて目の前のことを堪能できない。

 

 


こんなことを繰り返してきた私ですが少しずつ変わってきた。


前のめりで片付けていく!

 

 

私の場合

「やれる?」「どうする?」「気分は?」とお伺い立てると必ず「うーんとねっ。今日じゃないかなっ♪」って絶対シレっと答える。

 


ダメよ。言い分聞いて先送りさせたらダメ。
日が経つにつれて色んな事を考え始めて面倒になったり怖さが増したりするというのに。

 

 

だから「面倒だな」と気づく前、「これはどうする」と細々と考え始める前に、すごい速度で片付ける。

 

 


手続きしなきゃいけない書類の記入などは、帰宅して封筒を開いたら、そのまま立ったまま書いてしまう。


大学院の課題などは、2週間後の締め切りでも受け取った当日に完成させてしまったり。


メールの返信はミスが許されない相手でないかぎり、見たらすぐに返信する。ご飯を食べていても外を歩いていても買い物をしていてもその場で。この早さはみんな驚くね。

 


これが一瞬このタイミングを逃しただけで、先送りが何日も始まってしまうのだ。

 

 

 

あとは日常のやらなきゃいけないこと。
これは「未来の自分のため」と思うことで解決!

 


私は自分のためには中々頑張れないのに、「誰かが助かるなら」「誰かが喜んでくれるなら」と思うとフットワーク爆上がりする性質がある。

 

 


茶碗今洗っといたら5時間後の私がめっちゃ喜ぶぞ~


今日掃除機かけたら明日の私が助かったと大喜びするぞ~


今日筋トレしたら明日の私が休めるぞ~

 

 

本気で未来の自分のためと思って動く。

これでかなり動けるようになったね。

 

本当に「昨日の自分ありがとう」と思うことも多くて、それがまた前倒しでやる行動を強化する。

 

 


こうやって前倒しできるようになったから気づいたことがある。

 


先送り全てが悪と思いすぎてるけど、何もかもスピーディに片付けようとしないで「タイミングをはかる」のも大事なことだよね。

 

 


例えばブログ。


疲れたな~書きたいことあるけど、頭が疲れてて気力がわかないな~

でも先送りしちゃいかん!とりあえず書きましょう!と頑張って書くと・・・
内容は浅いし、感情は感じられないし、メッセージもない文章に。


私のブログはかなり気持ちがのってないとダメだから、先送りも時には正しい。

 

 

友人とケンカ。
いつまでもケンカしてるのは嫌だからさっさと仲直りしなきゃと、お互いにアッツアツの状態で話し合う。

すると優しくなれず思いもよらないキツい言葉が飛び出すことも。

 

早く仲直りはしたいけど、お互い冷静になってからの方がいいよねぇ。


冷静になると「なんで怒ってたん?」「なにをそんなに譲れなかったん?」と思ってそもそも話し合う必要なくなったり、しばらく話さないと「さみしい・・・ケンカなんて馬鹿らしい」と簡単にごめんなさい出来たり。

 

 


他にも「先送り」は悪だと思いすぎて罪悪感とか自己嫌悪とか感じてるけど、本当は「今じゃない」ってことも多いよね。 

 

 

タイミングが大事なことって意外と多い。

 

 

過去を振り返ってみると、先送りしてやっと行動したタイミングのおかげで自分の人生を変えてくれた大切な人と出会えたってことも沢山あった。

 

すいすいと行動していたらこの人に会っていなかった!怖っ!って思うことが沢山ある。

 

 

 

クライエントさんの多くは「もっと早くみゆさんと会えていたら」と言ってくれるけど、7年前じゃ私はこの方を治す力は無かったかもしれないと思うこともある。

 

クライエントさんも少し回復した状態で私にカウンセリングを依頼してくれたけど、5年前の状態では私との相性が悪かったかもしれない、私のやり方を素直に受け入れてくれなかったかもしれないと思うことも。

 

 


すぐにやることも大事だけど、「ゆっくり丁寧にやることで質が高いものが出来る」「調子が良いときにやることで能力を発揮できる」「このタイミングだから得られたものもある」ということもある。

 

これも忘れないで、先送りすべてを責めるのも後悔するのもやめてほしいな。

 

 

特に焦りすぎる癖のある人は「すぐやらない自分はダメ」と思いすぎるから特に注意!

 

 

でもまぁ、ただ面倒くさくて先送りしちゃうことを「力を発揮するために調子を見ている」「タイミングを見ている」なんてキリッとしちゃだめだからねー。笑