逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

自分に甘く他人に厳しい理由

自分は「自分に甘く他人に厳しい…情けない…」

 

そう悩んでいませんか?

 


自分に甘く他人に厳しい人は

「自分勝手で嫌な奴」ってイメージがありますよね。

 

 でも実際にそうしてしまう人が「自分勝手で嫌な奴」かというと必ずしもそうとは言い切れないんです。

 

 

自分を棚上げして、厳しくされる側はたまったもんじゃありませんよね。

嫌な奴だと思うのも当然。

 

でももし自分がそうしてしまう側で自分を責めているようだったら、ただ自分を嫌な奴と断罪せずにもう少し深く考えてみませんか。

 

 

まず自分に甘く他人に厳しい人は

「自分のことを見ていない」はずです。

 

自分の趣味、特技、経歴…

こんな大雑把な見方は出来ているかもしれませんね。

 

 

でもどうでしょうか。

あなたが人を観察しているくらい、自分に注意を向けてますか?

  

 

人に対しては一挙手一投足に注目して問題点や至らない点を見つけて批判する。

一言一句聞き漏らさず、矛盾点を洗い出す。

 

一方で

自分の丸一日の言動は覚えていない。

 

自分が人に対してどんなことを言ってどんな行動をとったか

それが人にはどう映ってどんな反応をされたか

相手にどう伝わってどう受け止められたか…考えるていない。

 

もし考えるとすれば

自分が気にかかる相手の反応を見る

あるいは明らかに相手の反応がおかしい時だけ気にする…

 

 

こんなふうに

相手のことは厳しく監視しているのに、自分のことはそれほど見ていないのではないでしょうか。

 

 

とはいえ、そんなに一日中自分のことを見て考えてられるか!なんて思う方もいるでしょう。

 

うん、そうですよね。

 

物事の細部を捉えるかどうかは、その人それぞれの自由ですよね。

細部を捉えず大枠を見て大胆に進んでいくのも正解のひとつですよね。

 

 

でもちょっと待ってください。

 

じゃあ何故人に対してだけ、細部を捉えるんでしょうか?

おかしいですよね。

 

 

人に対して細部が気になって仕方ないなら

同じだけ、自分の細部を観察することを怠けちゃいけませんね。

 

 

人に対して細部を観察して何かを思うたびに同じだけ自分を観察して

 

「自分はやっていないか、自分はどうだろう」

必ず確認しなきゃいけない。

 

自分の細部の観察が面倒なら人の観察もやめて

「まぁいいか、だいたいでいい」と許容していかないといけない。

 

そうして自分に対する態度と他人に対する態度のバランスを取るんです。

 

 

自分に甘く他人に厳しい人」は何らかの理由で、自分に目を向けずに人を一方的に観察する癖がついてしまったせいで、他人のことばかり言うようになっているんですね。

 

 


まだあります。

 

自分に甘く他人に厳しい人は

自分の持っている知識と自分の経験を分けられていません。

 

 

知識や情報は沢山持っている一方で
経験不足というアンバランスな状態になっているんです。

 

頭の中は知識や情報がいっぱいなので
やれる気になる、あるいはやった気になってしまっているんですね。

 

 

そうすると本当は経験してないのに
その道のプロというぐらい、人に上からものを言ってしまうんです。

 

 

例えば

テレビの野球中継を見ながら、野球経験もなく、普段運動もせず、何かに打ち込んでいるわけでもない人が

 

「なんであそこで打てないんだ!やる気あんのか」

「足を踏み込め」

「練習もしないで遊びまわってんじゃねぇぞ」

なんて批判をするシーン。

 

極端ですが同じようなことが起きてるんです。

 

 

野球の知識や、技術論や采配などをよく知っている。

 

でもプロ野球選手になれるほど何かに打ち込んで努力を続けたことはない。

 

プロ野球選手ほどの大舞台に立って

多くの人に見られ、多くの人の期待を背負ったことはない。

 

プロ野球選手ほど

現状の能力をキープするために、努力をし続けたことはない。

 

そもそもプロ野球選手ほど、体を動かしたことすらない。

 

  

その場に立つまでが大変で

その場で色んなものを背負いながらやり続けることが大変で

頭で考えていることを実際に形にするのが大変だということが

 

その経験をしていない人はわからないんですね。

 

ただ目に付いた部分をこうしろ、ああしろと言えるんですね。

 

 

  
近頃こんな人が急増してるように感じます。

 

インターネットで多種多様で詳細な知識や情報を手に入れられるようになって、やれる気になる、やった気になることが増えてしまったからでしょうね。 

 

何にもないところから自分の経験から学んでいく、という当たり前のことが出来なくなってしまってるようです。

 

 
実際にやってみることって、思っているより何倍も勇気がいるし大変です。

 

実際にやることの難しさを分かっているからこそ大きな事が言えなくなるし、実際にやっている人に対して敬意が出てくるんだと思います。

 


自分に甘く他人に厳しくなっちゃうあなた。

  

人を見るのと同じだけ自分に目を向ける習慣をつけて、公平な目を持てるようにしていきましょうね。

 

もう知識や情報は十分だから、そろそろ実際に行動してみましょうね。

 


そうしたらきっと
他人を批判したい気持ちが不思議と減っていくはずです。

 

自分に甘く他人に厳しいと「あいつ自分も出来てないくせに」と人に馬鹿にされたり嫌われたりしてしまうかも。

 

自分自身を良く変えていけないかも。

 

実は私もそんな時期があって、人から笑われたり、自分を変えられずにいましたよー

 

これは性格というより、習慣や行動の問題なので、今日だけから変えていきましょうねー!

 

 

 

 

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