逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

ちゃこ鼻腔腫瘍⑤ー強制給餌ー

 

抗ガン剤治療をしてから3日後から
抗ガン剤をやめて放射線治療に移行しました。

 

それからご飯が食べられるようになると思ったのですが
全く変わらず
ご飯もお水もとりません。

 


ずっと強制給餌をしていました。

 


これが本当につらいんです。
つらいなんて言葉では表しきれません。

 


猫は多くの子がそうだと思いますが

 

ちゃこは薬など
押さえられて口の中に入れられることが
本当に嫌いです。

 

もこは比較的平気です。

 


そんなちゃこの口に
無理矢理流動食を入れなければなりません。

 


必死に抵抗するちゃこ。
どんなに頑張っても2ml程度しか食べません。

 

これじゃ全くカロリーが取れません。

 

でもほんの少しでも入れていかなきゃいけない。

 

 

 


最初は
デビフのカロリーエースを試しました。

 

ちゃこは食べてくれませんでした。

 


次は
ad缶。
カロリーアップの目的と流動食にするために
卵黄を混ぜました。

 

最初は何とか食べてくれましたが
体調の悪さと飽きのせいでしょうか
すぐに拒否するようになりました。

 

ビオ ベテリナリーキャット
アースバイオケミカル アペ
などで水分と栄養もとれるようにしました。

 


毎日一緒のものだと余計に食べないと思ったので
色々工夫しました。

 


ミルサーを買って今まで食べていたカリカリを粉末にして
お湯に溶いて卵黄を混ぜたり

 

体に良くないことは承知で無塩バターを混ぜたり

 

とにかくカロリーをとらせようとしてました。

 


シリンジは勢いよく入ってくる感じや
ボフッとなる感じが嫌なようだったのと

 

口当たりが悪いのが嫌なようだったので

 

AZオイラーのオイル差しの先を少し切って
先端をヤスリでなめらかにして使いました。

 

 

 

少しでも美味しい味のもの
口に入れて嫌じゃない容器
不快さを軽減できる給餌の仕方・・・

 

一日中
ネットで探しては試すことの繰り返しでした。

 

 

 

毎日だいたい二時間おきに給餌しました。

 

一度になかなか食べてくれないので
何度も入れるしか無かったんです。

 

 

 

一日に何度も流動食を作るのも大変でした。

 

 

 

頭を振って拒否したり
吐き出したりするので
いたるところに流動食が飛び散ります。

 

毎日
何度も部屋を拭いて
流動食がついたバスタオルや私の服など
大量の洗濯にも追われていました。

 


毎日毎日泣きながら
「お願いだから食べて」
「食べなきゃ死んじゃう」
と言いながら給餌をしていました。

 


給餌する度に
ちゃこのつらさや憂鬱さを感じて
つらかったです。

 


給餌の時間が本当に苦しかった。

 

一日に何度も何度もやってくる。
二時間おきに私は胸が苦しくなりました。

 


一日に何度も拘束して
給餌をして薬を飲ませる。

 

大好きなちゃこに嫌な思いをさせる。

 

本当にこんなことはしたくないのに
しなければちゃこは衰弱していく。

 

だから
やらなきゃいけませんでした。

 


数日もすると
私が給餌の用意を始めると
何もしていないのに
ちゃこは吐くようになってしまいました。

 

それくらい
一日何度も繰り返される給餌に
ストレスを感じていたんですね。

 

 

 

私のことが大好きで
一日中私のそばから離れることが無かったちゃこが
私の顔を見ると逃げるようになってしまいました。

 


それまで
本当にずっと私のそばにいたんです。

 


そんなちゃこが
私の膝の上を遠くから見ているのに
給餌や薬が怖くて近くに来れない。

 

どんな気持ちだったんだろう。
いまだに思い出して涙が出ます。

 

 

 

ちゃこのためにしていることで
ちゃこを苦しめ、ちゃこに嫌われる。

 

甘えん坊のちゃこが
私に甘えることができなくなった。

 


そこまでしているのに
体重はどんどん減っていく。

 


このまま痩せ細ってどうなってしまうんだろうという不安と
必死に調べて何をやっても状況は良くならない無力感と
ちゃこの苦しさや寂しさを感じて
頭がおかしくなりそうでした。

 

 

 

強制給餌は物理的にも大変ですし
心にも大きな負担がかかります。

 

他の方の体験を見ると
ご夫婦や家族ぐるみでも大変そうです。

 

それを
私は1人でやっていたんですね。

 


この頃私は
大きなストレスでフラフラでした。

 

 

 


どうしても給餌などでちゃこにかかりきりで
もこに構えない。

 

構ってもらえない寂しさや
普段と違うちゃこの様子や家の状況に
もこがストレスを感じているようで
もこのこともすごく心配でした。

 


暇さえあれば
ずっと猫の鼻腔腫瘍、リンパ腫を調べて
情報収集をして
これから治療をどうしていけばいいか考え続けました。

 


ブログも平静を装って書き続けていました。

 

カウンセリングも普段どおりやっていました。

 

毎日クライエントさんからの電話も受けていました。

 

 

 

今思うと
よく倒れずにやれていたと思います。

 

もちろん
友人たちの支えもあってこそです。

 

 

 

しばらく
強制給仕を頑張っていましたが
ちゃこのストレスも限界で

 

給餌をほとんど受け入れなくなってしまいました。
水すらも飲まなくなってしまいました。
どんどん体重は減っていきます。

 


10月8日からずっと
ろくに食べられてないんです。

 


もう無理だと感じ

 

高度動物医療センターの先生の勧めてくれた
胃ろうチューブの決断をしました。

 


ちゃこの体にそんなことをするなんて
本当に怖かったのですが
このままでは餓死をしてしまいます。

 


胃ろうチューブの前に
内臓に転移がないか検査をします。

 


もし腎臓に転移をしていたら
もう為す術はないそうです。

 

胃ろうチューブを設置しても
吐き出してしまうし
予後も非常に短い。

 


抗ガン剤治療もしたし
鼻腔腫瘍からの転移は稀だから大丈夫。

 


不安ですが、そう信じていました。