逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

高機能型の境界性人格障害の症状を軽くする方法⑩ー脳疲労に気をつけるー

高機能型の境界性人格障害の人は

 

「自分がどんな人間かわからない」

 

そう思っているのではないでしょうか。

 

 

 

優しい時の自分と冷酷な時の自分

 

穏やかなときと張り詰めている時の自分

 

有能な時の自分と無能な時の自分

 


全てにおいて
良い時と悪い時の差が激しく

 

どちらが本当の自分なのかわからなくて混乱してしまいますね。

 

 

 

例えば

 

自分はモンスターだと思ってしまうほど
狂気を感じるほどの怒りを持って人を責め立ててしまう時もあれば

 

仏のように思いやりがあり包容力がある時もある

 

 

 

自分は何にも出来ないと思ってしまうほど
何をやっても失敗ばかりで迷惑をかけてばかりの時もあれば

 

誰よりも頼りがいがあって人の力になったり
誰よりも簡単に結果を出したりする時もある

 

 

 

自分は対人恐怖だと思うほど
人が怖くて言葉が出なかったり、卑屈になって内にこもったりする時もあれば

 

人が集まる場で中心になって明るく楽しく話したり
人前で目立ちたくなったり、自分は誰よりも素晴らしいと思ったりする時もある

 

 

 


高機能型の境界性人格障害の人は
気分が大きく変わりやすく

 

気分が良ければ人格の良い部分が出やすく
気分の悪ければ人格の悪い部分が出やすくなってしまいます。

 

気分を安定させていくことが最優先です。

 

 

 

ですが
それだけではこの落差は解決しません。

 


この落差はどうして起きるのかというと
頭の働きの問題なんです。

 

 

 

頭がよく働いていれば

 


その時の状況や人の事情、行動を起こした後の結果など
様々なことに考えが及び
感情のコントロールが上手くいきます。

 


想像力が働き
人が望んでいること、困っていること、感じていることなど
人の気持ちを想像し、人に寄り添い、力になることが出来ます。

 


目の前の事に集中でき、危険を想定し、試行錯誤して様々なことに考えが及び
色んなことが要領よく上手に出来ます。
自信を持って色んなことに挑戦できます。

 

 

 

ところが
頭の働きが鈍っているときは

 


自分の事しか考えられないので、全てに対して不満だらけになります。
その時の状況も人の事情も、行動を起こした後にどうなるかも
とても考えられません。
大きな感情は止められません。

 


何も想像できず、今目の前に見えているものしか見えません。
一つの言葉、行動だけで判断するので外面を重視します。
人の気持ちを出来ず、自分の感情だけを優先させて判断してしまいます。

 


目の前の事より、他の事ばかりが気になり、頭に色々浮かび、集中できません。
失敗が増え、何もうまくできません。
自信が無くなり、同じ場所で同じ事を続けることしかできなくなります。

 


こうやって何もかも上手くいかないと

 

ふがいない自分を責め
とてつもない怒りやイライラを感じます。

 

そして最悪の気分になり
自分の悪い部分がよく表れるようになってしまいます。

 

 

 

同じ人でも
頭の働きが良い時と悪い時には、このような違いが表れます。

 


これは

知能が高い人ほど
この差が激しくなるのが分かるでしょうか。

 

 

 

高機能型の境界性人格障害の人が
良い時と悪い時とでガラリと人が変わったようになるのは

 

頭の働きが良いときはとてつもなく働き
頭の働きが悪いときは停止に近い状態になってしまうことが原因なんですね。

 

 

 

高機能型の境界性人格障害の人は
120パーセントの力を出してしまう傾向があります。

 

無理が出来てしまうんです。

 

 

 

家庭内で小さい頃からずっと
ギリギリの状態で踏ん張らなければいけない状況が多かった

 

学校でずっと
ギリギリの状態で踏ん張らなければいけない状況が多かった

 

人の死を意識せざるを得ない体験をしたせいで
無意識につねに全力以上を出してしまうようになっていた

 


このようなことがあって

 

緊張や不安が高まる度に
気づかないうちに全力出し切ってしまうようになってしまったんです。

 

 

 

大人になっても同じように

 

緊張や不安が高まる度に
目の前のことに全力以上で取り組んでしまいます。

 


そして気がつかないうちにヘトヘトになり
頭が働かなくなってしまう。

 

 

 

そして

先ほど言ったように
同じ人なのにまるで別人のようになってしまいます。

 


周囲の人も驚きますよね。

 

 

 


私たちが境界性人格障害の症状を出してしまうのは

 

頻繁に脳疲労を起こしてしまうからなんです。

 


このような脳疲労を起こしている状態に気づかずに

 

いつも通りのクオリティを自分に課して
それが出来ない自分を
無能だとジャッジして落ち込んだり

 

いつもの完璧に良い自分でいられない自分を

性格が悪い、人でなしと罵倒して自尊心を下げたり

 

いつも通りの自分だと思って人と接して

人格の悪い部分を見せて嫌われたり
感情の抑制が利かなくなって関係を悪くしたりしていまうからなんです。

 

 

 

120パーセントの力を出してしまうこと
全力を出してしまうことは
悪いことばかりではありません。

 

誰にも出来ないであろうことをやり遂げたり
ピンチの時を乗り越えられたりと

 

すばらしい能力でもあります。

 


ですから
自分が力を発揮する時としない時の見極めること

 

自分がどの程度疲労していて、どんな状態かをしっかりと見て
諦めるときは諦める
人と接する時に気をつけること

 


これを大事にしていけばいいんです。

 

 

 

自分で信じられないような
言葉を発してしまう、行動をとってしまうのは
頭が疲れている時だからなんです。

 


ただ自分の人格を責めるのはやめませんか。

 

 

 

一番大事なのは

 

感情を抑えよう
何を言って、何を言わないか考えよう
落ち着いた振る舞いをしよう

 

そうやって、その場だけ全力で努力するのでは無く

 

 

 

その場を迎えるまでに

 

疲労をさせないことなんです。

 


疲労してしまったなら

 

その状態で出来ることを探して
上手くやろうとするのを諦めることなんです。

 

 

 

睡眠を沢山とって
色々上手くいっている時期で心配も少なく
人ともトラブルが少なく安心している時期

 

そんな時期の自分を思い出してください。

 

余計な事をぐるぐる考えないので脳が疲労してないですね。

 


疲労をしていない
これが本来のあなたの人格です。

 

 

 

これまでずっと
自分が考えなければいけない状況だった

 

誰かに考えることを押しつけられてきた

 

考え続けて対処しなければいけなかったんだと思います。

 


よく頭をフル回転させて
1人で頑張ってきたと思いませんか。

 

 

 

でも
高機能型の境界性人格障害を治していくためには
脳を疲労させてはいけないんです。

 


対処を誰かに一緒に考えてもらう

 

自分が考えなくてもいいこと、人のことは考えないで放り出す

 

考えても状況が変わらないことは受け入れていく

 


こんなふうにして脳疲労を減らしていきましょう。

 

 

 

いつも自分の脳の疲労の状態に気をつけて

 

疲労をしていない
本来のすばらしい人格を出していきましょう。

 

 

 

 

 

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