愛着障害の人は
自分で自分のことをケアするのが苦手ですよね。
私自身もそうでしたし愛着障害のクライエントさんもそうでした。
とにかく自分のことが疎かになってしまうんですね。
愛着障害や発達障害などで
日常生活で難しいことが多すぎて
いつも鬱に近い状態で
エネルギーがほとんど無くて自分のことが出来なくなっている場合も多いです。
でもそれだけではありません。
愛着障害の人の中には
仕事は出来て優秀な方
人の世話は出来る
人への気配りも出来る
心優しくいつも人の心配をしている
それなのに
自分のことにはとことん無頓着という人もいるんです。
自分のことを放棄してしまうせいで
自分の人生が上手くいかなくなってしまいます。
例えば
自分の体調や心の状態の変化には鈍感で
いつも自分の限界に気づかず
ギリギリまで自分を追い詰めてしまう
自分がやらなければいけない事は先延ばし
自分が困っている問題は放置
いつも人を助けようとして、人の問題の対処に追われて
自分の問題はどんどん大きくなっていく
自分を喜ばせ、楽しませ、気分を良くさせることは放棄
未来の不安に対処することばかりに時間を使い
気分が悪く、機嫌が悪いままで日々を過ごす
私自身も、愛着障害のクライエントさんも
まさにこのような人生でした。
愛着障害の人の生きづらさの原因の一つは
無意識に自分のことを放棄してしまう
「人のため」という意識を持たずに
反射的に自己犠牲をして人に尽くしてしまう
人生は自分を満足させるより
問題に対処することを優先させてしまう
こんなセルフネグレクトにあるんです。
何故これほどまでに自分を放棄して
人の面倒を見ようとしてしまうのでしょうか。
自分を満足させることだけが抜け落ちているのでしょうか。
これまで愛着障害についてお話してきた事を
思い出して考えてみてください。
自分の世話をされなければいけない子ども時代に
ずっと親の世話を焼いてきましたね。
いつも人の気持ちばかり考えてきてしまったので
人のつらい気持ちを感じると
人の世話を焼かずにいるのは難しいですね。
物わかりが良すぎるせいで
自分を都合良く扱ってくる人が周りに集まり
いつも人のことに追われている状態になりますね。
酷いことをされても酷いことをされているという現実に気づけず
自分のつらい感情を感じることも出来ず
自分に起きていることをそのまま感じられないんですね。
ずっと監視されてきたせいで、自分のことを自分で見ることが出来ない
強制的に管理されてきたせいで、自分のことが自分で出来ない状態にされてしまったんですね。
これだけ沢山の理由があるんです。
愛着障害の人がセルフネグレクトになってしまうのは
当然だと思いませんか。
「自分で自分のことが出来ない」
なんて情けない、自分はダメな人間・・・
私もどれだけ長い間そう思って悩んできたでしょうか。
もうそんなふうには思う必要はないですよね。
これだけ自分のこと以外の事に追われる環境に置かれ
ずっと自分のことを置いて自分を無くして
人のために頑張って生きてきたんです。
なんて大変な状況を生きてきたんでしょう。
どれだけ一人で頑張り続けてきたんでしょう。
もう休んでほしい
そんな気持ちになってきませんか。
外から見れば
自分のことを放棄している状態は
だらしない
価値が低い
能力が低い
魅力が無い・・・
こんなふうに見られてしまいます。
でも自分自身のことはそう見るのはやめませんか。
そうなってしまう理由も
自分以外のことを頑張ってきたのも知っているんですから。
今からでいいんです。
ダメだと思い込んでた自分が
どれだけ人のために頑張っていたか知って
自分を労って休めて
これまで叶わなかった
自分の世話をしっかりと自分で焼いていきませんか。
人の気持ちを思うと人を優先させずにいられない
そんな時は
今までそうやって放置されてきた自分の気持ちを思い出してください。
自分の気持ちをちゃんと探して自分を優先させてあげましょう
困っている人を助けてあげたい
そんな時は
今までそうやって困っていた自分を放置してきた
人の為に頑張ってるのに誰にも助けられなかった自分を思い出してください。
一番困っている自分をしっかり見て、一番に助けてあげましょう
自分が不甲斐ない、もっと自分に頑張らせたい
そんな時は
今までどれだけ自分を犠牲にして人の為にやってきたか思い出してください。
長い間頑張り続けてきてヘトヘトです。
今の自分の心や体の状態を見て、整えたり回復させてあげましょう
どうしていいかわからない
そんな時は
今までずっと問題に対処するばかりでのんびり過ごせなかった自分を思い出してください。
役に立たなくてもそこに居てもいいし何もしない時間を過ごしてもいいんです。
自然と自分の気持ちが湧いてくるまで待ってあげましょう
自分に自信が無い
そんな時は
今までこれだけの頑張りを無にされ感謝されず
大事に扱われることもなくきたことを思い出してください。
問題に対処するばかりじゃなく楽しんでのんびりして楽をしていいんです。
今までできなかった分、時間やお金を自分に投資してあげましょう
こんなふうに
誰にも育ててもらえなかった
誰にも世話をしてもらえなかった自分に沢山愛情をあげてほしいんです。
できれば
私たちも誰かに愛情をもらって世話をしてほしかったですよね。
何だか寂しいし悔しいですね。
だけど
このまま報われなかった自分で居たくはありませんね。
今は自分で自分の世話ができます。
今からでも遅くはありませんよ。
できる限り自分で自分に沢山愛情を与えて世話をして
自分のことを大事にできるようになっていくと
本当に自分を愛してくれる人に出会うことができるはずです。
そうしたら
自分では世話をしきれなかった残りの部分を
世話をしてもらいましょう。
それまでは今まで出来なかった分だけ
自分で自分にたっぷりと愛情を与えながら、しっかりと大事に世話をしていきましょうね。