逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

小さい頃からの夢

私は臨床心理士で開業カウンセラー。


もう肩書きみたいなものを持ってしまったようだ。

 

 

 


みなさんは子どもの頃の何になりたかったんだろう。

 


子どもの頃の将来の夢って、そう大差がなかったよね。

 

 


子どもらしくて
当然ミーハー心や、欲に振り回される心があって

 

有名になりたい!

俳優、歌手、アイドル、お笑い芸人

 

お金持ちになりたい!

社長、玉の輿にのる

 

立派になりたい!

医者、弁護士、政治家、先生

 

好きなことをやりたい!

野球選手、ケーキ屋、お花屋、動物園の飼育係、漫画家

 


こんな感じじゃ無かった?

私の時代と今じゃ違うかな。

 

 

 

私はADHDを発揮して
夢がコロコロ、もうめちゃくちゃに変わってきた。

 

 


小学生の頃の夢は…なんとお嫁さん!

 

一応伝えておこう。


現在43歳独身です。

 

 

 

自叙伝に書いてきたけど

あんな子ども時代だったもんだから
多分早く自分で家庭つくったろうかいと思ったんだと思う。


でも少しずつ
自分もヤバい奴・・・と気づき始めて今に至るのね。

 

 

 

中学生の時は漫画家、教師、芸能人

 

 

小学生の時に人気のマンガを模写したのが大人気で
書いて書いてと列をなすぐらいチヤホヤされた

 


中学生の時に
進研ゼミの何かで4コマ漫画が採用された
卒業文集の挿絵を描いた
アニメージュに投稿したイラストが小さく載った


そんなに大したことじゃないけど私の中では大きな成功体験。


そして漫画家になる!と思ってたんだけど
スクールカーストの上の方にしがみついていた私は

この時代の
漫画を描いている=イケていないという偏見に勝てず
いや自分もそんな偏見があって、中学生で一切やめてしまった。

 

 


中学生の時は
学級委員になったり、グループのリーダーになったりと
何かと人を率いて、人に何かを教える機会が多かった。


ADHDでさんざんバカにされてきたというのに
「なんだ、人に教えて人を導けばこんなに喜ばれて尊敬されちゃうの?」

と快感をおぼえ、なんでもいいから先生になろうと考えるが


勉強は出来ないし、教師という人種とトコトン相性が悪かったので
簡単に教師はあきらめる。

 

その後も

大学の時に家庭教師と塾講師をやって

生徒から中々の人気があったので、その時また教師の夢は再燃するけど

生活の為に水商売からしばらく抜け出せない日々で完全に終わった。

 

 


小学校入学時から、ひどい目立ちたがり屋だった。


人目を引きたくて仕方が無い。
バカなことをやって注目を浴びる快感がたまらない。
それでADHD的な行動に拍車がかかってしまったのかもしれない。


小学校の時の放送委員で下校の時のアナウンスをした。
「みなさん帰りましょう」
校内に響き渡る私の声。
なんかこう特別な存在になりたいと思った。


中学校の時に学校を代表してテレビのオーディションを受けに行って
芸能人を間近に見て、私、「芸能人になる」と勘違い。

結局、自分はブスで根暗で大した才能がないと気づき
そんな夢を持った自分を恥じる日々。

 

 

 


高校生の時はお笑い芸人、数学者

 

 

高校一年生の時は私の暗い暗い人生に光が見え始めた時で
完全に躁状態だったと思う。


元々のADHDのお調子者の部分があったのに
モテたり、まぐれで成績が良かったりしてよくわからない自信が加わり
ひどい誇大妄想がやってきていた。


何をやっても上手くいくような気がして
いつもハイテンションで人を笑わせていた。
部活で「吉本」とあだなを付けられ、お笑い芸人になれると勘違い。


その後分かりやすく鬱状態がやってきて、根暗に逆戻り。
すっかりASD丸出しで落ち着き払ったキャラクターに変化し
数学に出会う。

 

 

高校2年で理系クラスに入る。
やはりそんなに勉強はできないが
クラスの秀才が解けない難問を私だけが解けることが何度かあった。


毎日何時間も数学の問題を眺めているだけで幸せで
休み時間には友人と数学の問題について論じているのが幸せで
「私、数学に命をかけて生きていきたい」と思う。

しかし
数学でも好きと嫌い、出来不出来が激しく
とても数学が出来る人とは言えない成績で終わった。

 

 

 


大学生以降は歌手、美容師、メイク、スタイリスト

 

 

大学の同級生とバンドを組む。
私は楽器なんて何にも出来ないし、やろうとする気持ちもない。
そんなわけでボーカル。


歌を歌うのは好きだったし、高校生の頃はカラオケブームで歌いまくった。
この時代は今ほど歌が上手い人が多くなかったせいか
大して上手くなかったけど、ものすごく褒められた。

心の問題を抱えていた私は、歌を歌うことで救われてきていて
ずっと歌を歌っていきたい!と思いはじめる。


運悪く、いや運良く数人のプロの歌い手と友人になり
目の前で聴いたその歌に度肝を抜かれ、自分の歌のレベルを思い知らされる。

 

 


醜形恐怖症を発症。
一日に何時間も鏡を見ては、何時間もメイクをしては落としを繰り返す。


そのおかげで絵を描くようにメイクをするのが上手くなる。
友人知人が何人も私にメイクをしてほしいとやってくるように。


みんなにメイクさんになったらいいよと言われてその気になったが
でもどうやってメイクを仕事にするのかとわからないまま。


髪も同様で、美容室帰りの髪型が気に入らなくて、毎回自分で手を入れていた。
友人知人のカット、とうとうパーマもするようになって
これまた美容師になったらと言われてその気になったが
学校に通って資格とって、なんて出来ないと思いやめる。

 

 


目立ちたがり、醜形恐怖症、劣等感の塊・・・
バカにされない、埋没しない、TPOに応じた、美人に見える
スタイルを良く見せる服で自分を鼓舞する。
色々な理由で、ずっとファッションには強いこだわりを持っていた。


毎月何冊もファッション誌を買って何時間も読み込んだ。
街に出て人のファッションを何時間も観察した。
お金をかけて沢山服を買って
毎日何時間もコーディネートを考えては

鏡の前で洋服を着たり脱いだりしてヘトヘトになってた。

 

アパレルの仕事をしている友人達とファションについて語り合い

お互いに指摘しあい、競い合い、オシャレに全力だった。


そのおかげか、その人のコンプレックスに合った洋服を選べるようになり
友人知人の洋服選びを任されることが増えていった。
これもまた、どう仕事にしていいかわからないままだった。

 

 

 


はずかしい。はずかしい。

私は大人になっても子どもの夢とおんなじ。

 

 

ちょっと夢中になる、ちょっと人より出来る

それぐらいで○○になりたい!なんて思うんだけど
具体的な行動に移したり、その技術をコツコツ伸ばそうとはしない。

 


そしてコロコロと夢を変えていく。

 

 

 

その時は猛烈にハマってやり切っているんだけど

ただ楽しくて夢中になってるだけで
それを続けて、専門的に学んで、技術を会得するところまでいけなかった。

 

 


みんなは成長するにつれて


子どもの頃の夢が
だんだんと地に足がついてくる。

 

 

自分の能力の限界が見えてくる

自分の好きや、興味関心が定まってくる

自分の経験を生かしたいと思って選択する

 

 

そうやって
やりたいことを絞って一つのことに集中して
力を伸ばしていくんだろうね。

 

 


私は何にも身につけられない
プロフェッショナルになれない

 

自分をそんなふうに思って見限ってた。

 

 

 

確かに既存の仕事では全然使い物にならなかったけど

 

私自身の魅力としては実はしっかりと身についたものはあったし
私が自分で生み出した仕事にはこれまでの経験全てが生きた。

 

 

 

お嫁さんになりたかった母性も

漫画家になりたかった感性も

教師になりたかったリーダーシップも

芸能人になりたかった目立ちたがりの部分も

お笑い芸人になりたかったユーモアも

数学者になりたかった論理性も

歌手になりたかった表現力も

美容師、メイク、スタイリストになりたかった美的センスも


全部私の中にしっかりと残っていて私の核になってる。

 

 


カウンセリングで

様々な職種の人、様々な経験の人、様々な性格の人に出会っても
心を通わせられる。

 


温かく受容的なカウンセリングだけじゃなく

 

ユーモアや表現や感性や論理性も使って
バランスのいい人間性を作る手伝いができる。

 

 

カウンセラーとクライエントという関係だけじゃなく

豊富な人生経験を持った私個人として

正直に真っ直ぐに自由にクライエントさんと向き合える。

 

 

 


結果オーライみたいな話になってしまったけど

やりたいことがコロコロ変わる人はそんなに悲観しないでほしい。


ただやりたいことに出会ったら
思いきりやり尽くすことはしてほしいけどね。

 

 

やりたいことがコロコロと変わったとしても


それはあなたの魅力になって
あなたの中にしっかりと残ってくれる。

 

最終的にその魅力すべて、集大成の仕事が出来ればいいんじゃないかな。

 

 

 

やりたいことがコロコロと変わってきて
やっと落ち着いて全てが無駄じゃ無かったとわかった私はそう思うな。

 

 

いや私も
まだここが最終的な仕事になるかわからないぞ。


なんて
まだまだ、どうしようもない私です。

 

 

 

 

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