逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

自叙伝⑮つねに体調不良を抱える私

私がつらかったことと言って浮かぶのは

 

虐待を受けたこと
対人関係で苦労したこと

 

こんなことが沢山思い出される。
衝撃的な場面が多かったから思い出しやすい。

 


多くの人は
つらかったことを思い出そうとすると
大きく感情が動いた場面が浮かぶと思う。

 


しかし
つらかったことの中には

 

つい忘れがちというか
あまりに日常的に起きていて
当たり前と思ってしまっていることがある。

 


カウンセリングをしていても
そういう、つらさに慣れて無自覚になってしまっている部分が
心に大きな悪影響を及ぼしていると私は思っている。

 


無自覚になっているから
つらいことが分からない。

 

分からないから
つらい状況を改善しようとしない。

 

つらい状況のままだから様々なことが上手くいかないのに
それらを全て自分の努力や能力のせいにする。

 

こんなふうになってしまうからだ。

 


私が心を壊したのもこれが多くあった。

 

 

 

私が無自覚だったけれど

今思うと大変だったことの一つが
体調不良だったことである。

 


今でも体調を崩しやすいけれど
昔に比べれば格段に体調は良い。

 

体調が良いだけで
こんなに人生が楽になるものかと驚く。

 

この「体調が良い」という状態を知って初めて
これまでがどれだけ大変だったかに気づいた。

 

 

 

思い返してみれば
私が子どもの頃からずっと
体調が悪かったのは当然だ。

 


私の特殊な人生は
誰にも打ち明けられないから
1人で悩みを抱え対処してきた。

 

あれだけのことを
子どもが1人でやってきたのかと
我ながら尊敬する。

 


子どもには
とても耐えられない悲惨な環境で
誰にも言えないために1人で耐えることは
苦しいなんて言葉では表現できない。

 

発達障害愛着障害のせいで
学校で周囲と上手くやるのは難しく
日常的に嘲笑されたり叱られたりして
悔しい恥ずかしい空しい悲しい
沢山の感情を抱えながら
どうしていいか分からなくて混乱していた。

 

つねに漂う、とても言葉にならない不安や恐怖。
度々わき上がる自分でもコントロールできない強い感情との戦い

 

こんなことから解放される時はなく
毎日、毎日が地獄だった。

 


これだけの強いストレスがかかれば
誰だって自律神経が乱れるはずだ。

 


困ったことに
自律神経の乱れによる不調は診断がつかない場合が多い。

 

診断がつかないから
ただの怠けだとか
自己管理不足だとか思われてしまう。
大した不調ではないと思われてしまう。

 


今思い返すと
私も倦怠感や吐き気やめまいが
つねにあったことに気づく。

 

それでも
「怠けだ」
「仮病だ」
「気の持ちようだ」
「体調管理をしろ」

 

と言われるから
死ぬほど苦しいのに
さらに努力をして奮い立たせる。

 

本当はこれ以上無理が出来ない状態で無理をするから
さらに自律神経が乱れる。

 


子どもの頃は頻繁に高熱を出していた。

 

熱を計るといつも微熱があった。

 


つねに限界だったんだと思う。

 

 

学校生活のような集団生活で
理解されない体調不良を抱えることは
毎日が地獄のようだ。

 


私はよく朝礼の時に倒れた。

 

小学生の時
女子では後ろから二番目ぐらいの背の高さで
体格もよく
全く体が弱そうに見えない。

 


普段
私はクラスの女子の代表として
男子と戦うタイプだ。

 

私が弱っている時には
ここぞとばかりに男子に仕返しされる。

 


度々倒れるたびに
「あいつ、わざとじゃねぇの」
「あんなに丈夫そうなのに(笑)」
と言われる。

 

弱っているときに
投げられる心ない言葉は強く突き刺さる。

 

もうつらくて何も考えられない頭でも
悔しい、情けない、恥ずかしい
沢山の感情は湧いてきた。

 

だから
倒れるわけにはいかないと思う。

 


朝礼の時
気持ちが悪くなってくる。
声が聞こえなくなってくる。
足に力が入らなくなってくる。

 

それでも
絶対に耐えてやると踏ん張る。

 


脂汗が出てくる。
手足の血の気が引いて冷たい感覚がしてくる。
今どこにいて何をしているのか分からなくなってくる。

 

倒れる寸前まで耐える。耐え続ける。
バタンと倒れる。

 


これが本当に良くなかった。

 

倒れる寸前まで元気にしているから
仮病だと言われたことも何度もある。

 

耐えることに成功することもあったが
本当に倒れる寸前で友人とやりとりをしているから
挙動不審だったり情緒不安定だったりして
不思議な人に見られていたと思う。

 

いきなり倒れるから
大事になって迷惑をかけたり大恥をかいたりする。

 



今もまだその傾向が残っている。

 

つらくても
限界ギリギリまで笑ってしまったり
平気そうに冷静に話したりしてしまう。

 


そのせいで
大変さが伝わらない。

 

耐えられなくなってから爆発するから
人を驚かせるし迷惑をかける。

 

 

 

思い出した。
ちょっと汚い話なので心して読んで欲しい。

 

多分私は気管支炎だったと思うのだが
中学生の時
数ヶ月大量の痰に悩まされていた。

 

休み時間の度にトイレに行って出す。
また授業中に大量に出てくる。

 

授業中にティッシュに出すなんて出来ないし
咳をするとすごい音量の咳になるから
咳も我慢をする。

 

そうするとどうなるかというと
息が出来なくなる。

 

痰は出せない。
咳も出来ない。
授業中何度も息が出来なくてパニックになっていたのを思い出す。

 


くだらないことかもしれないけど
これが私にとってはものすごい恐怖だった。

 

誰にも言えないし対処の仕方も分からない。
だけど息が出来なくなって死にそうになる。

 

普通の子が勉強やスポーツや恋愛のことを考えていたときに
私は痰をどうしたらいいか毎日考えていたのだ・・・

 


あぁ恥ずかしい。

 

ネグレクトってこういうことだ。
体調不良すら何も気づいてもらえない。
体調不良になっても訴えることができない。

 

 

 


小学校中学校としょっちゅう保健室に行っていた。

 

親が私の体調不良に気づいて休ませてくれるのは
39度くらいの熱が出たときだけだ。

 


授業中座っていられなくなるくらい気持ち悪くなるときが
頻繁にあった。

 

休み時間にはしゃいでいたりするので
やはり仮病だと思われてしまう。

 

小学校3年生ぐらいの時
一度、仮病と言われるのが嫌で
耐えてしまって授業中に戻してしまったことがある。
あれはもう恥ずかしいなんてものじゃない。
それからは何て言われようと保健室に行くようになった。

 

 

 

思い出した。

 

私は保健室が大好きだった。

 

あの頃
私が唯一心を休められる場所だった。

 

家では一切気を抜けない。
学校でもリーダーとして元気でいなければいけない。
変な自分を出さないように必死だった。

 


保健室では
保健の先生がすごく優しく声をかけてくれて
清潔なベッドに寝かされて
綺麗な布団をやさしくかけてくれる。
個室のようにカーテンがしめられて
横に優しい先生が居ることを感じながら安心してぐっすり眠れる。

 

この時は
こんな天国のような時間があるんだ!

 

そう驚いていたと思う。

 

 

 

保健室の先生は優しかった。

 

不登校などの理由で来ている子達もいたから
保健室の先生は問題のある生徒を見抜くのかも知れない。

 


ある時
「みゆちゃんお家でなんかあった?」
って聞いてくれたときがあった。

 

話してしまおうと思ったけど
他に生徒がいて話せなかった。

 

あの時話していたら
何かが変わっていただろうか。

 

 

 

仮病では無いけれど嬉々として保健室に通っていた。
いつも私は熱が出ていた。

 

週に3、4回。
熱が出ていたのだ。

 

完全に自律神経失調症だ。

 


そういえば20代後半の時も
丸1年、熱が下がらない時があった。
毎日37度から下がらない。

 

毎日吐き気があって座っていられなかった。
体中が痛かった。
それでも5分おきに体を起こしてメイクをして
仕事に行っていたのを思い出す。

 

思い出してみると
小学校の時の体調不良と同じだ。

 

未だに

季節の変わりめやストレスが多い時は

同じように風邪ではない発熱や関節痛などの

体調不良に悩まされている。

 

自律神経の乱れはもう諦めている。

 

 


小学校の時は特に
普段元気で強気な自分が
体調不良になることは本当に恥ずかしかった。

 

男子にからかわれることが
本当に嫌でプライドを傷つけられた。

 

明るく元気でリーダーシップのある私にしか
存在価値がないと思っていたから
体調不良になって
周囲が自分を気遣うのがいたたまれない気分だった。

 

だから 

また倒れないだろうか。
また気持ち悪くならないだろうか。
人に迷惑をかけないだろうか。
恥をかかないだろうか。

 

などといつも不安だった。

予期不安があった。 

 

不安のせいで体調が悪くなったこともあったと思う。

 

未だに少し体調が悪いと不安になることもある。

 

 

あとは
別の機会に書くが
私は中学生の頃からずっと摂食障害があった。

 

ここからくる体調不良もあったと思う。

 


思い出してみると
私はいつも体調が悪かったのだ。

 


あの頃の体調不良のきつさを思うと

 

情緒不安定だったのも
集中力がなかったのも
緊張や不安が大きかったのも
イライラしやすかったのも

 
この体調不良からきていた部分が大きいのではないかと思う。