逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

話が堂々巡りする理由

話が堂々巡りをする。

 


聞かれたことに助言しても


でも、だって…と
同じ質問や反論ばかりを口にする。

 

自分もこういうことをしたり

人にされてイライラを感じたことは無いでしょうか。

 


こういうことって結構多くありますよね。

 


なぜ
こんなことが起こるんでしょうね。

 


物わかりが悪いのか?
話を聞いていないのか?

 


そうじゃないんです。

 

 

 

話が堂々巡りする理由は

 

「現実を受け入れられない」からなんです。

 

 


現実を受け入れたくない…

 

誰にだってある気持ちですよね。

 

 

でも

葛藤して自分の気持ちと現実との折り合いをつけながら

現実も受け入れていきますよね。

 

 

現実が受け入れられない、話が堂々巡りする人は

 

やだやだ!
信じたくない!
頭では分かっているけど無理!

 

…なんて言えたらいいんですけど言えません。

 



そして

物わかりがいい人のフリをしてしまったり

頭で考えて自分に言い聞かせてようとしたりするんです。

 

 

 

本当は

 

現実を受け入れられない強い気持ちがあるのに

その受け入れられない自分すら受け入れられないという状態…

 

 

 

こういう人が頭で考えているのは

 

自分が何をしたら状況が好転するか…

 ではなく

 

どうしたら努力しないで状況が好転するか…だったりするんです。

 

 

 

 

私がよくする例え話なんですが

 

働かないでゴロゴロして

頭も使わないし勉強もしない

絵を描いたり音楽を奏でるような表現もしない人が


何もしないでお金持ちになる方法ってない?

 

 

こうあなたに聞いてきたらどう思いますか。

 


いや何かしろよ!って思いますよね。

 

 


現実を受け入れられない皆さんが同じことをやってるんです。

 

 

 
状況が良くならないことを嘆いて
何かのせいにして怒って
自分は何もせず変わらずこのままで状況が良くなることを願っている…

 

 


これは成長過程で誰もが通る道ではないかと

私は思うのですが

 

大人になっても色んな場面でこうしていることで
本人が苦しんでいるんですよね。

 

 


自分を責める必要はないけど

自分は今こんな状態なんだと理解する必要はあります。

 

 


話が堂々巡りするのは、現実を受け入れられないから。

 


では現実を受け入れるためには?

 

 

 

格好つけずに

 
やだやだ!
信じたくない!
頭では分かっているけど無理!

 

こんな気持ちを持っている自分に気づいて

恥ずかしくても一旦受け入れるしかありません。

 

 


いつまでも
格好つけて

 

できないのにできるフリをして
わからないのにわかるフリをして
ものわかりのいいフリをしていたら

 

話も現状も
堂々巡りしてしまうだけです。

 

 

現実を受け入れたくない気持ちをそこに置いたまま

 

 

嫌だけど現状を変えるためにはどんな手段があるのか

素直に聞いてみる

 

怖いけど現状を変えるためには動くしかないと認めて

やるかやらないかを自分に問う

 

 

そうすれば

 

「なるほど、嫌だけどそうだね」

「たしかに。怖いけどそれはその通り」

「だけどまだ勇気がない」

 

こんな言葉に変わるはずです。

 

 

こうなればきっと相手は

勇気が出ない気持ちに共感してくれたり

励ましてくれたりしてくれるはずです。

 

 

自分でも

勇気が無くて怖いから出来ないけど

いつかは自分で動かなければと思うはずです。

 

何もせずに状況が良くなるのを願っているのとは大違いですね。

 

 

現実を受け入れられない自分の気持ちを認めて

それからどうしようかと考える

 

そうすれば

話の堂々巡りからも、現状の堂々巡りからも抜け出せるはずです。