逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

過去を振り返るのは前向きなこと

「自分を知る」

自己啓発とかで流行りのように聞く言葉。


カウンセリングの主訴でも「自分がわからない」が増えてるから、みなさん自分を知りたいと思ってるんだよね。


さて
みなさんはどうしたら自分を知れると思う?


よくある自己啓発本だと「自分と向き合う」

あるよね~

いったいどういうことよ。
抽象的過ぎてよくわからない。

これでみんな取りあえず部屋に引きこもって自分について悶々と考えて、心の調子崩しちゃうの、あるあるです。

 

 

自分の強みや弱みを言語化する。

そうだね~
エントリーシートとかで自分をアピールするためならいいね。

行動力がある、リーダーシップがある、協調性がある・・・
うっす。うすい。

 

面接とかでは薄めにいかないと2時間ぐらい話を聞いてもらわないといけなくなっちゃうので薄めでOK。

 

でも今ブログを読んでるみなさんは、自分が全く見えてなくて不安になっちゃってる人だと思う。
そういう場合、軽く自分を名付けちゃうと「私はこういう人間!」と思い込んで寄せにいっちゃって、違和感持ちながら無理して自分を作るようになっちゃう。

 

 

 

旅に出る。

うん。ちょっと分かる。
まだ見ぬ自分を知るって私もオススメしてる。

特別なことじゃなくて良いから、今までと違う経験をすると新しい自分の一面に出会える。

 

慣れ親しんだ環境、慣れ親しんだ人とばかりいると同じ自分しか出てこないから、それが自分の全てだと思い込んでしまいがち。
ほんの一面なんだよね。

 

例えば
得意なこと、チヤホヤされる場所にしかいない人は「自分は何でもできるし強い」「人より優れてる」「誰もが自分を求める」などと思ってしまいがち。

そんな人が、苦手なことに挑戦したり、それほどチヤホヤされない場所で過ごしてみると「心細くなると弱い自分」「出来ないことは沢山ある」「好かれることも嫌われることもある」なんてわかる。

 


旅行も日常から離れて解放されて、ストレスがなくて子どもに返った自分、しがらみない一期一会の人間関係ではのびのびと出来る自分なんかを知れる。

 

でもね・・・日常で旅行と同じ時間を多く過ごせる人なんてそんなにいないからね。
留学とかで長く日常から離れられる、お仕事もかなり自由な人でない限りは、旅が自分を知ることにはつながりづらいかなぁと思うんだな。

 

 

私はね、自分を知るって過去を振り返ることに尽きると思ってるんだよね。


過去は振り返っても意味が無い
過去は過ぎ去ったもので必要ない
大事なのは今だけ
今に集中しろ・・・


もーーーどれだけ過去を振り返ることを悪く思ってるの?!

 


たしかにね、過去に縛られちゃって現在が立ちゆかなくなってる人は取りあえず今に集中するしかない。
本当はしっかり過去を振り返って過去の呪いを解かないといけないんだけど、時間も労力も無い場合は仕方ないね。


だけど余裕がある人はしっかり過去を振り返って、自分がやってきたことを見て感嘆したり学んだり傾向を知ったりして、過去に埋まってるお宝を使わないともったいない!

 


私は自他ともに認めるポジティブな人。
くよくよも少しするけど基本的にはすぐに気持ちを切り替えて今できることを考えて行動するタイプ。

 

でも誰よりも過去を大事にしてきた。
前向きであることと、過去を大事にすることは矛盾しない。

 

過去を振り返ってきたおかげで、「自分」がどっしりとしているし、「自分」を尊敬しているし愛してる。

 

今もことあるごとに過去を振り返って「自分ってこうか!」とはっとしてワクワクする。
47にしてまだまだ自分のことは知らないものだなと感じる日々。

 


最近知ったのは

私はどうもいわゆる優等生と相性がいいらしい。
誰とでも仲良くなるし色んなタイプの人に好かれてきたから、相性なんてものは意識してなかった。

 

lilcafe開業7年。
カウンセリングを申し込んでくれるクライエントの方はさまざまだけど、すごく多かったのが学級委員や生徒会長経験者。
他にも親が医師、教師・・・驚くことに半数。

普通の出会いだったらこの確率はあり得ない。
不思議だねぇなんて思ってたんだけど過去に答えがあった。

 


小さい頃から自分から人に近づいていくタイプだったけど、無作為にみんなに話しかけにいっていて自分から選んでいたわけじゃない。

なのに気づいてみると私のことを好意的に思ってくれて親しくしているのは、親が医師や教師の子がとても多かった。 

 

今になるまで全然気づかなかった!

 

皆さんは学生時代親しかった子の親の職業が医師や教師だったことはある?
そんなにいないよね。

私は6人はいる。知り合い程度の友人ではなくて、ある時期毎日話すような仲良しの子。


そしてそれは大人になっても続いてて、37歳で入学した大学院でも唯一仲良くなった子が大学教授の娘、40歳で知りあって意気投合した子も高校教師の娘。
さきほど話したようにカウンセリングを申し込んでくれる方々も・・・


クライエントさんは私のブログを読み込んでくれて申し込んでくれる。
多分私というキャラクターに好感を持ってくれたんじゃないかな。

私はアウトサイダーだけど、優等生なところもある。
きっと似ている部分で安心出来るけど、あけすけで自由人で強い部分は自分には無い部分で好感を持ってくれるのかな。

 

私は私で、すごく怖がりなところがあってビビりなので、安心できる人が好きなのかなぁ。

若い頃は刺激的な人が好きだったけど、今は安心できる安定感のある人が好きなのかも。

 


優等生以外は仲良くしないとかじゃなくてね
とにかく全員と仲良くしたい、嫌われたくないと必死になっていて、ダメになる度に自分の何がいけなかったんだと悩んだりして。

過去を振り返ってみるとどうしようもない相性みたいなものはあるよねって諦めが持てたの。

仲良くは出来るけど親友までにはなれない。
それは努力とかではないんだなぁってこの年で気づいた次第です(笑)

 

 

あとは私は飽きっぽい人間ではなかったと気づいた!

 

しっかりと過去を振り返っていない時は

 

アルバイトは3日や一週間でやめたこと多数
友人も毎日のように遊んでいても数ヶ月で遊ばなくなる
恋人も1ヶ月で別れた人多数
面白そう!と始めてすぐにやめたもの多数

 

もう飽きっぽいと認めざるをえないよね・・・

 

でもね、そうじゃなかった。

それは自分に合うものを妥協せずに探していただけ。
だって合うものを見つけたあとのしつこさは尋常じゃないんだもの。

 


アルバイトは自分に合ったところでは他の人が厳しくて続かないと言われるような場所で週5で2年勤めた。

友人も10年以上親友でいた人が4人

恋人も7年の付き合いの人が2人

歌やファッションやメイクやインテリアや健康やカウンセリングは飽きずに、いつまでも心の底から大好きで楽しんで続けてる。

 

ちゃんと過去を振り返ってみないと、自分を間違えて決めつけてしまうことが沢山ある。

 

こんなふうに、過去に自分の知らなかった、誤解してた自分が隠れてる!

 


本当に自分のことを知りたかったら

思い出したいことだけ、自分に都合のいいことだけ、たまたま思い出したことだけ思い出してたらダメで、しっかり過去をザーッと振り返ることが大事なこと。


過去を振り返りながら自分を決めつけずに理解して、未来にいかしていくのが私のカウンセリングの肝でもあるのです。


みなさんもぜひ、過去を振り返るのは後ろ向きなことだと思い込まず、自分を思い出してみてね!