逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

愛着障害の人は言葉をまっすぐに使えない

いつも人から

「言ってくれたらいいのに」

と言われてしまう。

 


言えたら苦労しない

見ればわかるでしょう

なんで察してくれないの…と思う

 

 

 

いつも人の言葉を

 

その言葉には裏がある

本当はこう思ってる

嘘ばっかり建前ばっかり…と思う

 

 


私もいつもそんなふうに思っては憤慨していました。

 

 

 

 

愛着障害の人は
みなさん経験があるのではないでしょうか。

 

 

 

愛着障害の人は

 


人を察しようとしていませんか?

 

人の言葉の裏を読もうとしていませんか?

 

人は発した言葉とは違う意図があると考えていませんか?

 

 


そうやって
言葉をストレートに受け取らず

人には裏がある、本音は別と考えているから

 

言いたいことは言えないし

人も察して当然だと思ってしまうんですね。

 

 

 


これも養育過程で作られてしまった癖なんです。

 

 

 


愛着障害の人の親の多くは
本当の気持ちを言葉で表現しません。

 

 

 

「やってもいいわよ」

「でも失敗してもしらないけど」


嫌な顔をしながらいいます。

 

 

(そうか、やってもいいと言われても、賛成ではないんだ)

(言葉をそのまま受け取ってはいけない)

 

 

ストレートに言葉を受け取ってはいけない
言葉とは別にある本当の意図を探らなければならないと学びます。

 

 

 

 

「○○ちゃん、良い子ね」

「今度ごはんに行きましょう」

 


そう言っていたのに
その人がいなくなった途端

 


「○○ちゃんは性格悪い。仲良くしちゃダメ」

「あの人は嫌い。本当に嫌な人なのよ」

 

 

(どんなに優しく良いことを言ってくれる人も、裏では悪く言っているかも)

(言葉を信用してはいけない)

 



人は裏表がある
言葉とは別の本心を探さなければならないと学びます。

 

 

 

 

「大丈夫」

そう言いながらも辛そうな顔をします。

 

 

「本当はこんなに辛かった。こんなに我慢していた」

「あなたのせいでこうするしかなかった」

 


後になって全てをさらけ出され、罪悪感を持たされます。

 

 

(そうか、大丈夫と言っても安心してはいけないんだ)

(信じて迷惑をかけると後で自分の責任にされるんだ)

 

 

頼ってもいいという言葉を信じてはいけない

後から覆されて一気に大変な目に遭うと学びます。

 

 

 

 


愛着障害の人の親が
言葉を誠実に使えなかったせいで

 

愛着障害の人は
人の言葉をストレートに受け取れなくなってしまったんです。

 

 


愛着障害の人の親が
陰口をひどく言う姿を見せられショックを受けたせいで

 

愛着障害の人は
誰にも本音を話せなくなってしまったんです。

 

 


愛着障害の人の親が
都合の悪いことはすべて子どものせいにしたせいで

 

愛着障害の人は
誰にも頼れず不満も弱音も言えなくなってしまったんです。

 

 

 

日々こんな経験ばかりしていたら

言葉をストレートに受け取れないのも

ストレートに伝えられないのも当然です。

 

 

 


これが人間不信の元になり

人間関係を上手くやれない原因になっていて

 

愛着障害の人の生きづらさに繋がっているんです。

 

 

 

 

人の言葉には全て裏があると考えてコミュニケーションをとる

 

人と温かい関係を作ることも

人を信頼することも

人から良い影響を受ける事もできません。

 

 

 

自分の本音や弱音や困ったこと、人に対する不満など
全く人に伝えることが出来ない

 

人を頼ることも

人と心を通わせることも

人と深い関係を作ることもできません。

 

 

 

 

  

 

人に言葉で聞いて確認せずに


人の何となく発した言葉や態度だけの情報で
自分で考えて人の意図を推し量ろうとする

 

 

人を思い遣ってはいるのですが

 

独りよがりな自分の想像だけで

この人はこんな気持ちだ・・・と決めつけてしまいます。

 

妄想的で決めつけでワンマンになってしまう関わりは

健康的な人間関係にはなりません。

 

 

 

 

愛着障害の人は

言葉で伝え合う方法を学ぶことが出来ませんでした。

 

 


そのせいで

言葉を真っ直ぐに受け取れず
自分の思っていることを真っ直ぐに言葉に出来ず
人の思いを真っ直ぐに聞くことが出来なくなってしまいました。

 

 

 

愛着障害の人が人間関係に難しさを感じるのは当然で

人格とは関係がないんですね。

 

 

 

残念ですが

言葉で伝え合う方法を学べずに

間違った方法を刷り込まれてきてしまったせいで

 

人を信じられず

素直なコミュニケーションをとれなくなってしまったんですね。

 

 

 


さらに

言葉で伝えられない人は
同じように言葉で伝えられない人を引き寄せます。

 


親と同じような人と関わり続けるので
いつまでも真っ直ぐに言葉で伝えあうことを学べないままです。

 

 

 


刷り込まれた癖を無くし
新たに言葉で伝え合うことを学ぶにはどうしたらいいでしょうか。

 


ぜひ考えてみてください。

 

 

 

私が今考えるのは

 


カウンセリングなどで
ストレートな言葉で伝え合う練習をしていくこと


真っ直ぐな言葉を伝え続けてくれる信頼できる人と出会い
その人から学んでいくこと

 

 

間違った教えを塗り替えるぐらい

正しいコミュニケーションを繰り返すことです。

 

 


言葉を伝えられない者同士では
どんなに努力を重ねても改善は難しいと私は思うんです。

 

 

だから
今ある人間関係だけで言葉で伝え合うことは学ぶことは難しいですね。

 

 

 

愛着障害の行きづらさから脱するため
言葉で伝え合う技術を身につけたいと言う人は

 


勇気は要りますが

 

今まで親しくしてきた人とは違うタイプの、新たな人との出会い

言葉で伝え合うことを教えてくれる人との出会いを是非考えてみてくださいね。

 

 

 

 

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