逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

自分との向き合い方①-思考をそらすことで自分と向き合える-

自分について考えない人は逃げている

 


自分について考えすぎるから心の病になる

 


逆のことがよく言われてるんですが

どうしたらいいんでしょうか。

 

 


私も沢山の心の病を抱えていて

自己啓発本を読みあさって救いを求めていた時は

 

この二つのことが書かれていて

 


もう!
いったい自分のことを考えたらいいのか
考えちゃいけないのかどっちよ!

 

と思ったものです。

 


自己啓発本マニアの混乱の時期を経て

何も頼らずに自分で考えて試行錯誤して
回復に向かった私が今思うのは

 

やっぱり自分について考えなければいけないということです。

 

 

 

だけど
やみくもに考えると心に問題が起きてきます。

 

じゃあうまく自分について考えるにはどうしたらいいか…

 

 

分かったことが以下です。

 


・漫然と自分について考えちゃいけない


・考えても分からない自分のことを考え続けることは無駄


・自分について考えるには外からの情報が必要


・自分について考える時、気分の影響が大きいのて気をつけなきゃいけない

 

 

これを何回かに分けて説明していきます。

 

 

 

私がカウンセリングでお会いするクライエントさんは
自分のことを考えすぎて疲弊している人ばかりです。

 

それなのに
カウンセリングで自分のことを考えなきゃいけない。

 

必ずはじめにこの矛盾にぶつかります。

 


カウンセリングで自分について考えることは
プラスに向かっていく作業だけど

 

一人で自分について考える作業は
ほとんどの方がマイナスに向かっていくだけになってるんです。 

 


例えば

 

自分をただ責める内容だったり
自分を評価する内容だったり
自分を決めつける内容だったり。

 

 

みなさんも心当たりありませんか。

 

 

 

一人で自分について考えてプラスに向かっていけるなら
カウンセリングは必要ないんです。

 


クライエントさんは


一人で自分について考えてマイナス方向に向かって

気分が落ち込んでもいつまでも考え続けて力を使い果たしてヘトヘト。

 

 


対処などを考えなければいけない時
選択しなければならない時に

 

考えられなくなって混乱して
適当に選択して自分にとって良くない選択をしてしまう。

 

こんなことが起きてしまいます。

 



ではどうしたらいいでしょうか。

 

 

 

まずは
落ち込みすぎるときは

自分について一人で考えても無駄なんだと

 

自分に向き合っていてちゃんとやってる!と思いたくなりますが

向き合ってなんかなくて無駄なんだとわかりましょう。

 

 

自分と向き合うには

自分を否定するだけでなく、肯定もできなければいけないし

フラットに見ることもできなきゃいけません。

 

ちっとも出来てないですよね。

 

 

きちんと考えられるようになるためには

エネルギーをためなきゃいけません。

 

いつも疲れてヘトヘトじゃ

自分と向き合うなんてできないんです。

 

 

そのために
「思考をそらす」必要があるんです。

 

 


心が健康な人はうらやましいぐらいこれが上手い。

 

私も下手なので苦労しました。

 


実はすでに
思考をそらすために皆さん色々工夫されています。

 


お酒やギャンブルや娯楽など・・・
上手に思考をそらしていますね。

 

 

ところがこれは
そらすことに成功しているようで

「そらしすぎる」ことで
自分について考えることができなくなってしまいます。

 

 

それだけでなく
依存すると困ったことがおきたり
お金を浪費したりしてしまう。

 

お酒は上手に使えるといいですけどね。

 

 

 

私が考える上手なそらしかたは

 

・そらすためにやっていることが良い結果を生むこと
・そらすために一旦置く

 

 


私がオススメしているのは
料理や掃除です。

 

これはやらなきゃと思うと本当にイヤで

責任感や義務でやっていると思考がそれないんですが

 


「思考をそらすためにやるか」なんて思ってやっていると
いつのまにか没頭していくはずです。

 

おいしい料理ができた→達成感
綺麗になった→達成感

 

いつのまにか没頭することで集中して頭がスッキリします。

 

そしてさらに美味しくて健康的なご飯が食べられて

部屋が綺麗…

いいことだらけですね。

 

 

 

あとは
親しい人のことを考える。

 

自分にとって良い結果になることが目標ですから

こうしてくれたらいいのにとか
マイナス面をあげつらったりしてはダメです。

 

親しい人のことを考えて
結果的に良いことを生むためには・・・

 


親しい人の良いところを探してみる

親しい人との楽しい時間を振り返る

親しい人が今何をしているか
親しい人が何に困っていてどうして欲しいか
想像してみる

 

想像だけでもいいですが
出来る人は実際におせっかいにならない程度に
声をかけたり手伝ってみてもいいですね。

 

ここで
「助けてあげる」「やってあげるんだ」
なんて思うと終了です。

 

「思考をそらすため」
自分のことを見ないために人のことを見ているだけなので
感謝を要求したらいけません。

 

こうすると

自分から思考をそらせるし

親しい人に温かい気持ちが湧いてきたり

親しい人に優しくできたりして

人間関係が良好になっていくんです。

 

 


あとは
思考が始まってよくない感じになってきたら
「考えちゃいけない」ではなく
「あとで考えよう」としましょう。

 


後で考えようと紙に書いておく。

 

これをどんどん溜めて
気分が良くなる日がくるまで見返さない。

 

できるなら
友人やカウンセラーと一緒のときにそれを考える。

 

見返さなくても
何故かどうでもよくなったらその紙を捨ててください。

 


こうやって
どんどんそらして思考する余裕ができれば

 

いざというときに
深く考えられるようになります。

 


ただ漫然と考え続けても
それは自分と向き合えてはいません。

 


考えないときは考えない

 

考えるときに集中して考える

 


これが上手に考える方法の一つです。