境界性人格障害の人の悩みの一つに
人に依存しやすい傾向があります。
依存しやすいのには理由があります。
人は不安が高まると
親和欲求という
人と一緒にいたいという気持ちが強くなるとされています。
境界性人格障害の人は
感受性が高く
つねに不安が高い状態にあります。
またADHD傾向があり出来ないことが多いので
緊張が高く不安も高い。
この不安の高さが
人への依存を高めます。
また
ADHD傾向を人に理解してもらうのは
なかなか難しいことですし時間も労力も必要です。
会う人会う人に説明をして
理解を乞うのは大変なことですよね。
そのため
少しでも自分に理解を示してくれたり
受け入れてくれる態度が見えると
その人に強く依存してしまうんですね。
境界性人格障害でなくとも
人への依存は様々な問題を引き起こします。
まず
人に依存すると
その人を失うことに自分が耐えられないため
無意識に「その人は絶対に失わない」
と思いこもうとします。
そうすると
どうなるでしょうか。
その人をぞんざいに扱うようになりますよね。
敬意を持てなくなりますね。
敬意を持てない人との関係は
当たり前ですが上手くいきません。
そして敬意を持てない人に対してのぞんざいな言動が
どんどんエスカレートしていき
暴言や暴力につながっていきます。
こうして周囲を振り回し
自己嫌悪に陥っていくことになります。
人間関係が続かない
周囲を巻き込む
自己嫌悪する
これは境界性人格障害に悪影響があるのは分かりますよね。
また
人に依存すると
その人に自分の気持ちを察してもらおうとして
自分の気持ちを探して言葉で表現しようとしなくなってしまいます。
<高機能型の境界性人格障害の症状を軽くする方法②ー自分の気持ちを探していくー>
でいったように
境界性人格障害の人は
自分の気持ちを探していく必要があるのに
表現する必要がなければ探すことをやめてしまいます。
これにより
どんどん自分の気持ちが分からなくなっていきます。
さらに
人に依存すると
自他の区別が曖昧になってしまいます。
その人を支配しようとしたり
自分と同じ価値観を持つように強要したりする。
人を不自由にし、コントロールすることを続けて
人間関係が長続きするはずがありませんね。
境界性人格障害の人は
自分は人間関係が続いたことがない人が圧倒的に多い。
これはこのような理由があったんですね。
このように
境界性人格障害の人は
人に依存せざるを得ない理由はあるんですが
人に依存してしまうことで
自分の気持ちが分からなくなり
周囲を振り回す言動をとり
自己嫌悪し
人間関係が長続きしないことになる。
大変な悪影響があるので
なんとかして依存から抜け出さなければなりません。
どうしたらいいでしょうか。
ちょっと
ご自身で考えてみてください。
私はまず意識を変えようとしました。
現実を見ようとしました。
人は私の人生を好転させることはできない。
もし人が思い通りになっても
結局は自分で何かをしなければ自分は満たされない。
寂しさを埋めるために
自分を愛してくれる人、言いなりになる人を得ても
結局は寂しいままだし、空虚なままで無意味だ。
苦しんで苦しんで
こんなことに気付きました。
それで
友人や恋人にべったりとして
愛情や賞賛や肯定ばかりを求めるのをやめました。
1人の時間をとにかく増やしました。
そして多くの人と関わりを持とうとしました。
これは
少数の人に多くを求めるから依存になる
と思ったからです。
依存を小さく分けたんです。
一緒に楽しむことを満たしてくれる人
助けてくれる人
話を聞いてくれる人
自分の良い所を探してくれる人
真面目な話ができる人
それぞれに良さを見いだして
自分の気分によって会う人を変えました。
見方によっては
人を使い分けるというふうに見えるかもしれませんが
それぞれの良さを尊重しているだけで
自分の多面性を沢山の人に満たしてもらっているだけです。
私はこれによって
少数の人に依存することから抜け出すことができました。
もちろん
それぞれのやり方でいいんです。
人に依存することをやめなければ
境界性人格障害の克服は難しいことは理解してほしいです。
関連記事