逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

自叙伝㊸男性を利用する私

中学3年生の頃
初めての彼氏が出来た。

 


中学生の時は

 

どうやって
学校で上手くやるか
学校で居場所をつくるか
馬鹿にされないよう自分の価値を高く見せるか・・・

 

こんなことで頭がいっぱいだった。

 


心の中は
自己嫌悪、人間不信で
自分が人を思うようにコントロールするための策略だらけ。

 

素直に何かを感じたり楽しんだり
好きとか嫌いを感じたりする時間は
ほとんど無かった。

 


初めての彼氏も恋心を感じることなく
付き合うことになった。

 

 

 

違うクラスの男の子がよく遊びに来ていて
よく目が合うなと思っていた。

 


それまでもそういうことは何度かあった。

 

自分に夢中になっている男子を見るのはドキドキするし
何だか自分の価値が上がったような気がして気分が高揚するのを感じていた。

 

自分が恋するという感覚は分からないけど
恋されると感じる優越感、高揚は気持ちよかった。

 


初めての彼氏になる男の子は
私にとっては高嶺の花と言ってもいいタイプだった。

 


彼はユウタくん。
学年でも5本の指に入る秀才で
野球部のエースで、性格が良くてみんなの人気者で
身長180の見た目もいけてる男の子。
育ちの良さがにじみ出ていて、愛されてきた人独特の自信や穏やかさがある。

 


私は特に可愛くもなくて
勉強も出来ないし、スポーツも出来ない(学年で一番足が遅い、マラソン大会で最下位)

 

学級委員でリーダーシップはあるけど
頭の回転は速く、冷静で正論を言うことに長けていただけでキツい性格。

 

この時期は特に暗い時期で
愛想も無いし、面白いことも言えないし、オタクだし
あまり友人にも慕われていない時期だった。

 

ご存じの通りの育ちで
卑屈で劣等感のカタマリで、心の中はドロドロだ。

 


どう考えても釣り合わない。

 

彼がそういう目立つタイプだったから周りが騒ぎ出す。
最初は嬉しかったが、プレッシャーがのしかかってきた。

 

「みゆ、すごい人に好きになられたね」
「彼、毎時間見に来てる。ぞっこんだよ」
「ほら、応えてあげなよ。嬉しいでしょ」

 


そう言われても
私はあまりに苦労をしすぎたからなのか
その時、同級生は子どもにしか感じなかった。

 

それにみんなはカッコイイと言うけど
私は彼の顔立ちが全くタイプじゃなかった。

 


でも
私にはもったいないレベルの人が私を好きになったなら
私は断る権利はない

 

そんな空気が出来上がっていた。

 


彼の友人グループ総出で私を追い詰めはじめた。

 

彼の友人グループは学年でも目立つ人ばかり。
かっこよくて面白くてモテモテの男の子たち。
おしゃれでかわいくて人気の女の子たち。

 


女の子の1人が中2の時同じクラスの子だった。

 

「みゆちゃん、ちょっといい?」
「ユウタがね、みゆちゃんのこと、本当に好きなの」
「友達からでいいからみんなで仲良くしてほしい」

 

その子はとても良い子で
私はこの子に嫌われたくなかった。

 


嫌だった。
でもその子に何度も何度もお願いされて断れず
その彼の友人グループに私1人がまじり
ディズニーランドに行くことになった。

 


これが最悪の1日だった。

 

みんなで楽しめるならまだしも
一日中、みんなはニヤニヤと笑いながら彼と私を冷やかし
彼と私を二人にしようとする。
私の気持ちなんて無視で、私もまんざらではないことにされている。

 


私みたいなレベルの人が
彼を好きにならないわけがないと思われていたんだと思う。

 

仲良しグループで浮いている私。
イケてる人たちの中で、暗くつまらなく情けない私。

 

本当につらいつらい1日だった。

 

私がちょっと断ろうとしているのを知ると
よってたかって

 

「なんで!」
「あんな良い人いないよ」
「ユウタすごいモテるんだよ」
「絶対付き合ってみた方がいい」と説得される。

 


そんなこと私には関係ない。

 

私の気持ちは一切無視されて

 

私には「お前が断るなんて何様だ」と聞こえてくるようだった。

 

 

 

この仲良しグループの圧力によって
私はユウタくんの告白を断れず付き合うことになった。

 

あとになってみれば本当に申し訳ないことをしたと思う。

 


彼と付き合うことになって
私はこれまでの男性への怒りを
全て彼氏にぶつけるということをし始めた。

 


彼は私の何が良かったのか分からない。

 


無口で何を考えているか分からない。
何も得意なことも無ければ、何か好きなことがあるわけでもない。
何か知識があることもない。

 

彼に愛想良くいるわけでもない。
ただ冷たく接している。

 


ユウタくんはひたすら私への愛情を示してくれた。

 

そうしてくれれば、くれるほど
何故か、抑えきれない彼への怒りが湧いてくる。

 


前回書いたように
男性への怒りの八つ当たりで
自分を女として見る男性への怒りが止まらなかった。

 

「私を女として見る男は、私を軽んじていて人として扱っていない」
「私を女として見る男は、私を性的対象として見る憎むべきな存在」

 


ここまでの一連の流れの八つ当たりもあった。

 

「この人が私を好きにならなかったら、こんな目に遭わなかったのに」

 


書いていて本当に狂気を感じる。

 

とてつもない言いがかりだ。

 

告白されて付き合って
その相手に対してこんな感情を持っている人間は私以外存在しないのではないか。

 


ユウタくんは休み時間ごと、私に会いに来た。
何度も避け、無視をした。

 

二人きりのデートは断った。

 

ユウタくんの方が部活で忙しいのに
何回も一緒に帰ろうと予定を私に合わせようと努力をしてくれても
何度も断った。

 

ラブレターをくれたり
ラブソングのテープを作ってくれても
それに何の反応も見せなかった。

 

私から話をふることも
楽しそうにすることもほとんど無かった。

 

手を繋ぐことすら断った。
腕がぶつかっただけで嫌がった。

 


私が彼だったら、じゃあ付き合うなよと言いたくなるだろう。

 

でも彼はこんなに酷いことをしても、それでも怒ることも無く
グループのみんなに悪口を言うことも無かった。

 


あげくに最後の最後は
卒業文集で
みんなの投票で決める
学年で〇〇な人というランキングに私を入れようと
組織票を集め

 

見事
私が学年で一番「お嫁さんにしたい人」になった。

 

みんな誰だコイツ?と思ったことだろう。

 


最後まで私は
本当にひどい態度をとり続け、お別れを告げて卒業した。

 


彼は完全にいい人だったのに
私は男性への復讐に使ったのだ。

 

 

 

高校でもそれは続いた。

 


自分を好きになる人間は、私にとって攻撃対象だった。

 

「私を女として見る男は、私を軽んじていて人として扱っていない」
「私を女として見る男は、私を性的対象として見る憎むべきな存在」

 

この思いは全く変わらなかった。

 


何故か中学生の時と同じようなタイプの人に好かれる事が多かった。

 

スポーツ万能、勉強も出来て、男女ともに人気がある。

 


ここから自慢ととられても仕方がない内容になるが
時代だということを知って欲しい。

 


可愛くなくても
その当時人気のタレントに何となく似ているとモテるのだ。

 

高校一年生の時
男性的な顔の女優さんが人気があった。

 

今じゃ考えられないかもしれないけど
比較的、顔が大きめでエラやアゴがしっかりしていて、眉毛が太い感じ。

 

私がちょうどはまっていて、モテたのだ。

 


それに
今と違って男の子がすごく積極的な時代だったので
多くの女の子が告白されていた。

 


高校に入学してすぐ
明るく人気のある男の子達は
クラスを回って女の子達を物色する。

 

何故かそこに私を見に来る男の子が何人かいた。

 


入学してすぐ
毎日私を見に来る男の子。

 

例によって
バスケ部で男女ともに人気のある明るく面白く性格の良い
身長180センチで目を引く男の子。

 


これもお決まりのように
バスケ部の友人達がよってたかって私に説得。
付き合う。

 

そして
私の復讐が始まる。

 


前回と同じように

 

どんなに優しくされても、私は冷たくして
彼女としての役割を何も果たさない。

 


彼とは3週間で別れた。

 

やっぱり彼もいい人で
彼は誰にも私の悪口は言わなかった。

 


だけど相手が悪かった。

 

入学してすぐ付き合ってすぐ別れたが
それから驚くほど彼の人気はうなぎのぼり。

 

男女ともに彼は大人気だった。

 


当たり前だが
「あんなにいい人をたった2週間でふるなんて何様だ」
「じゃあ最初からオッケーするな」
「可愛くも無いくせに」

 

男女ともにそんなふうに悪意を向けられることになった。

 

 

 

高校2年で付き合ったサッカー部の男の子。

 

彼も明るく面白くクラスのムードメーカーだった。
彼は私の内面に触れようと一生懸命に話をきいてくれるタイプだった。
かなりの家柄が良いお金持ちのおぼっちゃまだったが
育ちの悪く貧乏な私を馬鹿にせず、敬意を持ち続けてくれた。

 

その性格の良さや余裕に
育ちの差をまざまざと見せつけられてるような気がした。
良い人だと思う反面、怒りが止まらなかった。

 

これまでと同様
ひたすら冷たく接して数ヶ月で別れた。

 

 

 

高校3年で付き合ったテニス部の男の子。

 

彼も明るく面白くいつも周りを笑わせる弟キャラ。
彼も家がお金持ちで、大事に育てられた子どものように純粋な人。
私には、苦労知らずで楽天家で甘えん坊に見えた。
とにかく私をすごいすごいと褒めてくれる人だった。

 

これまでと同様
ひたすら冷たく接するだけで無く

 

その苦労知らずで楽天家なところに
自分の人生と比較しては怒りを覚え
これまでに無いほど、つねに馬鹿にした態度をとり続け半年で別れた。

 

 

 

私は本当にとことん性格が悪く
人としてどうしようもない行動ばかりとってきた。

 


私は恋愛を
男性への復讐に使っていたんだと思う。

 

これまでの怒りをとことんぶつけることが出来た。

 


それだけじゃない。

 


自分のトラウマ解消

 

自分のストレス解消

 

自分の劣等感解消

 

自分の暇つぶしに使っていたんだと思う。

 

 

 

ただただ人に理不尽に苦しめられるだけだった自分
沢山のうらみつらみを抱えた自分

 

そんな、これまでの人生の憂さを晴らすように
恋人を好き放題に酷い扱いをした。

 


このおかげで私は少し心の回復をした。

 


子どもが親にワガママ放題にして育つように

 

私は
彼氏をとっかえひっかえしてワガママ放題にして
自分を育てていたのかもしれない。