逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

境界性人格障害⑪-自己犠牲-

ボーダーは

とにかく自己中心的で人の気持ちなんて一切考えない

 

そんなふうに思われていますよね。

 

 

人の気持ちを考えないという点は否定できません。

 

人の気持ちを考えていても独りよがりでズレていたり

人の気持ちだけでなく自分の気持ちも無視したりするからです。

 

 


ボーダーは
自己愛性人格障害や演技性人格障害と
同じグループに分類されています。

 

しかし
自己愛性人格障害や演技性人格障害と
ボーダーは明らかな違いがあると思います。

 

それは
前者は搾取的であるのに対して
ボーダーは搾取もするが自己犠牲的でもあるということです。

 

ボーダーの一面を切り取れば
確かに搾取的に見えます。

 

でもそれは
そこに至るまでの自己犠牲的な面や

人に愛されるために尽くしている面を忘れて去られているからです。

 


私は元ボーダーだから
ボーダー寄りのことを言ってしまうかもしれません。

 

でも事実として
ボーダーの被害に遭った人は
ボーダーから何も得ていないなんてあり得ないと思います。

 

 

もし本当に搾取的なところしか無かったというなら
その人は
自己愛性人格障害か演技性人格障害を併発していたはずです。

 

 


ボーダーの問題は
自己犠牲的なところにあるんだと思います。

 

愛情を得るために
狂ったように自分勝手に自己犠牲的に尽くします。


そして
自分が人のためにとことん尽くせるからこそ
人も自分のためにとことん尽くせると思ってしまう。

 

人にも狂ったような自己犠牲を求めてしまう。

 

 

どこまでも無理をして勝手に限界までサービスをして疲れ果てて 

 

その頑張りをわかってくれないと人に怒りを持ってしまう。

 

 


私も
人を愛することイコール自己犠牲もいとわないこと。
そう勘違いしていました。

 

これまでの私の人生を一言で言えば

「自己犠牲」に尽きます。

 

 

相手を喜ばせるために

どんなに辛くても、いつも明るく元気で、強くいました。

 

退屈にならないよう面白い話を沢山しました。

 

相手の良い所を沢山見つけて

あなたは素晴らしいとめいいっぱい敬意を表しました。

 

相手の嫌な所は見て見ぬ振りをして

自分に湧き起こる不満は消し去る努力を続けました。

 

いつも関係を良く保とうと

いつでも愛の言葉、感謝の言葉、褒め言葉を語り続けました。

 

困った時には自分を置いて相談に乗り、出来る限りの行動で助け

相手の世話をやきつづけました。

 

相手に負担が無いよう

金銭的にも自分が多く払い、贈り物を贈りまくりました。

 

 

 

私は沢山の人を傷つけて振り回してきました。


でも、それと同じぐらい
沢山の人を愛して、全力で尽くしてきました。

 


ボーダーが治って
人を愛するためには、自己犠牲はいけないんだと知りました。

 

 

 


自己犠牲をして喜んでくれるのは
私のことより自分のことを愛している人でした。

 

私を本当に愛している人は
私が自己犠牲をして苦しんでいる姿を見つけてくれました。


私が苦しむのは、自分も苦しいからやめてほしいと言ってくれました。

 


私はいつも

勝手に死ぬほど自己犠牲をして愛して

途中で根をあげて

それまでの鬱憤を晴らして終わりにしました。

 

 

人のことを最後まで愛するためには


自己犠牲をして途中で倒れるような愛し方ではいけないんですよね。

 

 

どんなにその時全力で愛したくても
最後の最後まで自分を保てる程度で愛し続けなきゃいけないんですよね。

 

このことが

やっと分かったんです。

 

 

ボーダーは人を傷つけるだけじゃないんです。

自己犠牲といえ形で自分のことも傷つけているんです。

 


ボーダーが治る過程には

自己犠牲をやめるという苦しい作業が必ずあります。

 

 

 

 

関連記事

 

 

www.lilcafe-colony.com

 

 

www.lilcafe-colony.com