愛着障害の人を専門にカウンセリングをしていると
愛着障害の人には
躁鬱の傾向が強く見られることに気づきます。
双極性障害については
まだ明らかになっていない点が多いですよね。
私は愛着障害の人の躁鬱の傾向については
ある程度はカウンセリングで治せると思っているんです。
それは
愛着障害の人の躁鬱の傾向の原因は
思考習慣と生活習慣、体調やホルモンバランスによるものが
かなり大きいとわかったからなんです。
愛着障害で躁鬱の傾向を持つ人の話をじっくりと聞いていくと
その波が全くの原因不明で起きているのではなく
何らかの影響を受けて起きていることに気づきます。
私はカウンセリングで2年、3年と
長く同じクライエントさんを見守っています。
ほとんどの場合
最初の1年は毎週お会いします。
その人が躁の時も鬱の時も、その前段階も、フラットな時も
全て見ていますし
生活やライフイベントでどんなことが起きたかもほとんど把握しています。
そうすると一定の法則が見えてくるんです。
愛着障害の人の傾向
なぜそうなってしまったのかを愛着障害のカテゴリーで書きました。
<愛着障害>
愛着障害の人の生き方
つまり親に望まれたことを再現してきたやり方が
まさに双極性障害を生むと私は思うんです。
例えば
愛着障害の人はずっと頭をフル回転させてきました。
人の気持ちを考えなければ
人の期待に応えなければ
今何をすれば普通なのか
正しいことは何なのか
一日中休むこと無く考え続けています。
私たち愛着障害をもつ者にとっては
こうやって頭を回し続けることは当たり前のことですよね。
でもこれは普通ではないんですね。
人間の集中力は15分が限界だとされています。
思考は休めるほど思考力が上がるとされています。
それなのに私たちは限界になっても
そうせざるを得ないので全力で考え続けています。
そうしたらどうなるかわかりますよね。
鬱状態になります。
一日の最後にエネルギーが切れることもあるし
数ヶ月単位鬱状態になることもある。
もっと無理をし続けると何年も鬱から回復しないこともあります。
心が健康的な人は
人の気持ちは本当に必要な時以外考えません
人の期待に応えるより自分がやりたいことをしています
何が普通なのかは考えなくても体が勝手に動きます
正しいことは何なのか考えたりせず
間違ってもいいと思えていたり自分の正しさに従って動いていたりします
頭を働かせる時間より
楽しむ、感じる、動く時間の方が多いんです
仕事や勉強、何か問題が起きたときなど
本当に必要な時だけ頭を使っているんですね。
「一日中頭をフル回転させることをやめられない」
これが躁鬱の傾向を強くさせるんです。
愛着障害の人はいつも恐怖に支配されてきました。
いつも限界ギリギリの状態で頑張らなければいけませんでした。
家庭内の不和、親の不機嫌、怒号が飛び交う、暴力、人格否定・・・
つねにストレスに晒されている状態で
アドレナリンが分泌されていました。
大人になっても
親と同じような人との関わりや家庭と似た環境で過ごすことで
ストレスによりアドレナリンが分泌されやすい。
アドレナリンの過剰分泌が続くと感情的になります。
その後アドレナリンが枯渇すると抑鬱状態になります。
愛着障害の人は非常事態を多く経験し
火事場の馬鹿力で生きてきたせいで
大きくなっても火事場の馬鹿力のアドレナリンを使って
問題解決をしようとしてしまいます。
そしてアドレナリンを枯渇させ抑鬱状態になる。
自分ではわからないうちに
躁鬱の状態を生み出すようになってしまっているんです。
愛着障害の人は表と裏の二面性を持って生きなければなりませんでした。
愛着障害の問題は
簡単に人に話せる内容ではありません。
もし話したとしても理解してもらえることはほとんどありません。
機能不全の家庭で育てられ、心が育っていないため
大人として普通の思考をすることも行動をとることも難しいのに
それを表に出すわけにはいかなかったんです。
ですから
いつも表では必死に大人の仮面を被り
自分の生い立ちや事情や苦労を隠し笑っていて
1人になるとどっと疲れが押し寄せます。
酷い緊張と緩和。毎日がこの繰り返しです。
過剰に交感神経を優位に働かせ
一気に副交感神経を優位にさせる。
愛着障害のせいで
誰にも明かすことができない
誰の前でも自分らしくいられない
だから躁鬱の波は大きくなってしまうんです。
まだまだ愛着障害のせいで躁鬱の波が出来てしまうことは
沢山あると思いますが
ここまででも十分に理解してもらえたと思います。
愛着障害の人が躁鬱の傾向を持つのは当然なんです。
本当に大変なことですが
愛着障害が治ると共に躁鬱の波も穏やかになっていきます。
愛着障害は躁鬱の波があって当然なんです。
愛着障害の人は頑張りすぎなければいけなかった人たちなんですから。