逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

本物の自己肯定感を上げる方法

自己肯定感という言葉が流行っていますね。

 


今の社会の状況を見ると

 

自己肯定感を上げるのが難しく
みんなが自己肯定感の低さに悩むのも自然なような気がします。

 

 

インターネット、SNSなどで
自分より優れて見える人や人生が充実していそうな人の姿を目にする


不謹慎狩り、人を監視して批判する人ばかりで
自分の間違いばかりに目がいく


劣等感を抱えている人が増えて
マウンティングをされたり、不機嫌な態度をとられたり、攻撃されたりする

 

 

こんなことで
現代人は自己肯定感が下がりやすい。

 

 

だから自己肯定感を上げていこうね!

という流れは望ましい・・・わけではないと私は思ってるんです。

 

 


自己肯定感の上げ方が
その場しのぎで、自己肯定感が上がったような気分になるだけだと

 

結局は苦しみは変わらないし労力と時間を費やして何も残らない

 

そしてまた
自己肯定感を上げよう上げようと頑張って苦しむことになる

 

 

この状況を私は憂えているんです。

 

 


もちろん

一日だけでも楽になりたい
この期間だけ乗り切りたい

 

そんな時は
その場しのぎの自己肯定感、自己肯定感が上がった気分でいいですよね。

 

 

でももし

安定した自己肯定感がほしいと思っている人は
一時的な自己肯定感を上げる方法との違いを知ってみてください。

 

 


よくある自己肯定感の上げ方に

「自分はこれでいい」と自分に言い聞かせる方法がありますね。

 

 

これはもう皆さんも経験済みだと思いますが


次の日にはもう「自分だめかも」
次の瞬間には「やっぱりだめ」

 

簡単に自己肯定感は消えていきますよね。

 

だからまた必死に何度も「自分はこれでいい」を繰り返し言い聞かせる。

 


もう言い聞かせることに疲れてしまいますね。

 

 

これはやっぱり一時しのぎなんですね。


言い聞かせて一瞬「自分はこれでいい」と思えても


毎日現実を見れば
これでいいとは思えない自分がそこに居ます。

がっかりすることが日々起きます。

 

 

いくら言い聞かせても心の底から「自分はこれでいい」と思えなければ
自己肯定感は上がりません。

 

 

現実逃避をして自分の現実を見ない、人とあまり交流をしない人は
この方法も相性がいいのかもしれませんが

 

現実逃避をし続ける先には
心の平穏はないのではないかと思うので
やっぱりこの方法はおすすめ出来ないです。

 

 


短期的に自己肯定感を上げる方法があります。

 

これは皆さん頑張って実行されていると思います。

 

その場だけ目の前にいる人にだけ好かれる
多くの人に支持される
能力を高く評価される
仕事で成功する
お金を稼ぐなど


自分の魅力の高さや能力の高さを
目に見えやすい結果に出すことが出来れば自己肯定感は上がると思います。

 

でもこれもまた安定的な自己肯定感ではないんです。

 

 

どれも状況によって変わりやすく
運などで失いやすいのがわかるでしょうか。

 

 

恋愛や友情など
一時的に魅力的に見せて好かれても
長い付き合いになってボロが出てしまって愛想を尽かされてしまう

 


多くの人に支持をされたけど
能力を高く評価されたけど
飽きられたり自分の調子が悪くなったり、流れが変わったりして
そっぽを向かれてしまう

 


仕事で成功したけど
お金を稼いだけど
運悪く急に上手くいかなくなったり、体調を崩したり

やる気を失って続けられなくなったりして失ってしまう

 

 

安定的に自己肯定感を持つためには
これだけでは無理ですよね。

 

まれに
安定的にこれらをキープできる能力がある人ならいいのかもしれません。

 


でもそれにしても
どこか埋まらない自己肯定感があるような感覚があるのではないでしょうか。

 

 


長期的に安定して失わない
本当にどっしりとした自己肯定感を獲得するためには



自分の感覚で自分を見て「この自分でいい」と思えることにあるんです。

 

 

自己肯定感を上げるために一番難しいのは

実はこの、自分の感覚を取り戻すことなんです。

 

 


皆さんが「自分の価値観だ」と思っているものは

 

親の価値観の刷り込み
出会った人の多くが口にしていた価値観
自分が好きな人や尊敬している人に影響をうけた価値観で


それを自分の価値観だと勘違いしていないでしょうか。

 

 


問題はその価値観が

 

さっき言った短期的な自己肯定感をもつ条件であることが多いので

いつまでたっても自己肯定感が上がらない、安定しないということになるんですね。

 

 

 

そして色んな人の価値観に日々振り回されるので

 

昨日の価値観では自分を肯定できていたはずが
今日の価値観では自分はダメだとなってしまいます。

 

 

同じ自分なのに

素晴らしいと思ったりダメだと思ったりと揺れ動くのはおかしいですよね。

 

 

長く安定した自己肯定感を得るには

 

 

人に貢献している人は素晴らしい

生き生きと楽しんでいる人は素敵

全力で必死に生きている人はカッコイイ

穏やかに丁寧に生きている人は美しい

感情豊かに生きている人は愛おしい・・・など

 

人間性にしっかりと目を向けて、そこに価値を見いだせることが大事です。

 

 

あるいは


それまでの人生でどんな経験をしてきたのか

表には出ていないその人のストーリーはどうなのか

どうやって今のその人が完成したのか


人の背景に目を向けて、人の経験に価値を見いだせることも大事です。

 

 


時間をかけて作り上げた人間性や積み上げた経験は簡単には変化しません。

 

一度や二度の失敗では人間性や積み上げた経験に何の影響もありません。

 

積み上げてきた人間性や積み上げた経験は悪い結果によって失われません。

 

 


そうやって人間性や経験にも価値を見いだし
自分の人間性や経験を見つめていくことで


長く安定的な自己肯定感が得られるんです。

 

 

 

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