逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

自分を肯定すれば自分を変えられる②-自分を知ることで自分を肯定できる-

私がこのブログで

力を入れて書いているのは

 

なぜ

やめたいのにやめられない行動をとってしまうのか

やりたいことが行動できないのか

 

自分の行動の理由です。

 


そんなことはいいから

 

「早く自分の変え方を教えてよ」
「どうしたらいいのよ」
なんて声が聞こえてきそうです。

 


でも自己啓発には


どうすればいいかよりも先に

自分を理解していくことが絶対に必要なんです。

 

 

 

一般的に
自己啓発と言えば

 

どうすれば変われるかが明快に書かれていますよね。

 


これが
「すぐに答えを知りたい」
というみなさんのニーズにマッチしているので

 

こういう本がヒットするし

やり方を明快に述べる人が高評価を得る。

 

 

でも

みなさんのニーズに応えてくれる自己啓発

みなさんを思うように変えてくれましたか。

 


もう何度も繰り返していて分かっているはずです。

 

「分かった!明日から変わる!」

影響を受けてそう思った次の日から
何も変わらない日常を。

 

頭では十分に分かっていてやれると思っていたのに
なぜか全然行動出来ないことを。

 

 


こんな無駄なことを繰り返しても
娯楽になっているならいいんです。

 


だけどこれ
マイナスの影響になってませんか。

 


簡単に出来ると書いてあるのに出来なかった

自分は能力がない

 


多くの人は出来るみたいなのに出来なかった

自分は人より劣っている

 


何度も自己啓発をしても出来ない

自分は学べないし変われない

 


自信がどんどん無くなっていってしまう。

 



自己啓発は飛びついてもらうために

 

簡単と書いてあるだけ
誰でも出来ると書いてあるだけです。

 

 

本当にあなたの自己啓発のために書かれているなら

甘い言葉だけでなく苦い言葉もあるはずです。

 

だから甘い言葉を信じて

その通りできない自分をおとしめてはダメですよ。 

 

 

まずは自信が無ければ行動なんて出来ないんですから。

 

 

最初の話に戻ります。

 

自己啓発には
「自分の行動の理由」の理解が必要だと言いました。

 


それは何故だと思いますか?

 


例え話をします。

 


同級生と
同時にサッカーを始めて

 

同級生より長い時間、必死に努力をしたのに

一緒に始めた仲間たちより少し下手なあなた。

 

こんな時


落ちこんで自分の能力を疑って
サッカーを頑張る気持ちなんてなくなってしまいそうですね。

 

 


でももしその後

 

同級生は

そこでサッカーを始める前に他でサッカー経験があったと聞いたら

どう思いますか。

 

同級生は

そこでの練習の他に、コーチをつけて練習していると聞いたら

どう思いますか。

 

あなたに筋肉の病気が発覚して
それが努力をしても運動能力が上がらなかった理由だとわかったら

どう思いますか。

 

 

色んな感情が渦巻きますが

 

もう仲間より下手なことを

自分の努力不足だとか能力不足なんて決めつけないはずです。

 

こんな理由があったのに
よくここまで並んでる頑張ったな


そう思えるはずです。

 

 


こんな不利な状況でも
サッカーを続けていくなら

 

今の自分の状態を知って、自分に出来ることを精一杯やって

周囲と比較するのはやめね

自分の成長だけを見てやっていこうとするはずです。

 

 

どうでしょうか。


自分が今の状態である理由を知らなければ

 

間違って
自分を否定し続けることになりませんか?

 


みなさんは
こんなふうに自分を否定しているんです。

 

 

自己肯定感を上げるためには

色んな自分を知っていかなければいけません。

 

 

 

私が特に知ってほしいと思うのは

自分の生まれつきの性質や
後天的に身についた性質など

「自分の変えづらい部分」です。

 

 

 

得意なことをやる労力と

苦手なことをやる労力は同じでしょうか。


当たり前ですけど全く違いますよね。

 

でも皆さんは
「スポーツと勉強」、「文系と理系」のように
分かりやすいことでしかそれを考えていないように見えます。


小さな頃から運動が苦手だったら

 

運動よりも勉強に時間を費やしますよね。


クラスで一番足が速い人と足の速さで競おうとはしなくなりますよね。


数学がすごく嫌いで苦手だったら

好きな文系の教科の成績を伸ばして
良い大学を目指そうとするかもしれませんね。


こうやって
分かりやすい部分では自然と
好きなことや得意なことを選んで伸ばそうとしていますよね。

嫌いなことや苦手なことが出来ないことを
人より努力が足りないからとか人として劣っているからとは思わないですよね。



得意なことと、苦手なことをやる労力は違うから

 

・得意な方を選んで努力する

・苦手なことも克服しようとするけど、自分は苦手だと自覚している

・自分が苦手なことを得意な人が羨ましいけど
 自分が得意なこともあると自覚している

 

それなのに日常生活では
これが出来なくなってしまってるんです。




愛着障害発達障害を持つ人のように

どこかが普通より離れている部分がある人は


他の人には当たり前のことが
とても難しいということです。




普通から離れた部分を持つ人は

 

不安や緊張が高かったり
注意を保つのが難しかったり
自分のペースで無いと力が発揮できなかったり
合理的ではないルールに従うことが難しかったり・・・など

このような困難を沢山抱えています。

 

 

色んな場面で
多くの人が出来ることが上手く出来ないせいで

人から叱られたり軽蔑されたり罵られたりしてしまい

「自分はダメな人間」
「自分は努力不足」

と思い込んでしまいます。

 

 

本当はその人の性質であって
苦手なことばかりをやらされていて
得意なことは別なだけなんです。


 

楽しいことをずっとやり続けられる
好きなことや興味があることを追究できる
新しい合理的なやり方を探せる
新しいものを作り出せる
誰もが思いつかないことが思いつく
誰もが難しいことが簡単にできる・・・

こんなことが得意である可能性もあります。



楽しいという理由だけで続けているうちに
何かのプロフェッショナルになっているかもしれません。


好きなことや興味があることを追究しているうちに
誰も知らなかったことを見つけたり、調べ上げることができるかもしれません。
誰も出来なかったことが簡単に出来るようになっているかもしれません。


ルールに従えなくても
もっと効率的でみんなを楽に出来る方法を見つけられるかも知れません。


今あるものを上手に作れなくても
今まで無かったものを作り出すかも知れません。


今あるアイディアを上手く生かせなくても
今まで無かったアイディアを生み出すかも知れません。



自分が得意なことや好きなことを探して

少ない労力で成果を上げて


自己肯定感を回復させていきたいですね。


一般的な自己啓発のやり方だけを知ろうとしても

ダメだとわかりましたね。

 

 

とにかく沢山自分のことを知って

 

自分を間違って責めるのをやめて

どんどん自己肯定感を上げていきましょうね。