逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

猫がいることに慣れない

ぼーっと考え事に耽る。

海外ドラマに集中する。

 


ふと現実の世界に戻ると猫たちの存在に驚く。

 

 

私はもう猫を飼い始めて13年だ。

 

そろそろ慣れても良いと思うんだけど
いまだに驚いてしまう。


他の猫飼いさんは驚くことはないんだろうか。

 

 

 

もこさんが知らないうちに私の膝の上にのっていた。

まぁるくなって「ふすーふすー」っと呼吸してる。

 

生きている!

生き物が私の膝の上にのってる!

 


なんか興奮してきて、寝てるもこさんをワシワシ撫でる。


ふんわり柔らかあったかーい。
ゴロゴロと喉をならして私の手をつかんでくる。

 


生きている!

私が生き物を手なずけている!

 

またいちいち興奮(笑)

 

 


ぎんちゃんが甘えて子猫のように鳴きながら私を見上げて近づいてくる。


全身を私にこすりつける。
私が顔を寄せると顔にスリスリ。

完全に私に全てをゆだねて全身で甘えてる。

 


いいんですか!私に全てをあずけてくれるんですか!

 

愛しさが爆発して全身なで回してキッス。
嫌がって逃げたりせすじっと受け入れるぎんちゃん。

 

なんて可愛いの!!

また愛しさ爆発。

 

 


2匹がじゃあっている姿をみて目が見開く私。

 

なんと私が住むこのアパートに2匹も猫が居て
仲良くじゃれあっている!なにこれ。

 

 

今ここに命が2つある。

それを何と私が育ててきたなんて!

 


自分がそんな信じられない大きな責任を負って果たしてきたなんてと
感無量。

 

 


普段ね

他のことに気を取られて猫の存在を意識せずに流してしまっていたり
自分のことに精一杯で立ち止まらずにいると

 

当たり前のように一日が過ぎていくんだけど

 


ちょっと余裕があって今ここにいる感覚があって
心の調子が良くて幸せを感じてる時はもう 

 

いつも驚いてしまう。

 

 


ペットを飼ってる人

ペットを飼い始めた日を思い出してみて。


みんないちいち興奮してたでしょ。

 


ペットが居なかった生活、日常が
ペットが居る生活、日常に変わって慣れなくてくすぐったくて

 

ペットを見る度にいちいち感動して嬉しくなって
これからもこの子とずっと居られるなんてと
信じられない気持ちになったりしたでしょ。

 

何故かそれが当たり前になって
飼い始めた日ほど大事にしなくなっていくけど

 

飼い始めた日はみんな興奮してたはず。

 

 

 

恋人ができた日とか

結婚した日とか

 

そういう最初の日って驚きや感動や興奮があったでしょ。

 

 

 


私はそもそも慣れない傾向が強いんだ。

 

 

若い頃は

 

友人や恋人に対して
何年経っても初対面のような嬉しさや情熱や新鮮さがあって飽きなくて

 

いつも出会った頃のように嬉しそうにする私に不思議な顔をしながらも
みんな喜んでくれた。

 

 

 

アルバイトや仕事で

 

どれだけ同じ事の繰り返しでも熟達しても
次の日になると気持ちはリセットされて緊張感がやってくる。

 

いつも緊張をしている私をみんな笑っていたけど
初心を忘れず丁寧に、一生懸命やる私を褒めてくれることも多かった。

 

 

 

何に対しても慣れない自分を
いつまでたっても物覚えが悪いだとか下手くそだとか
ダサくてかっこわるいと思ってきたんだけど


最近は私のほうが

人より真実を見てるだけなんじゃないかと思ってる。

 

 

 

慣れないことは効率がとても悪い。

 

だいたい同じ事が起こるなら
型を覚えて何も感じず考えずそれを繰り返した方が
エネルギーの節約ができて効率的だ。

 


だけど人間、あるいは生き物が関わってきたら

型を覚えて繰り返すなんて
それって目の前の命の尊さを感じていないんじゃないかな。

 

 

友人や恋人、家族を変わらない存在で当たり前の存在にしてしまうけど

本当は毎日変わってる。

 

心や体の調子は違うし、毎日色んな出来事が起きているし
色んな人と交流して影響を受けて、新しい経験を積んで変化してる。

 

「こういう人だ」「こういう関わりをすればいい」と決めて
いつも同じ型で関わって、感じたり考えたりしないなんて

その人を見てない。

 

 


友人や恋人、家族、ペットが変わらず側にいてくれて愛し続けてくれるなんて

本当は全然当たり前じゃない。

 


何か心に変化があって、すれ違いがあって、気持ちが少し離れてしまうこともある。

 

事件や事故があって、失ってしまうことだってある。

 

同じようにそこに居て同じように愛してくれるのは奇跡だ。

 

 

 

あ、今めんどくせーって思ったね。


そう私と一緒にいるのは面倒くさいの。

 

 

 

でも私は慣れたくないな。
私にも慣れてほしくないな。

 

もっと時間や存在を大事にしながらともに生きていきたいと思うね。

 

 

だからね

やっぱり猫が居ることには慣れないんだろうな。

 

 

 

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