葛藤とは
いったいどういうことなんでしょうね。
よく使われる割に
ちゃんと分かっていないと思いませんか。
葛藤のイメージは
モヤモヤと考え続けて答えが出ない
そんなネガティブなものではないでしょうか。
皆さん
悩みに囚われて長く考え続けた経験はありますよね。
これは葛藤なのでしょうか。
私がカウンセリングの経験から分かったのは
葛藤を持つというのは実はとても難しいということです。
自分の感情や考えをしっかり分かっていないと
葛藤は出来ないんです。
葛藤というのは
ただ
同じことをぐるぐると考え続けるとか
違うことをぽんぽんと考え続けるのとは違います。
自分にとってどっちが重要なのか
「天秤にかけつづける」ということです。
天秤にかけるためには
天秤にのせるものが必要です。
天秤にのせるもの
これが意外と難しいんです。
ただやみくもに考えている時は
何と何を比較しているのか
何がどれぐらい自分にとって重いのか
これが全然分かっていません。
天秤にかけるものの具体例を挙げてみます。
自分の思いと
相手の事情
自分の理想と
それを実現する労力
自分らしさと
人からの評価
人生の岐路の二つの選択肢
こんなことに葛藤することはよくありますよね。
こうして
天秤にかけるものが見つかっても
まだ簡単じゃないんです。
一回ポンと天秤にかけたら
正解が導き出される訳ではありません。
天秤にかけるものの重さは
自分にとっての重さであって
絶対的な重さは分かりません。
一つ一つを深く掘り下げて考えなければ
それまでの自分の想いも思い出さなければ
自分にとっての本当の重さが分かりません。
その時の状況や自分の気分などによって
重さが変わってしまうので
簡単にどっちが重いか分かりません。
自分の思いと
相手の事情
どっちを優先させるかを決めるため
どっちが重要かを天秤にかけるとします。
自分は特にどうしたいという思いはないからどうでもいい
だから
相手の事情のほうが重たい。
相手の事情を優先させよう。
簡単ですね。
でもこれが大問題なんです。
自分の本当の思いに気づけないせいで
天秤のはかり間違えが起こるんです。
本当はこうしたい
本当は嫌だ
そんな強い気持ちが奥底にあったのに
嫌われないため、角を立てないために
その気持ちを押し込めてしまっていて
天秤をかける前から
相手の事情を優先させると無意識に決めていたんです。
ちゃんと天秤にかければ
本当は自分の気持ちの方が大事なのに
相手の気持ちを優先させてしまって
つらくなったり怒りを持ったりしてしまう。
ちゃんと計るためには
自分にどんな感情が湧いているか
本当はどうしたいのか
相手の重要度がどれくらいなのか
などなど沢山のことを吟味しなければいけません。
自分の理想を実現しようとする熱意
それを実現するための実際の労力
ではどうでしょうか。
簡単に
理想にかける思いは誰にも負けない!
どんなに大変でも絶対にやってやる!
こんなふうに息巻く人、多いですよね。
でも実際に
その理想を叶えるために
どれだけの時間が必要なのか
どれだけ継続する苦労があるのか
どんな労力が必要なのか
どれだけのことを犠牲にしなければいけないのか
考えているでしょうか。
実際の労力を軽く見積もってはいないでしょうか。
自分の理想にしても
思いついてすぐのものと
長く求めていたものでは重さは全く違うはずです。
自分の理想を実現しようとする熱意を重く捉えてはないでしょうか。
このように
ただ天秤にかけることが
どれだけ難しいのか分かってきたでしょうか。
また
大事なのは
どちらを選んでも
どっちにも
メリットとデメリット
リスクとリターンがあるということです。
だから
いいとこ取りをしたい人は
最初から天秤にかけることができません。
つまり
葛藤を持つことができないんですね。
天秤をかけるためには
「良いところだけの選択肢はない」
ということを分かっていなければいけません。
自分にとっての
メリットとデメリット
リスクとリターンを細かく比較して
多少でも良い方を選ぶ
というのが天秤にかけるということなんです。
どうでしょうか
葛藤を持つのはなかなか難しいですよね。
でも
自分の手で天秤に掛けて
しばらく悩み続けること
葛藤をした上で選択することで
自分の人生を自分で作り上げていると
実感を持てます。
選択したものを簡単に諦めなくなります。
難しいですが
葛藤にトライしていきましょうね。
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