逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

高機能型の境界性人格障害の症状を軽くする方法⑥ー自分を褒めるー

境界性人格障害の人は
人から褒められる経験が不足しています。

 


自分は比較的褒められる方だ
という方もいるかもしれません。

 


でもどうでしょうか。

 

自分がこれまで頑張った分を考えると
十分ではないと感じていませんか?

 


境界性人格障害の人は
ADHD傾向があります。

 

もともとADHDだった人もいますし
愛着障害ADHDとよく似た症状が現れている人もいます。

 


ADHD傾向のある人は
出来ることと出来ないことの差が大きい。

 


そのため
小さい頃から

 

すごく出来ている部分もあるのに
出来ないことで相殺されて褒められなかった。

 

出来ないところだけ切り取られてしまって叱られた。

 

こんな経験がある人は多いんじゃないでしょうか。

 

 

 

どんなに頑張っても
出来ていることがあっても

 

なかなか人から褒められなければ
自信はつかないですよね。

 

 

 

また

 

ADHD傾向のある人は
ドーパミンの働きが悪く、セロトニンも不足しているとされています。

 


ドーパミンセロトニン
褒められることによって分泌されます。

 


でも
先ほど言ったように
ADHD傾向のある境界性人格障害の人は褒め言葉を貰いづらいので
ストレスに弱くやる気が出ません。

 


ストレスに弱くやる気が起きずに
態度が悪くなったり、失敗をしやすくなったりして
また、褒められる機会が減っていく・・・

 

こんな負のループに陥っていきます。

 

 

 

さらに
高機能型の境界性人格障害の人は
無力感をとても強く持ちます。

 

これが鬱状態を引き起こします。

 


この強い無力感はどうして起こると思いますか?

 


これまで言ってきたように
高機能型の境界性人格障害の人は
高い共感性をもっています。

 

そのせいで
日常的に気付かないうちに
出会う人出会う人の感情を受け取ってしまいます。

 


無意識に
つねに相手に共感し
相手の立場に立って考えてしまう。

 

このような感情労働をずっとしています。

 


これは
相談にのってほしいと言われた場合や
カウンセラーなどの相談業務でないかぎり

 

この感情労働が気付かれることも
感謝されることもありません。

 

 

 

感情労働をしているせいで心を痛めへとへとになって
情緒不安定で何もやれない人だと思われてしまう。

 


これでは無力感を持つのも当たり前ですね。

 


高機能型の境界性人格障害の人は

 

自分がどれだけ感情労働をしているか
気付かなければいけません。

 

 

例えば
こんなことをしていませんか。

 


自分が言いたいことがあっても
相手の気持ちや事情を考えて黙ったり
相手の望むことを言ったりする。

 

相手が話すのが苦手な人だったら
頑張って話そうとする。

 

辛い経験の話を聞いて
自分のことのように苦しんでしまう。

 

愚痴をきいて
人のやりきれなさを感じてしまう。

 

感情をあらわにする人の感情をもらってしまう。

 

 

 

どうでしょうか。

 

一日中
人の感情を受け取って苦しんで
人に応えようとしてしまっていたんじゃないでしょうか。

 


分かりやすい行動をしていないから

 

何もしていない
大したことをしていない
と思われてきましたよね。

 


でも
これだけのことをしてきたんです。

 


それに
高機能型の境界性人格障害の人は
親切や気遣いを表立ってやることを嫌います。

 

そのため
一生懸命思いやる一方で
何もしていないように振る舞うので
全く気付かれません。

 

そして
気付いてくれないという不満を抱えるようになります。

 


表だって気遣いはしないけど
それでも気付いてほしいと思いますよね。

 

でもこれでは
気付いて貰うことは難しいですよね。

 

 

 

以上のことから

 

高機能型の境界性人格障害の人は

 

特に
自分で自分の頑張りに気付かなければいけません。
自分で自分の頑張りを褒めなければいけません。

 


頑張っても報われなかった
これまでの頑張りを認めていきましょう。

 


それからゆっくりと

 

無駄な感情労働に気付いていきましょう。

 

自分を大事にしてくれる人にだけ
感情を使うように変えていきましょう。

 


そうすれば少しずつ無力感は減っていき
やる気が出てきます。

 

楽になっていきますよ。

 

 

 

 

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