逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

愛着障害の人が自分をコントロールできない理由

愛着障害の人は
自分で自分のことがコントロールが出来ない

 

そう感じる場面が多いのではないでしょうか。

 

 

 

感情のコントロールが出来ない

 

欲求のコントロールが出来ない

 

思考のコントロールが出来ない

 

行動のコントロールが出来ない・・・

 


色んなことが何にも自分の思うようにならなくて
自制が出来なくて

 

いつも不安で情けない気持ちになりますね。

 

 

 


自分のコントロールが利かないことも

 

自分がだらしない、甘えているだけで
自分の人間性の問題や努力不足だと思って

 

自分を責めてしまっていませんか。

 

 


自分をコントロールできないのは

自分のせいだと思ってきたから

 

いつも気合いを入れて必死に努力して
自分を押さえ込んで頑張り続けてきたんではないでしょうか。

 


どれだけの時間
そこに時間と労力を費やしてきたでしょうか。

 

 


それなのに
ちっとも自分をコントロールできるようにならない・・・

 

悔しいですね。空しいですね。

 

 

 

驚くことだと思いますが

 

自分のコントロールが利かないのもまた

愛着障害の症状であり、あなたのせいじゃないんです。

 

 


「養育過程で親にコントロールされてきた」から

 

自分で自分をコントロールする力をつけることが出来なかったんです。

 

  

 

 

例えば

 


過保護、過干渉の親の場合

 


親はいつも子どもを監視していて

 

「それは正しい」
「それは間違ってる」
「それはこうしろ」

 

子どもが何かをするたびに間髪入れずに言ってきます。

 

 

 

自分で考えて自分で好きなようにやりたくても

 

一歩踏み出せばダメ出し

 

また一歩踏み出せばあれこれと指示

 

自分の好きな方向に向かって間違えば
鬼の首をとったように
「お前の判断はすべて間違っている証拠だ」

 

 

 

そんなことを繰り返されるうちに
自分で考えて自分の足で踏み出すのが怖くなる。

 


次第に親がすべて正しいと思い込まされ

 

自分がやっていることは正しいのかどうか
つねに親の反応を見ながら判断するようになってしまう。

 


こうして

 

自分で考えて自分の行動を決めることも
自分で自分のことを観察することも出来なくなってしまいます。

 

自分のことなのに、自分が全く分からなくなってしまいます。

 


自分がわからなくなって混乱しているときに

 

ずっと監視していた親が
「あなたはこうだからこうしなさい」と言うなら信じて従うしかないですよね。

 

親に完全にコントロールされてしまいますよね。

 

 

 


虐待をする親の場合

 


親は気分によって子どもを監視していて

 

「やめろ」
「馬鹿」
「こうしろって言ってるだろう」

 

だいたいは虫の居所が悪く
子どもが何かをするたびに罵倒したり暴力をふるったりします。

 

機嫌が良いときは
子どもに優しくすることや
何も口出ししないこともあります。

 


自分で考えて自分で好きなようにやりたくても

 

その日の親の気分によって

 

一歩踏み出して
優しくされることもあれば、怒鳴られ殴られることがある。

 

また一歩踏み出して
何も起きないこともあれば、地獄のような事態になることもある。

 

自分の好きな方向に向かって間違えば
「お前は人に迷惑をかけるどうしようもない人間だ」
と存在を全否定される。

 


怖い思いをしない為に言うことを聞きたくても

一貫性が無くコロコロ変わるのでどうしたらいいかわかりません。

 


そんなことが繰り返されるうちに
子どもは全く動けなくなってしまいます。

 


次第に

ただ親の顔色を見ながら

危険を回避するためだけに生きているようになり

 

つねに親の機嫌をとり判断を仰ぐことによって
自分の行動を決めるようになってしまう。

 


こうして

 

自分で考えて自分の行動を決めることも
自分で自分のことを観察することも出来なくなってしまいます。

 

自分のことなのに、自分が全く分からなくなってしまいます。

 


自分がわからなくなって混乱していて
いつも不機嫌な人物が自分を脅かす恐怖に怯えていれば

 

目の前に不機嫌な人が居れば
機嫌をとって危険を回避しようとするしかないですよね。

 

親にコントロールされる
不機嫌な人にコントロールされるのも仕方がないことですよね。

 

 

 


ネグレクトの傾向の持つ親
子どもに興味を持たない親の場合

 


親はだいたい子どもを無視していて
子どもが自分の思い通りの時だけ

 

「良い子ね」
「かわいい子ね」
「愛してる」

 

存在を認識し、愛情らしき言葉を使います。

 


自分で考えて自分で好きなようにやりたくても

 

一歩踏み出せば無視をされたり嫌な顔をされたり

 

また一歩踏み出せば無視をされたり首をかしげたり鼻で笑われたり

 

自分の好きな方向に向かって間違えば
「やっぱりあなたは邪魔」「いらない存在」という態度をとられる

 


何をやっても反応がなく
まれに反応があるときは軽蔑や嘲笑や叱責、全否定。

 


そんなことを繰り返されるうちに
自分で考えて自分の足で踏み出すことが怖く、空しくなっていきます。

 


次第に親の反応だけを求めるようになり

 

自分の行動は
親の期待に沿った行動をするか
親が反応せざるをえない困らせる行動をするかになります。

 


親が良い反応をすれば、それが正しい行動だと思い
親が無反応だったり不快な顔をすれば自分はダメな存在だと思う。

 

自分の存在価値は親の反応を引き出せた時だけだと思い込んでいきます。

 


こうして

 

自分で考えて自分の行動を決めることも
自分で自分のことを観察することも出来なくなってしまいます。

 

自分のことなのに、自分が全く分からなくなってしまいます。

 


自分が何のために存在しているのかわからなくなって混乱していれば
とにかく不安で誰かの反応を求めたくなります。

 

人の反応だけを行動の基準にして
人にコントロールされてしまうのも当然ですよね。

 

 

 

どうでしょうか。

 

親に完全にコントロールされてきたことに
気づいてもらえたでしょうか。

 

これだけ親にコントロールをされてきたら
自分で自分のことをコントロールすることが出来ないのも
当然なんです。

 



 

ですが
人にコントロールされてきたせいで

自分で自分のコントロールが出来ない人生を
変えていきたいと思いませんか。

 

 

小さい頃にトライしたように

自分の足で一歩一歩確認しながら進んでいきたいと思いませんか。

 

 


今は子どもの頃のように

あなたを完全に支配することが出来る存在はもういないはずです。

 

 

 

もう
避けること、距離を置くこと、逃げ出すことが出来るんです。

 


自分をコントロールしてくる存在に気づき
自分で勇気を出して離れ

 

少しずつでいいから
自分の行動の舵を自分に任せてみませんか。

 


人の反応や評価じゃなく
自分の反応や気持ちや考えを大事に見ていきましょう。

 



少しずつでいいんです。

 

いつかは

自分で自分のコントロールが出来るようになりたいですね。

 

もう自由に生きて生きたいですね。

 

 

 

 

 

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