逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

心を強くする方法①


あなたが考える「心の強さ」って
どんなものですか?

 


・動じない
・弱音を吐かない
・人に頼らない

 


こう思っている人は多いと思います。

 

 


「心の強さ」が欲しいと思って

 

こんな人になりたいと思って
行動に移してしまっているように見えます。

 


これが困ったことに

 

心を弱くする原因になってしまいます。

 

 


私がお会いするクライエントさんに共通する特徴は

 

動じないように見えて
弱音を言わず
人に頼らない

 

一見して心が強い人たちです。

 

 


そんな心の強そうな人たちが

 

生きづらいと思っていて
人間不信で
自分のことが嫌いで
自分のことが分からなくて
混乱して

 

私のカウンセリングを求めてきている。

 


これで「心の強さ」を
手に入れられていると言えるでしょうか。

 


言えないですよね。

 

 


動じなければ心が強いのでしょうか。

 


動じるか動じないかは
生まれつきの敏感さや
それまでの傷つきの経験に依ります。

 

このような人は必ず一度は動じます。
同じ出来事でも
受ける衝撃が大きいんですから当たり前ですよね。

 


これを無くそうとして
感じることをやめてしまう人が居ます。

 

これで確かに衝撃は減りますが
衝撃を感じることをやめるということは
感受性を無くすことです。

 

五感が鈍くなったり
センスの高さを無くしてしまったり
生きている実感を無くしてしまったりと

弊害が大きいんです。

 

 


感受性を無くしてしまわないためにも

 

生まれつきの敏感さや
それまでの傷つきの経験によって敏感になってしまった人は

 

一旦動じるしかありません。

 


そこから

 

落ち着かせる対処を身につけたり
動じることに慣れていって
少しずつ動じづらくしていけばいいんです。

 

 


最初から動じない人は
生まれつき感受性が低いだけです。

 

一見強いように見えても
自分のキャパシティを超えた出来事にはとても弱いです。
普段動じない分だけ衝撃に慣れていないからです。

 

 


最初から
動じない人が決して強いわけではない。

 

一旦動じてしまうことを無理に抑えようとしても
強くなるわけではない。

 


このことが分かってもらえたでしょうか。

 

 


弱音を吐かなければ強いのでしょうか。

 

弱音を吐くか吐かないかは
感受性が高いか低いか
無理をして我慢をするかどうか
自分の中で消化するのが上手いかどうかに依ります。

 

 


先ほど言ったように

 

生まれつき感受性が高い人
それまでの経験から衝撃を受けやすい人は

 

何かが起きたときに衝撃を受けやすい。

 


弱音を言いたくもなりますよね。

 

それを我慢すれば大きなストレスがたまります。
我慢をしても心が弱ることはあっても強くはなりません。

 


感受性が高い人は
弱音を上手に吐きながら結果を出していったり
気分転換や視点の切り替えをしながら
弱音を消化していくしかありません。

 


弱音を吐かないのは感受性が低い人か
弱音を我慢して心を弱らせている人だと
分かってもらえたでしょうか。

 

 


人に頼らなければ強いんでしょうか。

 


人に頼るか頼らないかは
人を信じられるかどうか
自分が人に頼る価値があると信じられるかどうかに依ります。

 


自分の苦手なことは人にまかせて
得意なことは人の分もやるやり方は
単純に効率がいいやり方です。

 


人に任せられないのは
人を信じられずに全部自分でやりたい

 

あるいは
人に頼ることで迷惑をかけることを恐れて
頼ることができない。

 


人を頼らないのは
人を信じられない
自分の価値を低く見積もっている人だと
分かってもらえたでしょうか。

 

 


このように

 

動じないことも
弱音を吐かないことも
人を頼らないことも

 

決して心が強いことにはなりません。

 


むしろ
自分の生まれつきの性質や
それまでの経験からやむを得ない性質を否定してしまい

 

心を弱らせてしまうことになってしまうんですね。

 

 

 

 

 

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