逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

ギフテッドの人が会話が苦手な理由


会話が上手い人は
いつでもどこでも誰が相手でも会話が上手だと思いますよね。

 

 

でもよく観察をしてみると

 

大勢で軽い話をしている時は饒舌なのに

2人きりで深い話になると上手く話せない 人

 

仲良しで2人きりの時は饒舌なのに

それほど親しくない相手や3人以上になると静かになる人

 

自分の得意な話を披露している時は饒舌なのに

それ以外の話になると何も話さない人など

 

意外と人は

上手く話せたり話せなかったりすることがあるようですね。

 

 

 

私はその差が激しいことが悩みでした。

 

 

人からは

会話が上手な人だと思われることが多いんですが

実は会話が上手な時と下手な時の差が激しいんです。

 

 


私の会話が上手な場面しか見ていない人には

 

話すのが上手でうらやましい
会話で困る事はないんじゃないか
いつも自信があってうらやましい…

 

 

会話が下手な場面ではしか見ていない人には

 

何を言っているか分からない
もっと考えて話したほうがいい
もっと自信をもって話していいのに…

 

 

 

こんなふうに

真逆の反応、評価をされるくらいです。

 

 


過去を振り返ると

この落差に困ってきたのを思い出します。

 

 


自分でも驚くほど

 

自信満々に話せる時と、全く話せなくなる時があり

どうしていいか分からず混乱していました。

 

 

 


私は自分なりに会話の工夫をしないと
すぐに会話の内容が分からなくなってしまうんです。

 

言葉だけだと
まるで知らない言語を聞いているような感覚になる時があります。

 

普通の人はこんなこと、無いんですよね。

 

 

会話でわからなくなることを防ぐ為に

自分で小さいころからずっと工夫していたことがあります。

 

自分にとって当たり前のことになっていたんですが

人はこんなことはしていないと分かっていませんでした。

 

 


今までどんなふうに会話をしてきたかというと

 

聞き取った話を
一旦映像に置き換えたり、物語にしたりしていたんです。

 


例えば

 

「資料室に行って地球儀と〇〇図鑑をとってきて」

 

と先生に言われた時

 

 

何もせずそのまま聞いていると

 

資料室とは何なのか→
あぁ資料が沢山置いてある場所→
どこにあるんだっけ

 

地球儀とは何なのか→
あぁあの青い丸いやつか

 

それでどうするんだっけ?

 

 

名称を確認しているうちに
何をしたらいいか分からなくなるんです。

 

 


工夫をして聞き取ると

 

資料室、地球儀、という言葉の響きで浮かぶイメージを呼び出す

 

行ったことのある資料室を思い浮かべる→
そこに歩いて行く自分、そこにいる自分をイメージする→
そこで地球儀と〇〇図鑑を手にしている自分の姿をイメージする

 

この場面を頭に浮かべてやっと


どうやってそこに行けばいいのか

自分が何をしたらいいのか理解できる。

 

 


自然とこんなふうにしていました。

 

小さい頃からずっと

こんな工夫をしながら人の言葉を聞きとっていので
自分がやっていたことにあまり気づいていませんでした。

 

 

人の言葉がわからなくなってパニックになるときは

 

つねに映像化をして会話をしていたのに
疲れて映像化をしなかった時が多いです。

 

 


あと


何かのつながりや意味が無い人の言葉にも

わからなくなってパニックになってしまいやすいです。

 

 


例えば

 

数字や名前、定義
誰かからの伝言

 

こういうものが頭に入りません。

 


数字や名前は
ただ割り当てられたもので、個性や意味がなく
すぐに消えていってしまいます。

 


定義も
その内容を理解して簡単に説明をすることは出来ても
その名称や難しい言葉での説明は

誰かが割り当てたものなので消えていってしまいます。

 


誰かからの伝言も同じで
だいたいこんなことを言っていたとは言えても
言ったことをそのまま覚えられません。

 

 


学校の勉強や仕事で使う会話や普段の会話では

 

割り当てられた言葉だけの会話
誰かが割り当てたものの暗記
誰かが割り当てた定義を使ったものが多く

 


私にとっては
頭に入れるのも理解するのも難しく
上手く会話ができなくて

 

頭が悪いと扱われることがよくありました。

 

 


でも

 

深い理解をしたい人との会話や

自分の見解を求められる場面では

人よりも流暢に話すことができるんです。

 

 


持っている知識について自分の言葉で話す。

 

暗記したものをそのまま出すのではなく
そこから派生した自分の考えを話す。

 

こういうことはとても得意です。

 

 


多くの人は逆で

 


暗記したものを出す

暗記したものを切り貼りして自分の言葉のように話すのは得意でも

 

それがどういうことなのかの説明は難しい
自分の見解を求められると誰かの見解を持ってくるように見えます。

 

 

それが当たり前とされる場では

多くの人が得意な会話がなされる場では

 

私は会話が下手になってしまうんですね。

 

 

 

 


ギフテッドの人のカウンセリングをしてきて分かったのは

 

こんな私と同じような理由で
会話に苦労をしてきている人が多いということです。

 



これまで会話が苦手だと思っていたのに

 

私と話をして


割り当てられた言葉ではなく自分の言葉で話す

深い意味を一緒に考える
知識ではなく自分で考える


こうやって話した時に

急に上手に話し出す人がすごく多いんです。

 

 


ギフテッドの人は

 

ただ単に会話が下手なのではなく
コミュニケーションに障害があるのではなく

 

このようなギフテッドらしい頭の使い方をしているせいで

会話が難しくなっているだけではないでしょうか。

 

 


みなさんも過去の私のように
単純に自分を変だとか無能だとか思わずに

 

自分はどんなふうに会話を組み立ててきたのか

どんな考え方、話し方が得意なのか

 

きちんと自分を理解して自分を責めるのはやめて
難しいですが、自分なりの対策を練って会話をうまくやっていきましょうね。

 

 

 

 

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