逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

境界性人格障害⑯-人をコントロールする-

ボーダーが

人をコントロールしようとする理由は

自分のことがコントロール出来ないからなんです。

 

 

<愛着障害の人が自分をコントロールできない理由>

 

で書いたように

 

自分をコントロールできないのは

だらしないとか、努力不足とか、無能だからではありません。

 

ずっと人にコントロールされてきたからなんです。

 

 

 

自分のことがコントロール出来ない不安は大変なものです。

 

 

それを中和させるために

 

強迫的な行動をとって自分をコントロールしている気になって安心する

 

同じ環境で同じことを繰り返したり

人をコントロールして

自分の外の世界をコントロールして安心感を得ようとする

 

 

こうやって

安心したいがために

人をコントロールしてしまうんですね。

 

 


ボーダーの問題は
人をコントロールしようとすること


それだけではありません。

 

 

人をコントロールしようとすることは
無意識に多くの人が多少なりともしていることです。

 

 


ボーダーの問題は

 

人をコントロール出来てしまうことにあるんです。

 


多くの人は人をコントロールしたくても
そうそう上手くいきません。

 

しかし
ボーダーは上手くいってしまい人を振り回します。

 

 


なぜ
ボーダーが人をコントロールできるのか。

 

 

まず
人を見透かす能力があります。

 


これは
ボーダー本人も自覚があるでしょうし
ボーダーと関わりをもった人も分かるはずです。

 

ボーダーの治療者なら
痛いほど分かるのではないでしょうか。

 

 

ボーダーにはごまかしが利きません。


治療者も自分自身と向き合う強さがなければ
ボーダーの治療はできないと思います。

 

 

だから
ボーダーを苦手とする
ボーダーは治らないと言ってしまう治療者が多いんだと私は思います。

 


ボーダーが人を見透かすのは
<境界性人格障害⑮-空っぽの自分->
でも言いましたが

 

それまでの人生でずっと
人を観察し続けてきたからです。

 

普通の人が
楽しんだり学んだり身につけたりしている間

 

人に嫌われないよう

人に好かれようと

ずっと人の観察をしてきました。

 

それは人を見透かすようになって当然ですよね。

 

人を見透かした上で

その人の弱みを巧妙について罪悪感をあおり

コントロールしていくんです。

 

 

次に

ボーダーは何らかの魅力があります。

 

美人、スタイルがいい、オシャレ、センスがいい

面白い、話が上手い

お調子者、愛嬌がある

知識が豊富、頼り甲斐がある…

 

どこかで人を惹きつける部分がある。

 

人は魅力を感じる人に

少なからずコントロールされてしまうものですよね。
 

 

 

さらに

知能が高い傾向にあり、過集中があります。

 

感情が大きくパニックになりやすく

頻繁に脳疲労をしていて

とても頭がよくは見えないと思います。

 

いつも興奮していて

落ち着いて考えることができないため

思慮があるようにも見えません。

 

でも元々の知能は高いんです。

 

その知能を

生活や勉強や趣味やコミュニケーションなどにほとんど使わず

全て人をコントロールすることに使います。

 

この1カ所に思考を集中する恐ろしく大変なパワーが

人をコントロールすることにそそがれるんです。

 

 

私もどれだけの人をコントロールしてきたでしょうか。

 

多くの人を一時的に惹きつけ

自分を崇拝させ

自分の言いなりにさせ

人の自由を奪ってきました。

 

 

人をコントロールしている時期が一番つらかったです。

 

 

思い通りになる人は

 

まるで私のコピーのようで

そこに私しか存在しないような強い孤独感がありました。

 

いつも私の顔色を伺ってビクビクして

私は弱い者いじめをしているような気持ちになりました。

 

私を強く求めているようで

私の魅力や知恵、頼り甲斐…力を求めているだけで

心から愛し慈しまれていることを感じることはありませんでした。

 

 

本当に虚しい、虚しい時期でした。

 

 

 

ボーダーは人をコントロールできてしまうせいで

 

またさらに

人をコントロールするという行動が強化されていきます。

 

 

人をコントロールできてしまうせいで

 

またさらに

空虚感や罪悪感、孤独感、人間不信が強まっていくんです。

 

 

 

 

 

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