逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

自分の経験をネタにして生きる

自分の経験はすべてネタになる。

 


こう思えると無敵だ。

 


もちろん

 

とてもネタになんか出来ない壮絶な経験をしてきて
心が弱ってしまっている状態の場合は別だからスルーしてね。

 

 

 

私は小さい頃から

 

「自分の経験をネタにしたい」欲求が異常だった。

 

 

 

いつでも、ものすごい自分の話を聞いてもらいたくてたまらないのに

 

聞いてくれるような
親がいない
親戚や知人の大人がいない
友達をつくれない・・・

 

どこにも自分の話を聞いてくれる人がいないのだ。

 


誰よりも話したい欲求を持っているのに
誰よりも聞いてもらえる人材不足の環境にあるわけです。

 

 

 

さあ
あなたならどうする?

 

 

 

私はひらめいた。

 

話したくて仕方がない、自分のつまらない何でもない話を
面白い話、聞きたい話に変えて話せばいいんじゃないかと。

 


このアイディアは素晴らしかった。

 


上手く出来ているときは
話したいことを話しているだけで自分の周りに人が集まってくる。

 


ちょっと疲れて頭が回らなくて
ただ自分の話をそのまんまベラベラと話している時は
うるさそうにして、みんな逃げていく。

 


なるほど。
やはり自分の話は面白くするか、人の役立つ話にしなきゃ
聞いてはもらえないようだ…と悟る。

 

 

 

私の育った家庭環境については


さすがに面白い話にまではできないが
聞いてもらうところまでは持っていくことができた。

 

 

 

親が変だということを話したい
だけど重たくなってはいけない

 


私「うちね、お風呂のお湯2日にいっぺんしか換えないの」
 「なんかね、煮沸消毒とかいってんだけどケチなだけだよね」
 「私だまされてるよね(笑)」

 

友「そんな言い方されたらねぇ」
 「うちも換えてくれない時あるよー」

 


本当は4日も5日も換えてくれないことがあるが
これはシャレにならないから2日に変更。
友人も自分の家の話をしやすくなる。

 

親は冗談ではなく本気で言っているし、本当は酷く過酷な状況だが
ちょっと天然な親に見せかける。

 

 

 

自分が惨めで情けないけど話したい
だけど感情を出してはいけない

 


私「お弁当見てよ。うちの店のメニューそのまんま詰められたし」
 「ほら、スナックのメニュー食べられるの貴重でしょ。
  おかず交換しようよ(笑)」

 

友「え。美味しそう」
 「私はいつも同じ卵焼き、ウインナーだよ。飽きる」

 


本当はスナック経営の親のことが恥ずかしくて仕方がない。
本当はお弁当を作ってもらえなかったことがショックで仕方がない。
友人のお弁当が羨ましくて仕方がない。

 

それを何も気にしていないように
むしろカッコイイでしょぐらいにプレゼンする。

 

 

 

とんでもない家庭環境をネタに出来るぐらいだ。

 


日々の自分に起きた事をネタにするのは朝飯前だ。

 

 

 

今日は沢山ある過去のネタになった経験を
ちょっとだけ聞いてもらおう。

 

 

 

小学校に上がる前ぐらいの頃

 

私は踏切のレールに足が挟まって動けなくなって

電車にひかれかけた。

 


あのレールになぜ足が挟まるのか動けなくなるのか不思議でしょう。

 


よたよたと歩いていた私

 

ある瞬間、レールと足が平行になり、すっぽり。

 


焦る私

 

もがいて縦にした。

 


そう、ロックしたのだ。

 

もう取れない。

 


また横にすればいいんだけど
焦ってパニックになってるし小さいからわかんないしで動けない。

 


踏切の音が鳴り遮断機が下りる。

 

大人は近づいてこない。

 


さあどうする私!

 


電車が来る。

 

必死に高速で足を動かしているうちに
たまたま横になってはずれた。セーフ!

 

いやいや本当に危なかったんだ。

 

 

 

本気で電車にひかれるギリギリで逃れて
その時の感情は大変なもので本当はかなりのトラウマになった。

 

大人になってもしばらくは踏切が怖かったぐらいなんだけど
何度も人に軽く話しているうちに平気になってしまった。

 

 

 

 


小学校の学芸会の話

 

4年生だったかな。

 

低学年の時はオラオラだった私が
ちょっと恥ずかしがり屋で大人しい時期だった。

 


演目は「てぶくろ」

 

色んな動物が出てくる。

 


私は自分から好きな役柄に手を挙げることも無く

 

女の子が取り合いになった
うさぎとかキツネみたいな可愛い動物じゃなくて
イノシシ役になった。

 

キツネは黄色い衣装で華やか
うさぎは白にピンクで可愛らしい。

 


イノシシは・・・茶色一色だ。

 

まぁいい。

そんなにやる気はないんだと受け入れる。

 


衣装はそうやって動物の色でおのおの好きな洋服

 

頭は
うさぎは耳をカチューシャみたいにして
キツネといのししは顔がちょっぴり出る形でお面をかぶる。

 


本番当日

 

ネグレクトの家庭かつ

ADHDの私。

 

お面を忘れる。

 

しかも調子にのって友達とおしゃべりしていて

私はそれに直前まで気づかなかった。


先生大パニック。

 

今からお面をつくる時間はない。
私を出さないわけにいかない。

 


そして仕方なく私はお面無しで舞台に上がった。

 


その時の写真が貼り出された。

 


みんな私を指さして笑う。

 


ただお面を被っていないだけじゃないか。

 


しかし写真に写る姿は酷かった。

 


みんな衣装用に
黄色なら黄色、白やピンクで自分の役の動物の色の可愛い洋服を

コーディネートして買っている。


衣装だけでも可愛らしく舞台に映える。

 

お面をつけたらさらに学芸会らしい雰囲気がでる。

 


私はというと
イノシシ役で茶色だ。


衣装を親は買ってくれるはずはない。家にあったものだ。

 


写真に写っていたのは

 

華やかなさまざまな動物役の子ども達の中に

 

ただ大人の大きな茶色のセーターを着て茶色のタイツを履いただけ
お面も何もつけていない

 

見すぼらしい子どもが学芸会に紛れ込んだ姿。

 


あぁ恥ずかしい。

でも学芸会の後

私は全然堪えてなくて、集合写真ではど真ん中ですごい笑顔で写ってたわ。

 

私らしい。

 

 

 

 

 

 

高校の頃

 

私は3日でフラれたことがある。

 

高校1年の時
モテモテだった私は調子にのっていた。


フラれたことなんてなくて

あまりに恥ずかしくて無かったことにしていた出来事だ。

 


この頃の私はすごく嫌な奴で

 

自分の立場が強いときは堂々と振る舞い
自分の立場が弱いときは異常に気弱になるタイプだった。

 


自分のことを好きな男の子には女王様然としていたが
自分が好きだったり憧れていたりする相手は男女問わずおどおどとする。

 

 


バレー部だった私。

 

体育館で隣のコートには男子バレー部。
私のことを好きな田原君はずっとチラチラ見てくる。

 

その視線はうっとうしいと感じる。
私の目当ては3年生の高木先輩。

 


185センチの長身で、坊主に近い短髪でも似合ってしまう顔立ち。
キャプテンで、みんなを仕切る頼もしさ。

 

私の好みの魚系と言われる顔立ちで坊主に近い短髪のせいか
頭が大きくて顔が小さいバランスのせいか

私の友人や先輩は彼を「宇宙人」と呼んでいた。
ちょっと心外だった。

 


私が好きだということが
友人から3年生の女子の先輩に伝わってしまった。
そしてものすごく乗り気でくっつけようとしてきた。

 

「宇宙人が竹田さんみたいな子に好きって思われるなんて」

 

高木先輩は私にとって雲の上の存在なのに
そんなにモテる人だと認識されていなくて、いけてないと思われていて
私の方がモテる存在だと思われている。

 

信じられない。

 


そんなこんなで、トントン拍子に話は進んで
3年生女子の先輩の押しによって
ちょっと弱気な高木先輩は私と付き合うことになった。

 

とりあえず朝一緒に登校することに。

 

私の気持ちは、憧れの芸能人と一緒にいるぐらいの気持ちで
緊張がピークでおかしくなっていた。


高木先輩の前では何も話さなくて挙動不審になってしまう。
とてもとてもまともに話が出来ないと思って

私は手に話す話題をペンで書いていった。

 

おとなしい高木先輩。話すのは私ばかり。
手に書いた話題もすぐに尽きる。

 

せっかく憧れの先輩と付き合えたのに話が全く上手く出来ない。
次の日は倍、話題を手に書いていった。
それでも気まずい空気はぬぐえない。

 

私は何をやってるんだ。

 

その日の放課後
3年生女子の先輩が私の元にやってくる。

 

「竹田さん、あのね。宇宙人が別れたいって」

 

ガーン。
まだ3日しか経ってないじゃないのさ。

 

「理由はなんですか」と食い下がる私。

 


先輩は気まずそうに黙り込む。
意を決して口を開く。

 

「なんかね。ずっと手に書いたことを読んでいるのが気持ち悪いって」

 

「あとね、ごめん。宇宙人、私のことが好きだったって。
 私も好きだって気づいたから付き合おうと思う」

 


ダブルショック!

 

おいおい

 

最初からかませ犬じゃないかい。

 

憧れすぎて
いつもの私じゃ無くなって挙動不審になりながらも
ひそかに手に話題を書いて頑張って話したというのに…

 

なんとそれがバレてた!恥ずかしい。

しかも気持ち悪いって(笑)

 

 


かませ犬的な経験はした人はいるかもしれない。

 

だけど
「気持ちが悪い」という理由でふられた経験がある人

 

これはなかなかないだろう。

 

 

 

こんなふうに

 

見方によっては心の傷になりかねない出来事を
ネタにしてしまうのはオススメだ。

 

 

 

自分の傷ついた経験は

 

他の人にとっては

 

面白い話だったり
教訓になる話だったり
慰めになる話だったりするからね。

 


どんな経験も捨てるものはないと私は思う。

 

 

 

そうだ。

 

考えてみたらこのブログ自体が

 

私の人生経験まるごとネタにしてるんだった。

 

 

 

聞いて欲しがり屋の私らしい。

 

全部赤裸々に、でも興味をもってもらいやすい形で出してる。

 


私と同じ
聞いて欲しがり屋のあなた。

 


ぜひ自分の経験をネタとして語ってちょうだいよ。

 

 

 

 

 

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