逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

隠れディスレクシア

ギフテッドの人で自分のことを頭が悪いと思っている人は

ディスレクシアかもしれません。

 

 

ディスレクシアは

学習障害の一種で読み書きの障害です。

 

 

恥ずかしながら私はディスレクシアを知りませんでした。

 


ギフテッドについて情報を集める過程で
この概念に出会い

 

自分は「ディスレクシア」だったんだと確信しました。

 

 


気づいていないギフテッドの人は多いと思うんです。

 

私は40歳でやっと気づけました。

 

 

 

ギフテッドは読字障害をIQの高さで隠してしまうんですね。

 

 

 

思い返せば

 

小さいころ

反転した文字ばかり書いてバカだと思われていました。

 

難しい漢字が読めるのに簡単な漢字が全然書けませんでした。

 

簡単なおつりの問題や時速の問題は苦手だったのに

微分積分やベクトルは得意でした。

 

 

 

学校のテストはケアレスミスばかりでした。

ケアレスミスがないことが無いくらいの頻度です。

 



単語と単語を取り違える

 

問いと全く関係のない答えを書く

 

ここから選びなさいを無視する

 

 


そんなことばかりで

 

「落ち着いて考えなさい」

 

「普段から落ち着きがないからこうなんだ」

 

「真面目にやりなさい」

 


大人をひどく苛立たせたんですが 


私にはそれをどうやればいいのか分からなかったんです。

 

 


勉強をすること自体
30歳ぐらいまでやった記憶がありません。

 

 

やり方が分かりませんでした。

 


それは私にとっての学校の勉強は

ずっと「類推」だったんです。

 

 

 

例えば

 

英語の長文読解で

知らない単語がいくつかあると

英語の得意な人は単語の類推をして長文を読みます。

 


私にとっての勉強とはもっと難解な類推で

 

知っている単語がほんの少しある状態で
長文読解をするという感じです。

 

 

 

本や教科書を読む時、テスト問題で
いくつかの単語だけで内容を類推して理解する。

 

しかも
そのいくつかの単語ですら
私はしっかりと認識することができておらず大体の形で決めていました。

 


今思うと恐ろしいのですが

 

2、3行の文章をパッと一瞬見て

なんとなく目に入った単語の形
それだけの情報だけで全体の文章の内容を予測していたんです。

 

理由はわかりませんが
止まって単語を認識することすらできませんでした。

 


だから本当に

テストというテスト全て、大学受験すら

私にとっては勉強というより類推でしかなく、クイズでした。

 

 

 

マンガを読むのが大好きだったんですが
それは類推しやすいからです。

 

絵といくつかの単語だけで
ストーリーが読みとれて進んでいける。

 

ちゃんとセリフを読み込んでいないので

ストーリーをちゃんと把握できてはいなかったと思います。

 

 

私がマンガを読むスピードが異常だと言われていたのは

絵といくつかの単語しか見ていなかったからなんですね。

 

 


25歳ぐらいになって
少しづつ頑張って本を読んでみるようになって
ディスレクシアは良くなってきました。

 

 

いまだに
疲れているときや興味がもてない本の時
昔のクセが出てしまい

 

単語だけで読んでしまいますが。

 

 


自分の経験からも納得ですが
ディスレクシアは改善すると言われています。

 

ディスレクシアは
困難ながらも読む体験を積み重ねていくことが重要なようです。

 

 

 

ずっと
ディスレクシアのまま私は生きてきて
大変なことばかりでしたが

 

じつは優位なこともありました。

 

大学で論文を書く時に

 

少なくとも数百の論文を読んでヒントを得たり
自説に有利なもの反対のものなどを集めます。

 


それがみんなにとって相当大変な作業なようでした。

 


ひとつひとつの論文を最初から丁寧に読み進めるので

時間と労力がかかります。

 


論文書くために必要な論文を集めるためには

興味があることかどうか必要かどうかを判断してから読み込めばいいんですね。


短時間で判断をすることで効率が上がります。

 


私はこれが異常に早く何百の論文を検索しても

ちっとも疲れませんでした。


これは鍛え上げられた類推の力です。

 


そのあと深く読み込むのは苦手なんですけどね。

 

 

 

あとは
カウンセリングでこの類推の力は生かされました。

 


クライエントさんは


自分の言葉で上手く語れない
表現がうまくない
誤解されやすい言動が多い

 


そのまま受け取ってしまうと


誤解したままカウンセリングをして

結果が出ないことになりがちです。

 


私は
少ない情報、いらない情報、誤解しやすい情報の中の

 

ほんの少しの大事な情報をつなぎ合わせて
類推してその人を理解していきます。

 


こんなに良いこともありましたね。

 

 

 

本が読めるようになって
そんなに経っていないのでまだまだ苦労は多いです。

 

 

思考力に文章力がついてきません。 

 


書いてあることは深いのに

文章がなんか幼稚と言われたことがあります。

 

 

しかも
「てにをは」の間違いや誤字脱字が非常に多い。

 


読みづらいですよね。
すみません・・・

 


これからも
ディスレクシアは改善していくはずなので
自分に期待しています。

 


私と同じように
ディスレクシアに気づかなかったギフテッドの人

 

意外といるんではないでしょうか。

 

 

 

 

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