逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

自分は頭が悪いと思っている人へ

よく自分や人に対して「頭が良い」「頭が悪い」ということを言ったりしませんか?

 

でもいったい頭の良し悪しって何なんでしょう。

 

 

私は思うんですよね…

 

頭の良い悪いは、外から判断できるの?

 

頭の良い人は、必ず何かの能力に秀でているの?

 

頭の良い人は、一貫して頭の回転が保たれているの?と。

 

  


多くの人は、頭の良い人は学歴が高く、いつも賢く論理的で冷静沈着で、何らかの能力が高い…

 

そんなイメージを持っているみたい。

 


確かにそういう人は頭が良いんでしょうね。

でもそういう人でなければ頭は良くないんでしょうか。

 

 

目に見えて頭が良いという特徴が出ない頭の良い人もいます。

 

 

 

私がカウンセリングでお会いする人は

 

生まれつき知能は高いのに

 

生活環境が著しく悪かった

心に問題のある親に振り回された

自分の体や心の問題があった

 

そのせいで勉強やその他のことにも打ち込むことが出来ず、落ち着いて思考することが出来ずにきた。

 

そして自分は勉強も出来ないし、まともに思考も出来ないし、何も結果を出せない…ので、「何て自分は頭が悪いのか」と思ってしまっている人です。

 

 


持って生まれた自分の頭の良さに気づかずに自分を馬鹿だと思い込んでしまって、自信を無くし、自尊心が下がり、頭の良さを存分に使えなくなる。

 

私はこれにやるせない思いを感じます。

 

 

実際の知能の高さよりも、ことさらに人から頭が悪いと思われてしまうのは何故なんでしょう…

 
具体的にどんなケースがあるか考えてみましょう。

 

 


<頭の良さは簡単に計れない>
で書いていますが

 

もし生まれつき頭が良いとしても、勉強以外の所に頭を使っている人は、学校の成績は良くないんです。

 

当然のことですが、日本では学校の成績で頭の良さを計る人が圧倒的に多いですよね。


だから勉強が出来ないだけで、日常的に頭が悪いという扱いを受けることになります。

学生時代だけじゃなく、大人になってもこれは続きますね。

 

そんな扱いが繰り返されれば、自分自身も自分は頭が悪いと思い込んでしまうようになりますよね…

 

 


また、もし頭の中で天才的なことを沢山考えていたとしても、それを上手く外に出せなければどうなるでしょうか。

 

口に出したり文章にしたりと表現する勇気が無く、頭の中のことを表に出さなければ、それは無いのと同じになってしまいますね。

 

表現するスキルが無いせいで何も考えていないと思われる。

頭の中のことを表に出した時支離滅裂な表現になり本来の内容は伝わらず頭が悪いと思われる。

 

自分の中にあるものをそのまま出せずにいる人は、自分の頭の良さに自分でも気づかず、人にも気づかれないまま…頭が悪いと思われてしまう。

 

こういう人は思考を深めていくことよりも、頭の中を整理して表現を学んでいくことを優先させないといけません。

 

 


頭が良くても、感情がとてつもなく大きい人は頻繁に思考停止してしまいます。

 

冷静な時は自分でも驚くぐらい冴えているのに、感情が湧き上がってくると頭が真っ白になる…

 

こんなことありませんか?

 

 
感情的な時に考えても、浮かぶのは短絡的で論理が破綻しているものばかり。

 

感情的な時に、冷静な時と同じように思考し決断してしまえば、普段ならしないはずの間違いや失敗が増えてしまう。

 

 

知能が高い人は、冷静な時と感情的な時の思考力は別人のレベルです。

 

それを自覚しないまま、感情的になって支離滅裂になっている時も自信を持って話してしまえば、論理的な思考が出来る人ではない、頭が悪いと思われてしまいます。

 

思考力を一貫させることができなければ、どんなに頭が良いとしても外から見て頭が悪く見られてしまいますよね。

 

 


まだあります。

 
思慮しながら話す事
人と相互にコミュニケーションをとる事

多くの人の価値観を知る事などに頭を使わない人は

 

 

言い間違いが多く、語彙が少ないので話し方が拙い


独りよがりで思い込みの激しい話し方をして、人と会話がかみ合わない

 

一般的な価値観とのズレを自覚せずに話し、無知に見られる

 

こんな問題が起きちゃうんです。

 

 

こういう人は直感的な部分を集中的に使っているような人に多いかなと思います。

 


芸術やスポーツなど何らかの能力が開花していればいいのですが…

 

運悪くそうでない場合、残念ながらこういう人は外から見ると頭が悪い人に見られやすいですよね。

 

 

 


他にも自分で頭を悪くしていってる場合もあります。

 


頭の良い人が

 

知識を増やさず
自分の得意なことにも頭を使わず
自分を良くしていくことにも頭を使わず

 

自分の目の前の快楽を追求する為だけに頭を回し続けていたらどうなるでしょうか。

 

 

例えば

 

変化が怖いからその恐怖から逃れたい

だから動かないために、完璧な言い訳を考え、人をコントロールする

 

苦しい思いをしたくない、楽な思いだけしていたい
だから苦しい事から逃げる為に完璧な言い訳を考えたり

自分を楽にしてくれるように人をコントロールする

 

自分の間違いを認めるのは苦しいから認めたくない
だから完璧な正当化を考えたり
人を支配して自分を正しいと思わせるようにコントロールする

 


このように、目の前の快楽を追求するために頭を使い続けたらどうなるでしょうか。

 

 

明らかに知的な部分はどんどん衰えていきますよね。


目の前の快楽を追求するため以外にほとんど頭を使おうとしないので、本当に頭が悪くなっていってしまいます。

 

 


どうでしょうか。

かなり当てはまる人はいるのではないでしょうか?

 


本当は頭が良いとしても、何らかの理由があって人から頭が悪いと思われてしまうことや、頭が悪くなっていくこともあるんです。

 


今日から自分のことを頭が悪いと決めつけるのをやめてみてください。

 


自分の頭の良さを信じて、心の問題や心の癖を直して、自分の頭の使い方を変えて
もっと自分の頭の良さを生かしていきましょうね。

 

 

 

 

 

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