逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

躁鬱の波は気力体力の前借りによって大きくなる

私は躁鬱の傾向が激しく、人生のほとんどを躁か鬱の状態で過ごしてきたんだなぁと心が回復してから気づきました。

  

双極性障害と診断はされていませんが、多分病院に行っていたら診断されていたレベルだったと思います。

 

双極性障害と診断されたクライエントさんのお話を聴くと、あれ?自分はもっと重たい状態だったのかもしれない…思うことが多いです。

 

 

そんな私の躁鬱のエピソードを聞いてください。

 

 

数ヶ月寝たきりで動けない期間の後、数ヶ月ずっと一日12時間労働で休みをとらないような働き方をする

 

これを何度も繰り返してきました。

 

 

全ての人間関係を断って数ヶ月引きこもるような期間と、スケジュール全て、友人や恋人と予定を入れて遊び回る

 

これを何度も繰り返してきました。

 

 

自信が無く恥ずかしくて誰とも話ができない期間と、自分は完璧で誰もが認める存在だと多くの人を仕切ってリーダーになって動き回る期間

 

これを何度も繰り返してきました。

 


引きこもって静かに1人でゆったりすごしている期間もあれば、ギャンブル依存、買い物依存などの依存症に酷くはまる期間もありました。

 

 

…これはもう完全に双極性障害ですよね。

 

 

以前はこんな私だったんですが、今はもう10年以上は人間関係をゼロにすることも、数ヶ月体が動かなくなるような状態になることも、完全に自信を無くして酷く引っ込み思案になることもありません。

  

まだ小さな波はあります。

 

疲れたと感じて、一日出かけずに誰とも連絡をとらずにゆっくりしたり、運動や家事も出来ず一日ダラダラと過ごしたり、数日自信が無くなって落ち込んで少し消極的になったり・・・ 

これくらいは健康な人でもあることですよね。

 
私は双極性障害が治ったみたいです。

 

そして私が自分を治すためにやってきたやり方を双極性障害と診断されたクライエントさんにもやってもらったら、ほぼ回復といえるくらいの状態になったんです。

 

 

双極性障害は薬なしでも治ると断言はできないですが、これまでの自分の経験とカウンセリングの経験から、愛着障害が元にある方は症状を軽くできる方法があると私は思うんです。

 

愛着障害があって躁鬱の傾向があってお困りの方が少しでも楽になるといいと思うので、その方法を双極性障害のカテゴリーで書いて行きますね。

 

 


躁鬱の傾向がある人は
習慣を変えたくないという気持ちが強くないですか?

 

でも躁鬱の傾向を穏やかにしていくためには、躁鬱の波を大きくしていく習慣を変えないといけません。

 

習慣って変えたくないですよねー

今やっていることをそのままで治したいと思いますよね。


私も本当にそうでした。

でもそれが躁鬱の傾向をひどくしているんですね。

 


躁鬱の傾向がある人は、無意識に気力体力の前借りをしています。


前借りの仕方は様々なんですが、毎日当たり前のように気力体力を前借りしながら生活しています。

 

 

そうやって前借りを続けたらどうなるでしょう…?


お金だとしたら、毎日前借りを続けたらいつか借金で首が回らなくなって破綻しますよね。

気力体力も同じなんです。

気づかずに前借りを続けた結果、破綻する日がきて鬱に入っていくんです。

 

私も様々な方法で無意識に気力体力の前借りをしていていました。
エネルギッシュな状態が自分の普通の状態のような気がして、それを保とうとして気力体力の前借りをしてしまっていたんです。


自分が気力体力の前借りをしている感覚ってなかなかわからないですよね。

  

ちょっと想像してみてください。


何も自分をいじらない状態が気力体力を前借りしない状態です。

 

なんだかやる気がおきないな
疲れて体が重いな


この状態はとても不快で嫌ですよね…


いてもたってもいられない、今すぐ何とかしたい気持ちになりませんか。

 

 

多分みなさん

「だめだ、ちゃんとしろ!」
「やれる!がんばれ!」

なんて叱咤激励して頑張りますよね。

 

 

これなんです。

当たり前のように頑張って奮い立たせることが気力体力の前借りになるんです。

  

ここぞという時に奮い立たせなければいけない時もありますよね。

無理をしてでも何とかしなきゃいけない時もあります。

 
だけど日常的に奮い立たせていませんか。

  

奮い立たせることが人として一生懸命ですばらしい、頑張り屋・・・

そんなイメージがありますよね。

 
確かにそういう部分もありますがそれも程度の問題ですよね。

 

 
気力体力の前借りはまだまだあります。

 


甘い物を食べ、カフェインを使って、その時だけ元気を出す。


これも気力体力の前借りなんです。

 

 

私もずっと甘い物もカフェインもガソリンのようなイメージで沢山摂取していました。

エネルギーが増えて元気に動けるならいいですよね。

 


ところが不具合が出る時は必ず甘い物やカフェインが過剰になっていました。


甘い物が効かなくなってもっと甘い物を摂る
カフェインが効かなくなってもっとカフェインを摂る

 

そうやってエスカレートしていって、体調も精神状態も崩れ鬱状態に入っていきました。

 

 

甘い物やカフェインはガソリンじゃないんですね。

気力や体力の前借りなんです。

 


毎日毎時間奮い立たせることを続けて気力体力の前借りを続けたら

頑張ってもどうしようもない時期がやってきます。

  

そうなった時に「あぁ限界がやってきた」と気づけばいいんですが

気力体力の前借りをしてきたことに自覚がないので

 

「奮い立たせることも出来ないダメな自分」
「今まで出来ていたけどこの情けない自分が本当」

 

こんなふうに限界の時まで自分を責めていたりするんですね。

 


気力と体力の前借りをすることで、私たちは躁鬱の波を自分で作っている…この自覚は大切です。

 
いざという時に前借りして波を作ることも必要ですが、鬱がやってくるほど前借りを続けることはもうやめなきゃいけませんね。

 

私も何年も、あまり奮い立たせず、カフェインなどで気力体力を前借りせずにいる
普通の状態に耐えるのが大変でした。

 
なにか刺激が足りないような感じがして、自分がこれしか出来ないと認めるのがつらくて、平均点で波のない状態が退屈で・・・

 

これを乗り越えてやっと鬱状態にならなくなりました。

 

みなさんも、気力体力の前借りをする習慣を少しずつやめていって、躁鬱の波を小さくする習慣を作っていってくださいね!