逆境から立ち上がった臨床心理士

―ADHD・ASD・ギフテッド・養護施設出身の被虐待児―

壮絶な体験をいつまでも覚えていたい

私は幸せな日々が続きすぎると

これまでの壮絶な体験を忘れてしまいそうになるんです。

 

 

自叙伝のカテゴリーで体験を書かせてもらっていますが

死ぬほどの苦しさだったのに

そう簡単に忘れられるはずはないのに …

 

乗り越えた上に20年も経ったからでしょうか。

 

 

思い出そうと思えば
いくらだって鮮明に思い出せるけど

 

普段は
普通に育てられ何の苦労もなかった人に見られるし
自分でもそんなふうに振る舞っているので

 

錯覚をしてしまいそうになります。

 

 

それでいいのかと思ったこともありました。

 


そうすると私は


ただの明るくよくできた人になってしまいます。

 


虐待を経験された方やつらい経験をお持ちの方は
それの何が問題なんだ?と思われますよね。

 


でも


私たちが経験を無くしてしまったら


あれだけ大変な思いをしてきたのに
ずっと耐えてきたのに
ハンデを背負って社会で生きてきたのに

 

ただ

何の経験もない普通の人になってしまっていいんでしょうか。

 

私には耐えられません。

 

 


生まれつき環境が良かった人は同じ年齢で

 

自分の能力を高め
自分の欲しい物を手に入れ

沢山のものを得ています。

 


私たちにはそれが得られませんでした。

 


みんなが人生を楽しんでいる間

私たちは何とか生き残ろうとしていたんですから。

 

 

 

どれだけドン底から這い上がってきたか

どれだけギリギリのところをすり抜けてきたか

どれだけピンチに対処してきたか

 

 

本当はとんでもなく頑張って生きてきたのに

色んな苦しい経験を積んで強くなってきたのに

 

その素晴らしい自分を見ないなんてダメですよね。

 

 


私たちの宝はこの経験です。

 

残念に思うかもしれません。

 


でもこれは本当に宝です。

 

 

ずっと欲しくても手に入らないものばかりだったから

当たり前の物なんて無いと知ってる

 

ずっと苦しかったから

なんでもない幸せがとてつもなく幸せだと感じる

 

ずっと一人で踏ん張ってきたから

人の小さな優しさでも本当に心にしみる

 

ずっともがいてきたから

同じように苦しんできた人の気持ちが分かる

 


こんな素晴らしいものは
普通の人には得られません。

 

 

これさえあれば
残りの人生は幸せなはずです。

 

きっと何が起きても

今までの人生で乗り越えてきた知恵で強く対処していけるし

今までの人生に比べたらと強く泰然としていられる

 

多くを求めなくても何も無くても

今までの人生の苦しさから解放されただけで幸せだと思える

今ある幸せを感じて感謝できる

 

すごいと思いませんか。

 

 


だから

 

私は
今の幸せに慣れてしまいたくないんです。


壮絶な体験は絶対に忘れたくないんです。

 


ここまで
私も長く長くかかりました。

 

途中で嫌になることもあるでしょう。

 

でも
諦めなければこんな宝が手に入れられる

 

それを知って欲しいんです。

 

 

 

 

 

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